「同じ」は大雑把な感覚。内実は、千差万別。
夫が脳内出血で倒れて以来、中高時代の同級生たちが度々、病院に足を運んでくれて、今後についても親身に心配してくれます。先日は、転院先についてアドバイスの電話ももらいました。
同級生のなかに、夫ほどではないものの重い後遺症が残り、奥さんや高校生の息子さんへの負担を考えて50代半ばで自ら有料老人ホームに入居した人もいます。体はとても不自由ですが、医師の知識を生かして施設内でアドバイザー的役割を担っているんだとか。
その人からの伝言として「こういうところがいいのでは?」と具体的な施設名もあげてアドバイスをもらいました。そこは、入居一時金のない有料老人ホームで月額利用料は、19万円弱。そこに暮らしながら、「自分がとても優れた言語聴覚士さんを紹介するから、そのリハビリを受け続けるのがいい」とのこと。「ありがとうございます。ネットで検索して調べてみます」と答え、電話を終えました。
さっそく調べると「受け入れ可能」リストの「胃ろう」に△マークがついています。施設に相談したら可能な場合もあるということです。また、「気管切開」は、×マーク。夫は、最近になって気管切開を閉じ、痰の吸引はほとんど必要なくなりましたが、まだ不安定な状態。この「胃ろう」と「気管切開」(閉じてはいるが、今後どうなるか微妙)という2点が、施設の選択肢を大きく減らす要因になっています。
そして月額利用料です。19万円という金額に食費は含まれますが、介護保険一割負担・居室内電気代・オムツ代などの日用品・医療費は別途。少なくとも25万、多ければ30万程度いくんじゃなかろうか。
同級生の親身なアドバイスを受けて、「同じ境遇のように見えても、実際の状況は千差万別なのだ」としみじみ思いました。闘病は、病だけを切り離して考えられるものではなく、それまでに蓄積してきた資産、看病・介護を負担できる家族の人数、車の運転ができるかなど長距離移動への対応力などが絡み合って「何ができるか」「何がベストか」がようやく見えてくるものなのです。「同じ」が、そのまま「適応」できないものなのですね。
先日、市役所で障がい者手帳の相談をしたとき、面談してくれた少し年上の女性が、「これから先は長いです。いろんな選択肢があるでしょうが、費用についてはくれぐれも熟考してくださいね。一番、大切なことですよ」と目に力を入れて話してくれました。「金額で考えていいんだ」と言われているのだと思いました。
話が飛びますが、白血病を公表した池江璃花子さんのところには、膨大な同病の人や同病の家族をもった人からの「体験談」が寄せられているでしょう。そこから導かれる「ベストな選択肢」も膨大に寄せられていることと思います。しかし、「世界トップの水泳選手」という能力と責任を担っているのは、あの人だけ。その年齢、家族構成やその人間関係、恋人の有無、将来の展望などもあの人だけのもの。「同じ」だからといって「適応」できることは、ほとんどないんじゃないでしょうか。
夫の転院先探しは続いています。今週の土曜日には、障がい者入居施設を見学してきます。何件か電話してみましたが、受付の人はみんな落ち着いて温かい。「話を聞く」訓練をしている人たちなのでしょうか。パラダイス病院(仮名)のスタッフを含め、信頼できるプロと出会いを重ねてきました。恵まれているなあと思います。
今日は、プリ子さんの「日々是Love古着」が更新されています。今回は、原宿!私がファストファッションばかり着ている間に、若者の間に…。お店も紹介されています。じっくり読んでくださいね。
今週もオバフォーは、コツコツと更新します。お暇な時間に遊びに来てください。待ってます。