遠い国から来て :あさりと菜花のパスタ
ゴールデンウィーク、終わりましたね。
「終わってしまった」か「やっと終わってくれた」か、あなたはどちらですか?
私のゴールデンウィークは特別普段と変わりのないものでした。ただ、ポッドキャストでも少しお話ししましたが、庭に砂利を入れ、私道との間に簡単な柵を付けました。
我が家の庭、前々からどうにかせねばと思いつつ、小賢しい付け焼刃の対策でごまかしつつやってきたのです。でも、これから毎年夏が近づくたびに付け焼刃を振り回すのも大変です。というわけで、今回思い切ってちゃんとした処理をすることに決めました。
頼みの綱は『くらしのマーケット』。
幸い、高い評価がついた同じ町内の業者さんが見つかりました。とても感じのいい男性です。見積もりを取ったところ、さほど高くない価格で、除草、整地、防草シート設置、砂利入れをやってもらえるということで、早速お願いしました。
作業当日、まずは件の男性が一人、軽トラックでやってきました。そしてこう言いました。
「後からもう一人来ます。気のいい外国人が」
気のいい外国人?
しばらくすると、やはり軽トラックに乗って、朗らかな笑顔をたたえた外国の方がやってきました。
ああ、これはまさに”気のいい外国人”だ。
その日は5月にしてはびっくりの暑さの日で、湿度こそ高くはなかったものの屋外で作業するにはちょっと大変な天気でした。それでもたまに窓から庭を覗くと、2人はとにかく丁寧に仕事をしています。時折、男性が外国人男性に何やら指導をし、外国人男性は頷きながら、言われたことを「こう?」とやって見せ、男性が「そうそう」とでもいうように笑う。いいコンビです。
とはいえちゃんと休んでもらわなくちゃと冷たい飲み物を持って外に出ました。
男性に「あの職人さんはどちらのお国の出身なんですか?」と聞くと、スリランカの方だということ。
「スリランカは何語を話すのでしょう?」「いや、僕は普段片言の英語でコミュニケーションを取っているので…さて、何語だったかな」そんな私たちの会話が聞こえたのでしょう。スリランカ人の男性がちょっと離れた所から「シンハラ語!」と答えました。満面の笑みで。
「彼はね、本当によく働きますよ。言葉もわからない国にやってきて、経験したことのない仕事に就いて、真面目に働いて、しっかり技術を身に着けて。とにかく勤勉なんです」
自分だったらどうだろう、と考えました。
まったく言葉が分からない国で暮らすことすら二の足を踏んでしまいそうなのに、そこで技術を習得しないとできない仕事に就くなんて、臆病者の私には到底出来そうにありません。お国のご家族に仕送りをするために頑張っているということですが、私にはそこまで家族を思う気持ちもないかもしれません。
実はこの日、スリランカ人男性の奥さんも現場にいらしていました。でも、奥さんは作業をしている様子はありません。軽トラの助手席に座ったり、日陰から旦那さんの仕事ぶりを眺めたりしています。折り畳みの椅子をすすめると「ありがとうございます」と丁寧な日本語で応えてくれました。奥さんは他のお仕事をされていて、その日はお休みだったのでついてきたそうですが、異国での休日、一人で家にいたところで所在がないのでしょうか。二人のお仕事が落ち着いたらゆっくりお休みを取って、日本だからこそ楽しめることをしてほしいなと思いました。
きっと世の中には遠い国から来て頑張っている人たちがたくさんいるのだと思います。最近はコンビニで外国人の店員さんに会うこともよくあります。色々な状況の違いはあるだろうけど、それでもそんな人たちに出会う度に「私なら出来るだろうか」と考えては、「頑張れ!」と応援したくなる私なのです。
さて、今日ご紹介する一品は『あさりと菜花のパスタ』です。このレシピにはフリッジというショートパスタがぴったり。遠くイタリアからやって来たフジッリと日本の菜花が織りなす不思議な美味しさをお楽しみください。もちろんあさりもいい味出してるんですけどね。
あさりと菜花のパスタ
- パスタはフジッリ(らせん状のショートパスタ)がおすすめです。菜花は茎が細いものを選んでください。
- 菜花は長さ5センチにカット。にんにくはみじん切りにしておきます。
- フジッリを指定の時間マイナス1分間茹でます。
- パスタを茹でている間に具材を調理します。
フライパンにオリーブ油を引いて中火で熱し、にんにくを炒めます。 - にんにくの香りが立ってきたら、缶詰の水煮あさり汁ごと、酒(あれば白ワインの方が良し)、水、塩麹を加えて弱めの中火で加熱します。
- 全ての調味料が混ざり合ったら、菜花を加えます。
- 茹で上がったフジッリをフライパンに加えます。この時、フライパンの中の水分がかなり減ってしまっているようなら、パスタのゆで汁を加えてください。出来上がった段階でほぼ水分がないという状態にしたいので、様子を見ながらうまく調節してください。
- 味を見て薄いようなら塩麹を加えて塩味を足します。
- 仕上げにオリーブ油少々を加えて混ぜ合わせ、油に火を通すように加熱をしたら出来上がりです。
皆さんはどんな連休を過ごされましたか? 「終わってしまった」の方も、「やっと終わった」の方も、また気分を新たに頑張りましょう。
ミカスでした。
匿名
あの…とても美味しそうですが、フリッジではなく、フジッリでは…
ミカス Post author
きゃー、間違えました!
マルチナ・ヒンギスをマルチナ・ヒギンスと思い込んでいた時以来の痛恨ミスです。
直します。