11月27日はカレー記念日

カレー記念日

疲れかな 加齢か ストレス 全部だな

11月27日はカレー記念日

Comet

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

50代、男のメガネは

はじめてのおつかい。

image

 

この間、テレビで『はじめてのおつかい』を見たのだけれど、以前と見え方が違っていて驚いた。この番組もとても長く続いていて、若い頃は自分が初めてお使いした頃のことを思い出して泣き笑いしながら見ていた。子ども出来てからは、うちの子だったらこういうときどうするんだろう、と実の子どもを見るようにドキドキしながら見ていた。

 

ところが、娘が20歳になり、息子が17歳になると、出てくる子どもたちがこれから生まれてくる孫のように思えるのだ。これには驚いた。もう、小さな子が一生懸命に歩いているだけで涙が出てくる。端から見てるとただのアホではないかと思う。

 

そんなアホなオッサンである僕ですが、こんな僕でも初めてお使いしたような可愛い幼少のころがあったわけです。

 

たぶん、もっと小さなころからお使いはしていたのだろうけれど、覚えているのは小学校の1年生の時のことだ。

 

母から「豆腐を買ってきて」と頼まれた僕は、家から歩いて十分くらいの市場へと出かけた。肉屋があり、八百屋があり、駄菓子屋があり、洋装品屋があり、文房具屋もパン屋も荒物屋もある、という昔ながらの市場だ。

 

家を出る僕に母は「もめん豆腐と生姜を買ってきて」と頼んだ。いつもの市場、いつもの豆腐屋さん、そして、いつもの八百屋に行けば、豆腐も生姜も手に入る。お安いご用だ!とばかり僕はお金を握りしめて市場へと走った。

 

そして、いつもの豆腐屋さんで、顔なじみのオバサンに「豆腐ちょうだい」と声をかけた。

 

「ほい、もめん?きぬごし?」

「もめん!」

「えっ?あんたとこのお母ちゃん、いつもきぬごしやで」

「えっと、でも、今日はもめんやねん」

「ほんまかいな。間違えちゃうか?あんたとこのお母ちゃんがもめん買うとこ見たことないで」

「えっと、えっと」

「大丈夫大丈夫、きぬごしにしとき。まちがいない」

「ほ、ほんならきぬごしで」

 

正直、僕はまだきぬごしともめんの違いなどわかってはいなかったのだ。ただ、母が「もめん」と言ったことは間違いないと思っていた。でも、豆腐屋のオバサンの自信たっぷりな「きぬごし」という声に抗うことなんてできなかったのだ。

 

僕はいつもなら大好きな、豆腐をプラスチックの容器に入れて、それをビニールパックする機械をオバサンが操作するのを泣きそうになりながら見ていた。

 

きっと怒られる。だけど、「オバサンがきぬごしって言ったから」という言い訳が通用するかも知れない。僕は呆然とした足取りで、とりあえず生姜を買いに八百屋へいった。チューブのすり下ろした生姜なんてなかった時代だ。皮の付いた生姜を八百屋で買うのが常識だった。

 

今度は失敗できない。そんな思いで、僕は八百屋のおじさんに「生姜ください」とハキハキと元気よく言った。すると、おじさんはちょっと申し訳なさそうな顔をして、「大きな奴が売り切れてしもてん」と言うのである。

 

そう言って、おじさんが見せてくれたのは、小さな生姜のかたまり、というよりも子どもの僕の目から見ても痛んでしまった小さな生姜だった。そう言えば、この八百屋さんは以前、母と来たときにも似たようなことがあったのだった。小さな痛んだ生姜しかない、そう言われた時、母は「こんな痛んだ生姜にお金払われへん」と返事をしたのだった。すると、おじさんは「そやな、ほな、使えるとこ使こて。お金はいらんわ」とその生姜をくれたのだった。

 

あの時と、同じような生姜である。僕は母の言ったことを真似てみた。「こんな生姜でお金払われへん」と。するとおじさんは「なにを子どものくせに、えらそうに。これでも、ちょっとは使える。●●円や」と値段を言って売ろうとするのだった。

 

値段は忘れてしまったが、確かにいつもより安い値段ではあった。けれど、以前はただでくれた物を今日は有料だということが僕には理解できなかった。子どもだから、なめられている、ということはわかるのだが、どう対処していいのかわからない。

 

僕はますます混乱し、八百屋の前で立ちすくんでいた。すると、隣の家のオバサンが通りかかり、声をかけてくれた。僕が事情を話すと、オバサンは八百屋のおじさんに「あんた、子どもや思てええかげんな商売して!ただであげんかいな!」と一喝。おじさんは「ちゃうがな。いつもは●●円やけど、今日はただであげようと思てたんやがな」とその小さな生姜を包んでくれたのだった。

 

僕はそのお使い以来、買ってくるものは紙に書き、少しでも大人と違う対応をされそうになると、通りすがりのオバサンの子どものふりをしたりするようになったのである。あの頃の大人は、子どもに優しいばっかりじゃなかったけれど、それが子どもを育てたのも事実だな、と今になって思うのだった。

 


 

植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→

「ネコのマロン」販売サイト
https://store.line.me/stickershop/product/1150262/ja
クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。

そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
http://www.isana-ad.com/maron/pc/

 

植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。

 


50代、男のメガネは 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • ひろっくま

    植松さんのはじめてのおつかい、まるでテレビで見ているかのようでした。
    読みながら「がんばれ!がんばれ」って思いましたよ!オバサンが助けてくれて良かった〜。

    私、レタスとキャベツの違いもよくわからないパートナーによく「おつかい」を頼みます。

    そして彼はなぜか、買い物に来ている他の優しいオバサマ、おばあちゃまたちに「どうしたんですかぁ〜?奥さん風邪ですか〜?何を探してるの〜?」って声をかけてもらい、きっちり「おつかい」を終わらせることができます。

    オバサマたちに助けてもらった事を嬉々として話してくれる小学生のようなおっちゃんは、よっぽど困った顔をして「おつかい」してくれているんでしょう。

  • nao

    私も子どもの頃、八百屋におつかいに行って
    傷んだゴボウを持たされて帰ったら
    母が「子どもだと思ってバカにして」と返しに行かされたのを思い出しました。

    市場の八百屋は何でも量り売りで、大人に混じって
    「大根10cm切って」とか「玉子2個ちょうだい」とか言って買っていました。
    冷蔵庫は電気ではなく氷を入れて使う物だったし
    みんなその日暮らしで使う分だけ買ってたんですね。
    買い物一つ黙ったままなんて出来なかった時代。
    大人のみなさんはおつかいする子どもをどんな風に見てたんでしょうね。

  • アメちゃん

    おはようございます!
    読んでいるうちに、長谷川義史さんの絵でストーリーが展開されてきました。
    でも、もし私が八百屋のおじさんに
    「子どものくせに、えらそうに」とか言われたら
    なんでお母ちゃんの真似して、あんなこと言ったんやろ〜〜と
    3日ぐらい自己嫌悪になりそうです。

    子どものお使いといえば
    姉が母に、父の下駄を買いに行くのを頼まれて
    そのときに母から
    「新札やから、ひっついてないかちゃんと確かめて渡しなよ」と何度も言われたのに
    案の定、姉は1000円多めにお金を渡してしまい
    こっぴどく叱られて大泣きしていたのを、今でも覚えています。
    あまりに泣く姉がかわいそうで
    私はお年玉から1000円をこっそり玄関先に置いて
    「あれー、こんなとこに1000円!おばちゃんお金返しに来たみたいー」と
    バレバレの演技をしました^^;。

  • uematsu

    uematsu Post author

    ひろっくまさん

    なんだか、あの頃、子どもはものすごく子ども扱いされていて、
    大人はちゃんと優しくて狡猾で、
    町を歩いてるだけで、子どもが育てられている感じがあった気がします。
    買い物の苦手なおっちゃんは子どもよりもたちが悪いですね(笑)

  • uematsu

    uematsu Post author

    naoさん
    鶏肉屋さんと牛や豚肉を売る肉屋さんは、別々でしたね。
    卵もひとつひとつ選んで買う店もありました。
    あの頃、子どもって家族のものというよりも、
    地域のみんなで育ててる感覚があったのかもしれませんね。

  • uematsu

    uematsu Post author

    アメちゃんさん
    姉を思う妹の演技に感涙です。
    僕は子どもの頃、家がそれほど裕福ではない、
    ということをなんとなく察していたので、
    給食費をお年玉から出したことがあります。

    その夜、父親にボコボコに殴られました(笑)。

  • サヴァラン

    サヴァラン

    「はじめてのおつかい」というのは
    子どもにとって世の中へ出て行く第一歩なのかも、と思いました。
    「人生の中での最初で最大のミッション」とも。

    わたしは母から近所の文房具やさんで花火を買ってくるよう言われ
    「ばらで買って来なさい」と言われた意味がわからず
    連れて出た弟にもぐずられ、結果「進退窮まる」思いで
    「ばらの柄」の花火を1本だけ買って帰って、
    母から「なんでまた一本だけ?」と驚かれた記憶があります。

    子ども本人にとって、「買う」という行為は
    天下分け目に相当するような一大事であったりしますが
    「買う」ことに慣れた大人は、えてして「買う」ことに付帯条件をつけて
    必死の子どもをさらに必死にさせたりするもののようですね。

    お子さんだった植松さんの「こんな生姜で」には、
    親子の結びつきの強さからくる切実さがあって、
    でもそれは赤の他人の大人には「なまいき」とさえ映ってしまって
    当の大人は大人で「商い」という誠実と狡猾のかけひきがあって。。。

    市場の濡れたセメントの床。
    小銭を入れた青いざる。
    サンダルからはみだすはだしの足の指。
    そんなもののひとつひとつを
    懐かしさとせつなさと一緒に思い出したりしました。

  • 匿名

    このお話すごい好きっ!

  • uematsu

    uematsu Post author

    匿名さん
    ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

SUQQUのアイシャドウとその効果

ゾロメ女の逆襲

◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第27回 配偶者呼称問題(女性編)

50代、男のメガネは

叱らないとしんどいよ。

ミカスの今日の料理 昨日の料理

ロコモな私:鶏もも肉の甘辛炒め

日々是LOVE古着

子どもの頃の宝探し

今週の「どうする?Over40」

食べ物という言葉。犬のおやつも、大阪の飴ちゃんも、さりげなく。

カレー記念日 今週のおかわり!

ちょうどいい あったか肌着は どこにある

なんかすごい。

カリーナさんの本

出前チチカカ湖

第163回 最近なくしたものを語ろう

OIRAKUのアニメ

第43回 日本沈没2020劇場編集版 オーディオ・コメンタリー付き上映

これ、入るかしら?

vol.74 ドレスとカジュアル

いどばた。

誕生日がいっしょな有名人は誰ですか?

これ、買った!

耐久 メガネのくもり止め買った!

わたしをライブに連れてって♪

みなさん、ZOOMしてますか

じじょうくみこの崖のところで待ってます

ゆるふわゲストハウスへ、ようこそ!

絵手紙オーライ!

わたしの模写修行(棟方志功)

昭和乙女研究所

お菓子編 アイス

黒ヤギ通信

ゆっくりと

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

ワクワクしたら着てみよう

冬のペールトーンコーデにワクワク~♡

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

いろんな言葉

デトックスフォー、あの日を振り返る

四十路犬バカ日和

小さな日常、非日常。

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

ただいま閉活中

(終)まだの人も、そろそろの人も、もうの人も、みんなお疲れさま!

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

よもじ猫

謹賀新犬

猫No.1  by 爽子

猫大表示&投稿詳細はこちら!

謹賀新犬

猫No.1  by 爽子

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「どうする?年齢とおしゃれ。それからすべての生き方」

  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up