うさぎごや
子供の頃、うさぎは庭の金網(六角形に編まれた金網)で作った「ザ・ウサギ小屋」で飼っていました。床は地面そのままにしていましたら、長いトンネルを掘って脱走しました。
家族総出でうさぎを探している時にトンネルを踏み抜き、往年の映画の大脱走のような2mもの長さのトンネルが発覚しました。
出口はちゃんと灌木の中に隠されていたのです。
両親は若く妹も半分赤ちゃんで、皆できゃあきゃあ面白がってどこかうさぎとの知恵比べを楽しむ感じでした。
私たちも当時のうさぎもエネルギーあったなあ。
程なくしてうさぎは庭で捕まり、小屋の地面にも網を埋めて脱走できないようにしました。
そんな庭の小屋から時代が変わって実家でもうさぎは室内飼いになり、室内で自由にさせていました。
人間の部屋はプラスチック製品や電気コード、有毒の観葉植物など危険がいっぱいで、下手すると野原より危険なのではないかと思うほどです。
ですので全放し飼いにするには室内をうさぎ仕様にする必要がありますが、その時のうさぎは不正咬合で物をかじれなかったので全くの放し飼いにして家の中で好きなようにぴょんぴょんさせていました。
ぬいぐるみ風のドアストッパーを蹴ったか、うさぎを蹴ったか!という事故はたびたびありましたが・・・。
不正咬合はとても大変だったけれど部屋で自由にさせたことで、うさぎなりのルーティンをこなしているのが間近に見られました。
人間が食事を始めるのに合わせて自分も食べ出したり、時間によっている場所を決めていたり・・・。
今の家では室内にステンレス格子のうさぎ用ケージをおいています。
格子部分を噛むとガチャガチャ音がして下僕を呼ぶのにはちょうど良いのですが、歯に負担がかかり不正咬合になるおそれがあるので、噛まないようにうさぎ用すのこやわらっこ(牧草を編んだ製品)をつけました。4面に付けてステンレスのすっきりさはなくなりましたが、どこか夏座敷のようでもあります。
このケージにはトンネル風の箱をいれたり、ロフトをつけることもできます。怪我のもとになるので勧めないという意見もありますが。
私は掃除が大変なので、はじめ入れていた箱類は出してしまいました。ちょっと隠れるための御簾のようなものを古いTシャツで作り、ぶら下げてやっています。こんなのをとても気に入ってくれています。
ユニクロ柄ですが、夏座敷の風情に御簾が合っているではないかと下僕も満足しています。
ちなみに、ケージ噛みに下僕が反応してしまうと癖になるから無視するようにというアドバイスもありますが、うさぎの要求を無視するなんてできません。せめて返事をして断りたい。ということで私はケージ噛みを癖にさせてしまいました。
ケージの回りに柵をして少し広めに居場所を作っている下僕もおり、うちでも初めそうしていたのですが、夫がふらついて柵に手をついて曲げてしまったこと、私も脚をひっかけて転ぶのは時間の問題と思われたこと、という主に下僕の加齢に伴う問題でやめました。
今は概ねケージ、下僕がいるときはへやんぽとしています。
ケージはうさぎの濃い縄張り、特に雌うさぎは自分の周りの小さな縄張りをとても大切にしているようなので、不意に手を入れたりすると場合によっては攻撃されます。
攻撃は恐怖の裏返しだと思うので、手を入れるときは声をかけたり、ゆったり(でも毅然とね)動くようにしています。
移動の時はキャリーに入れます。おそらく猫や小さな犬が使うものと同じプラスチックの硬めのものに加え、獣医さんの待合室で幅をとらないような小さめの布製のバッグ形のものも買い足しました。
いろいろ素敵に買いそろえ贅沢させていますが、ちょっと神経質かも知れません。
庭の小屋と段ボール箱移動だった、嘘のような、おおらかで少々野蛮だった昔が懐かしくなることも時々あります。