第195回 この言い方の復活を!
まゆぽ:
『That’s Dance!』147回を聴きながら、
50分歩いて仕事場に来ました。7553歩。
中で出ていた、「気がある」って最近言わないよねという
お話からいただいたテーマです(さっき聴いたら148回でも…)。
実は昨日、知人から韓国の復讐ドラマの説明を聞いてたら
その中に「ぎゃふんと言わせる」が出てきて、
「うわっ」と思ったところだったの。
実際、「ぎゃふん」と言っているのを聞いたことはないけど、
昔はマンガの効果音的にはあったような気がする。
今では「ぎゃふん」という響きに昭和の香りが感じられる言い方。
ぜひ、もっと使いたいと思ったよ。
あと、高校生の時にやたら使っていた「鬼のよう」という形容詞(?)。
「鬼のような早弁」「鬼のように急いで」とか使っていた。
調べてみたら、『現代用語の基礎知識』にも載っていて、
今では「鬼うざい」などと変化形が使われてるらしい。
省略しない正しい使い方を復活させたいぞ。
つまみちゃんが使ってた昭和の言葉を思い出してね。
つまみ:
That’s Dance!の不完全燃焼テーマを引き取ってくれて
サンキュ♡(ドリカム風)。
「ぎゃふん」いい響きだよね。
語源はなんだろう。
調べればわかるかもだけど、調べないよ。
赤塚不二夫と親和性が高そうなイメージ。
「鬼のよう」は使ったことがなかった。
そんなに流行ってた?
首都圏を中心に席巻したのかな。
中学生のとき同級生のショウコちゃんが「ざまあ味噌漬け 沢庵ぼりぼり」って
連呼してたんだけど、これって福島ローカル?
みんなも言ってた気もするけど、ショウコちゃんの顔しか浮かばない。
わたしは「グロッキー」を復活してほしい。
すごくしっくりしない?
グロッキーとしか表現できない疲れ方、当時はあった気がする。
あとさ「ちゃんちゃらおかしい」も。
なんだよ、ちゃんちゃらって、だけど、なにかを糾弾するにしても
「ちゃんちゃらおかしい」って言うと、鋭利さが緩和されて
なおかつ、気持ちは伝わる気がする。
どう?
まゆぽ:
「ざまあ味噌漬け」までは言ったかも。
その後の「沢庵ぼりぼり」は福島ローカルか
ショウコちゃんオリジナル?
でも「ざまあ」と投げたものを自分に戻して引き受けてる感じがいいね。
これから言うことにしよう。
味噌と言えば、「味噌もクソも」「クソ味噌」もあまり言わなくなった。
米原万里さんがエッセイの中で、国際会議の同時通訳時に
なんと訳していいかすごく困った表現に挙げてたなあ。
「ちゃんちゃら」で思い出したのが「ちんたら」。
これも高校時代にヘビリピしてた言葉です。
「だらだら」よりちょっと軽めなんだけど
さらにいい加減感が増してるという
微妙な領域を表現できる貴重な言葉だった。
昭和一桁生まれの母は、いくら教えても
「ブランド品」を「メーカー品」と言ってしまうの。
「名前のある会社=メーカー」だったんだろうか、昭和初期は。
これみよがしなブランドマークがついた商品を見ると
「け。たかがメーカー品のくせに偉そうじゃないか」と
心の中で使っています。
つまみ:
米原万里さんのそれ、言われたら思い出した。
米原さんって、今も存在感を放ってるよね。
具体的に言うと、米原さんが好きだったという人は
信用できるっていうか、ああ、仲間と思う。
おりがもりそぶな、ってまだソラで言えるし。
あ、本題に戻ると
ブランド品=メーカー品でいいような気がする。
一流以外でもすべてのメーカー品がそのメーカー名の「ブランド」だしさ。
一流っていうのもしゃらくさいっちゃあしゃらくさいし。
ちんたら、は今もたまに使ってます。
自分に使うことが多いかな。
ちんたらやってたら遅くなっちゃった、とか。
今回挙がった言葉ってどれも
意外とドンピシャ(これも死語か?)な代替語がない気がして
ってことは、使わなくなったことで、表現してもらえなくなった
感情や状況があるんだなあとしみじみしました。
言葉はどんどん変わるっていうのは言わずもがなだけど
流行が終わったとか、時代が変わったと十把一絡げにして
大事な感情を取りこぼしてるとしたらなんか残念だよね
‥と、締めてみましたが、うさんくさかったら
ひっくり返していいよ。
まゆぽ:
うふふ。ひっくり返したくなる性格だけど、
今回はハゲどう(これも平成だけど死んだ言葉?)だよ。
言葉によって存在が確立する事物や感情や概念って多いじゃん。
サステナブルとかコンプライアンスとかさ。
でも、逆に使われなくなって存在そのものが
薄くなるものも多いと思う。
使われなくなった言葉、薄くなった存在に光を当てる
言葉の遺跡発掘隊として地道に活動しましょう!