ストレートに
下僕が外働きでいないときはうさぎはケージでお留守番です。
寂しいかしら?
でも、野生のあなうさぎは薄明薄暮、つまり明け方と夕方に主に行動するそうで飼いうさぎといえども昼間はうとうとしていることが多く、静かになった部屋は居心地悪くないようにみえます。
そんな風にのんびり過ごしていても
下僕が帰ってきていちばんにうさぎ部屋を覗くと、耳をたてて目を丸くしてケージのドアに寄ってきます。
自分が先に帰ってうさぎといるときに見ていると、あとから帰ってきた家族が門扉をカチリと開ける音をすでに聞きつけているようです。
一代目のうさぎはわかりやすいというか表裏があるというか、人間のようにだらだらして下僕に背中をかかせていたのに、カチリの音を聞くと急にうさぎらしく座りなおしてお出迎え体勢になっていました。二代目は耳をたててキョロキョロしてから、ま、いつものことねというふうに自分のしていたことに戻るかんじです。
下僕が定刻より遅くなって すみませんっ と、どたばた帰ってきたときも、こんな時間までどうしてたのよ などとは決して言わず、伸び上がったりくるくる回ったりして喜んで出迎えてくれます。
下僕は心から遅くなって申し訳ないと思います。人間も待たされたときも怒らずに再会を喜ぶといいんだろーなー。
朝にせよ夕にせよ再会のときの反応がいつもとひどく違うときは体調不良のサインなので喜んで出迎えてくれる姿は二重に嬉しいのです。
時にはうとうとから顔を上げる程度だったり、喜んだ後に背中をむけることもありますがそれもまたかわいい。全部かわいい。
一度うさぎを実家に預けて私が旅行に行ったことがありました。
戻ったときの感動の再会場面をあれこれ想像していたのですが
普段の喜びのくるくる回りはせず、ながいこと立ち上がって(うたっちといいます)確認したあと、思いっきり伸びて寝転んだのです。
うさぎは安心できない場では常に警戒を怠りません。
いわゆるうさぎの座り方で眠るときも半分目を開けています。耳を立てたままのこともあります。
ながく伸びて寝転ぶと咄嗟に走り出せないので、安心したときにしか寝転ばないのです。
留守番中こんなふうに横になったことはなかったそうで、実家ではとてもかわいがってくれていたのですが、うさぎは違う環境で注意を張り巡らせて緊張していたのでしょう。
自宅に連れ帰ったらすぐに自分のケージに入って(ケージの中は完全にうさぎの縄張りとしているので私たちもチョッカイ出しません)5時間くらいこんこんと眠っておりました。
寝ている姿からは「やっと帰った。ほんとに疲れたんだよ~」の声が・・。私の都合で習慣を乱してしまったね、ごめんね、と心の中であやまりつつも、徹夜あけで家に帰って横になったと思ったら次の日の朝だったという若い頃の深い眠りを思い出した下僕です。
あんな風に気持ちよく眠ったんだったらいいな。
喜んで出迎えられると嬉しいというのと
喜びや安心を素直に態度に出すのが直球だということを
うさぎから学んでおりますよ。