第108回 きみの色
この夏見た映画で外せないのは、山田尚子監督のオリジナル作品「きみの色」。
ひとが色で見える、日暮トツ子。同居の祖母に内緒で突然退学した、作永きみ。音楽好きの少年、影平ルイ。高校生の彼らが出会い、バンドを組んで演奏するまでの物語。
若者と音楽を描いてきた山田監督ですから、クライマックスはバンドの演奏シーンだと思います。ですが、私が感じる本作の魅力は別のところにあります。
他者からみた自分への違和感や、十分に言語化できていない引っ掛かり(自我のようなもの)を内面に抱えつつ過ごしている三人三様の時間が、少な目のセリフと淡い色彩と光と繊細なアニメーションで美しく描かれていて、とても良いのです。誰に相談するでもなく大騒ぎするでもなく、自分たちのやれる範囲で事を進める彼らの過ごし方は、静かでそつがない。後期青年期の彼女らをソフトランディングに導くシスター日吉子(ひよこ)にも注目です。
長崎でロケハンしたという舞台もすてき。若者を題材にした映画への感想として的外れかもしれませんが、落ち着いて見ていられる美しい映画です
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さて、この秋もたくさんの作品が準備されています。原作があり面白いと分かっているものが多いので、余裕をもって楽しめそう。では放送日の早い順に…ONA的今季なに見る?
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「ダンダダン」10月3日から:原作を読んだことがないのだけれど、サイエンスSARUがアニメーション制作で、声優田中真弓(とらつばの稲さん)がターボババア役のことで、実は一番楽しみにしています。それにしても、ターボババアって…何?
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「トリリオンゲーム」10月3日から:池上遼一先生の濃いキャラクターが動く!ドラマ化もされましたね。
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「らんま1/2」10月5日から:林原めぐみ、山口勝平、日高のり子ら1989年版の声優陣が勢ぞろい!完全新作的(的って?)令和のドタバタ劇に期待。
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「チ。‐地球の運動について-」10月5日から:魚豊による原作は、第26回手塚治虫文化賞漫画大賞受賞。間違いなく面白いはず!じっくりと見る枠。
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「夏目友人帳 漆」10月7日から:当記事でもご紹介しました癒し枠。妖怪のみんな、元気かなあ。
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「ドラゴンボール DAIMA」10月11日から:ちいさくなった孫悟空が活躍! 故鳥山明先生が基本ストーリー、設定、デザインに関わった新作。鳥山先生…(涙)
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「青のミブロ」10月19日から:新選組の前身、壬生浪士組に加わった13歳の少年の物語。原作は少年マガジン掲載中。土曜日夕方5時半放送(名探偵コナンの前ですね)
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夏アニメで完走したのは「小市民シリーズ」、「逃げ上手の若君」、「ラーメン赤猫」でした。他の気になる作品は配信でボチボチ見ます。
mm
『ダンダダン』アニメ化記念で現在ジャンプ+で全話無料で読めます。
10/31までだそうです。
https://shonenjumpplus.com/episode/3269632237310729754
アニメ、楽しみです。
SHOJI Post author
mmさん
マンガ情報ありがとうございます!
早速20話ほど読みました!
画、びっくりするほど上手いですね。
サイエンスSARUのパース技術で、さらに映えるでしょうねぇ。
童夢をはじめ、いろんな漫画のネタを入れて(笑)テンポが良くて。
それにしてもシモネタ多すぎ!
これを一番楽しみしてるって言っちゃったよ、私…。
ターボババア、楽しみです。