10月23日はカレー記念日

カレー記念日

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10月23日はカレー記念日

Jane

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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50代、男のメガネは

久しぶりに、人を殴ってもいい、と思えるほど怒った、この一ヵ月のこと。

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ゴールデンウィークで、この連載が2週間お休みだった。お休みで本当によかった。何しろ、驚くほど稚拙で、驚くほど子供じみた策略に振り回されていたから。端から見ると、バカみたいな仕事上のトラブルなのだけれど、本当に久しぶりに、「殴ってやりたい」と心から思ってしまうほどに、怒り心頭であった。そんな状況だったから、原稿を書くということが冷静にできるとは思わなかった。

 

そして、その一件が事実上の収束を見て、1週間。そろそろ原稿を書いても大丈夫、と思って書き始めたのだけれど、駄目なのである。穏やかなゴールデンウィーク中の谷中散歩の話でも書こうと思っていても、谷中→やなか→やなやつ→あの事件→なぐってやる!と連想してしまう。

 

これじゃいかん、と思い、自宅を引っ越した話を書こうと書きかけても、引っ越し→上石神井から千駄木→やねせん→うみせん→海千山千→信用できない→信用できない悪い奴→なぐってやる!と連想してしまうのである。

 

52歳。今年の11月には53歳になろうとかというのに、心穏やかになんてまったくならないのである。新たな発見である。僕は物わかりのいい好々爺になる資質はまったくない。それがはっきりした。かといって、事実上収束した仕事上の一件を蒸し返してどうこうしようというほど子供でもない。

 

こういうことは、ちょくちょくあるのだが、世間の人たちはどうしているのだろう。こんなふうに抑えきれない怒りというものを世間の人たちはどう納めて、どう消化しているのだろう。

 

と、昨日の夜、寝入りばなに考えたのである。

 

すると、夢の中に小学校時代の仲の良い友だちが現れて、「あ、そうだ。あいつ、君のこと、本当は大好きだって言ってたよ」と言うのである。そこでいう「あいつ」とは、仕事上のトラブルを引き起こした「あいつ」のことだ。そんな「あいつ」が僕のことを大好きだと言っている、とその友人は言うのである。

 

僕が「そんなはずはない」と反論すると、その友人は「大丈夫。あいつは、本当は君が大好きで、今回のことも謝りたいと思っているんだよ」と言うのである。その声を聞いて、僕はハッと目を覚ました。目を覚ますと、僕はたくさんの寝汗をかいていて、「そう言えば、あいつが書いた手紙が届いていた」ということを思い出したのである。

 

起き出して、鞄を探すとその手紙が見つかった。読んで見ると、今回の一件が予期せぬ状況から引き起こされ、本当に迷惑をかけた、と書かれていた。僕はそれを読んで、涙ぐんでしまい、今回の件をすべて許そうと思ったのだった。

 

というところでまた目が覚めた。そこまで含めて、全部が夢だったのだ。

 

手紙を読んで泣いていた、という部分があまりにもリアルで、まだ実際に涙ぐんでいたのだが、目が覚めてはっきりとわかっているのは、あいつがそんな手紙を書くような玉ではない、ということだ。実際に、そんな手紙などどこにもない。なのに、そんな夢を見てしまったことが、さらに腹立たしい。

 

すると、不思議なことに腹立たしさが限界を超えたのか、なんだか笑えてきたのだ。自分でも驚いた。腹が立ちすぎると、人間、笑ってしまうのか? いつでも、どんな種類の腹立ちでも、同じようになるとは思えない。しかし、少なくとも、今回の腹立ちは度が過ぎて笑える種類のものだと、誰かに言われているような気がした。

 

僕はそのことに少し安堵して、さらに少し嬉しくなって、遠慮なく今回の一件を脇に置いて次へ進もうと思えたのであった。もちろん、そう簡単に忘れられるものでもないし、忘れていいような話でもない。ただ、いったん、脇に置いて先に進まなければ、どうしようもない。

 

でも、きっとこの一件は、何年かして思い出しても、十代の頃に読んだつげ義春の短編マンガのラストシーンのようになるだろう、という確信がある。そのつげ義春のマンガのラストは、こんな風だった。

 

オンドル小屋で散々騒ぐ嫌な客と一緒だった主人公は、自分一人だけ、オンドル小屋で働く若い女の子のヌードを見かける。そして、そのことに気をよくして帰路につくのだが、そのコマにト書きがあるのだ。うろ覚えだが、こんな感じ。

 

「旅先のこんなこともいつかは良い思い出になると思っていたのだが……いま思いだしても腹が立のである」

 

何でもかんでも、いい思い出になんてなるもんか!と思っていた僕は、このつげ義春が書いた〆の言葉に拍手喝采したのだった。いやはや、人の気持ちというものは、いかに扱いにくいものであるものか、と思い知ったゴールデンウィークだった。

 

植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。

 

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。

 


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コメント、ありがとー!

  • ひろっくま

    植松さん、私もありました!そういうこと。

    もういい大人になったのに、なんでこんなに怒りのパワーが湧いてくるんだ?と思うほど。
    毎日毎日怒りの感情にどっぷり浸かっていました。

    そうこうしてるうち、箸が転がってもおかしい年齢の時のように、何があっても笑えてきたんですよ。

    東洋医学を考えを学んだ時、人間の感情も自然のリズムと同じように「陰極まれば陽に転ずる」ことを知りました。
    怒りが極まっちゃったんですね。

    その時は、陰と陽の調和を取ろうとしている“自然の中の自分”って面白いな、と思いました。
    そして「怒りが極まった」って、どれだけ私怒ったんだ!?とまぁ、それも笑えましたね。

  • uematsu

    uematsu Post author

    ひろっくまさん
    『陰窮まれば陽に転ずる』とはいい言葉ですね。
    つまりは、中途半端に我慢せずに、腹が立ったら立ったで、
    ちゃんと腹を立てればいいということなのかもしれませんね。

    まあ、大人なんで、いろいろ限度はあるとは思いますが(笑)。
    僕は今回、実はまだ極まっていない気がしますが、
    近いうちに極まる予感がします(笑)。

  • ハラミ

    ハラミ

    こんにちは。

    夢って面白いですね!脳内の浄化でしょうか。
    このままuematsuさんの怒りは収まるのでしょうか!?

    私は昨日、外仕事で「も〜!それを最初に言ってくれないと!」という作業上の事があったのですが、一介のバイトおばちゃんなので怒りをそのまま伝えることは憚られ…。
    帰りの電車でもモヤモヤ、寝るまでモヤモヤしていました。
    で、ああ自分けっこう怒っているなと…。

    帰宅後すぐに夫に愚痴るのもなんとなくイヤで、1時間ほどしての食事前に急に話し出したりというへんなタイムラグ。
    (ドアを開けた瞬間から「ちょっともう聞いてよー!(怒)」というドラマみたいなのをやってみたいものです)

    「怒り」って何なんでしょうね。自分が困らされる→怒り?
    いつもよくわからないのです。

  • uematsu

    uematsu Post author

    ハラミさん
    ほんと、怒りってなんなんでしょうね。
    僕の場合、なんかトラブルがあって、それが怒りに直結するというよりも、「積極、信用されていなかったんだね」という時に、怒りの感情が発動されるのかなあ、と。あ、でも、その場合は情けない気持ちになるのか。うーんと、怒りって不可解。

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