毛玉と生きる:花切大根と豚肉の甘辛炒め
以前にも記事にしましたが、我が家には「まさおさん」という、今年で7歳(多分)になる猫がいます。名付け親は認知症になったばかりの頃の母で、なぜか「さん」までが正式名称です。だから、敬称を付けるなら「まさおさんさん」。なにやらアグネス・チャンちゃんのようですね。
まさおさんと接している時の私は、もうへなちょこでめろめろで、人様に見せられたものではありません。
「まさおさん、まーしゃん、まーま、どうしてそんなに可愛いんでしゅかぁ?昨日も可愛かったねぇ。明日もきっと可愛いでしゅねぇ」
アホか。
でも猫撫で声なんて言葉があるということは、大抵の猫好きさんが私のようにへなちょこのめろめろになるはず。自分の猫を目の前にアホにならない人なんてそうはいないはずなのです。
生き物と暮らすということは結構大変です。それなりにお金はかかるし、世話をする手間もかかる。
共通言語を持たない分、理解できないことも、理解してもらえないこともたくさんある。本当の気持ちを知ることができないから、最後の別れの時には「この子はうちに来て幸せだったのだろうか」と決して出ない答えを探して苦しんだりする。
生き物と暮らすということは、ただ「可愛いから」というだけでは簡単に足を踏み入れることのできない領域に覚悟と責任を持って立ち入ることと言ったら大袈裟でしょうか。
それでも私は、この丸々とした毛玉と暮らすことでたくさん救われてきました。
たとえば出先で、家に戻りたくない、このままどこかへ行ってしまいたいという衝動に駆られたとしても、「私の可愛い毛玉が待っている」ということをよすがに前に進むことができます。
私のすぐ隣で無防備にお腹を出して寝る姿を見れば、無条件に私を信頼してくれる存在がいることに心強くなります。だから、覚悟や責任を背負ってでも、私はまさおさんというこのふわふわの毛玉と生きることを選ぶのです。
もちろん、生きるよすがになったり心強く感じる存在は何も「可愛い毛玉」ばかりではないでしょう。
たとえば自分の子供だったり、孫だったり、パートナーだったり。それがすべてになってしまって依存してしまうのは健康的ではないけれど、よすがのひとつとしてある分にはそれはなかなかの武器になるはずです。
それにしてもまさおさん、猫年齢7歳をひとの年齢に換算してみたら、44歳と出ました。
おっさんじゃん。
するってえと何かい?あたしゃ44歳のおっさんを抱っこして「どうしてそんなに可愛いんでしゅかぁ?」なんて言ってたのか?!
さて、今週の一品は「花切大根と豚肉の甘辛炒め」です。花切大根、以前も紹介しました。輪切りにした大根を乾燥させたものです。細く切られた切り干し大根よりもしっかりとした食感があって美味しいですよ。
花切大根と豚肉の甘辛炒め
- 花切大根をさっと洗い、30分から1時間くらい水につけて戻します。
- 豚こま切れは食べやすい大きさに切って、酒と醤油を揉み込んでおきます。
- 合わせ調味料を作っておきます。小さめのボウルで、醤油、オイスターソース、酒、砂糖、水を混ぜ合わせます。甘辛炒めなので、砂糖はちょっと多めに。
- やわらかく(と言ってもざくざくとした歯触りは残ります)戻った花切大根は、水分をぎゅっと絞り、大きめなら半分に切っておきましょう。
- フライパンに油を引いて火にかけ、豚肉を炒めます。火が通って肉の色が変わったら一旦取り出します。
- ペーパータオルなどでさっとフライパンを拭い、新たに油を引いて花切大根を炒めます。
- 2~3分ほど炒めて大根に油が回ったら合わせ調味料を加え、大根に味が入るように炒め煮のように加熱します。炒め煮ですから、合わせ調味料は多めに作っておいた方がいいですよ。
- 花切大根にある程度味が染みたら豚肉を加えて、汁気がなくなるまで炒めます。
仕上げにごま油を少々回しかけたら出来上がりです。
これを読んで下さっている人の中で可愛い毛玉と暮らしている人・暮らしたことがある人はどれくらいいるのでしょう。もしよかったら、コメント欄であなたの毛玉ちゃんについて教えて下さい。
ミカスでした。
ぺるそな
ミカスさん、こんばんは
お久しぶりです。
先ほど名前なしで投稿してしまったので、再投稿します。
家にもいますよ、ワイヤーヘアの毛玉が。6歳のオスの雑種犬です。
夫が急逝して気力も体力もかなり失ってしまった私を一番助けてくれたのはこの犬じゃないかと思います。犬はただ普通に生きていただけですが。温かくて毛むくじゃらのボディを持った、いつも尻尾を振っている陽気な犬が常に身近にいたことでどれだけ心が慰められ、安心でき、気持ちが落ち着いたことか!そして犬と暮らすことで早起きし、朝日を浴びながらたくさん歩くことでよく眠れるようになり、どれだけ体力回復に役立ったか!
話は飛びますが、最近になって That’s dance! を聞き始めました。ミカスさんがお母様の幼少期のお話をされていたとき「若草病院」とおっしゃっていて驚きました。すごく近所という訳ではないですが、中学校の学区内です。「平潟」から通っている同級生もいましたよー
ミカス Post author
ぺるそなさん
返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
なんて愛らしい毛玉ちゃんでしょう!
私たちと同じ言葉を話すわけでもないのに、どうして毛玉ちゃんたちはこんなに私たちの心を支えてくれるのでしょうね。「守るべき小さなもの」と思っているけれど、実はその小さなものたちこそが無力な人間を守ってくれているのかもしれません。
若草病院のお近くなんですね。
母は若草病院のすぐ隣にあった、母曰く「平潟の母子寮」で幼少期を過ごしました。
よくストリートビューで現在の若草病院周辺を見せたりしましたが、元気なうちに連れて行ってやれば良かったと後悔しています。