ブーム
うさぎは一日をかなり時間割通り過ごしています。この時間になったら食事、この時間はここでくつろぐ などです。
時間割はあまり崩さないのですが、くつろぐ場所や食事を待つ場所、遊び などにはちょっとしたブームがあって時々ひょこっと変えるのです。突然いつもの居場所に姿が見えない、どこ?と探すと新しく決めたらしいマットの上でうさぎ座りしていたりします。
ケージに入って食事を待つことにしたらしいとき。ケージの中の牧草箱でじっとしているのを見ると、体調が悪いのかと下僕はひやぁーっとします。ひやぁーとしながら急いでチェック。昨日のご飯を食べ残していないか?よし、食べてる。痛そうじゃない?よし、眠そうなだけみたい。糞はしているか?してる、ちょっと小さいか?でもまあよし。おしっこの粗相はしていないか?よし。変なものを囓ったあとはないか?ない、よし。以上さっと見渡します。ご飯ボックスをあける音に耳をピクッとさせて反応があればなおよし。
「まあ、ケージに居たい気分なのかな?」と言う結論になります。
本能に突き動かされるようなソファの角ホリホリが突然始まることもあります。
早朝、風の音がする、高速道路で自動車の窓を少し開けたときのような連続音。朝から風がつよいのか?などと考えながら目を開けるとうさぎが一心不乱にソファを掘っているのが見えます。
大忙しで動かす両手がソファをたたく形になり音が籠もって響いています。なんだ、ホリホリか。と下僕はもういちど眠ります。そんなことが一週間くらい続き、突然特に何もしない早朝に戻り、ソファには見向きもしなくなります。
おもちゃも「やわらかボール」が気に入ってくわえて振り回している。良い物を買ったと思うのもつかの間、ぷいと飽きてしまってボールの存在にすら気づかない感じになります。でも、もう使わないからと捨ててしまってはいけません。しばらくしてまた出してやるとブームが来たりするのです。
最近はめっきり年をとり、ものをくわえて振り回すより、やわらかい毛足のマットなどをペロペロなめてうとうとしています。
活き活きと変化していたブームもなだらか穏やかに変化するようになり、執着しないことも増えてきました。
「ああ、あそこにはもう行こうとしないのだな、あんなに好きで楽しそうだった場所なのに」と残念に思いつつ、せめて縄張り内で居心地良く過ごせるようにしてやりたい。
そして、ここ数日の猛暑のせいかうさぎの元気がありません。食べて飲んで動きはするけれど普段の勢いが全くない。ケージから出ようとしない。
これはブームではなさそうです。うさぎの耳が熱く感じたので冷房を「ウサギ温度」にします。ウサギが快適な温度は人間には寒いので、普段は「ウサギ温度の上限」あたりに設定しているのですが、ぎゅんっと下げます。そして頻繁に様子をみてやりましょう。
「どうか一過性のブームであっておくれ」と願っていますが、とても心配しています。