人生を細かく刻んで、「憂い」を脱出。
♥「どうする?40代からのファッション&生き方」過去記事再掲♥
で、この「憂い」ですが、
先ごろ亡くなった吉本隆明氏の著書「人生とは何か」に
私たちよりもっとずっと先輩であるところの
70代後半や80代の人の心について書いた文章を見つけて
ああ、そういうことか、と思いました。
ちょっと引用してみますね。
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「老いの先にはもう死だけで、
いいことなんて何もないじゃないか」という軌道に入ります。
ご老人というのは、
たぶん、ぜんぶ、24時間のなかのある時、ある瞬間に
そう考えて、憂鬱で
「俺はもう生きてたっていいことは何もねえんだ」
と考える軌道に入ると思います。
問題はだから、その(絶望や死の)軌道に入り込んだときに
いかにしてそれから逃れるか、脱出するかということです。
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なーるほどー。もしかしたら、
年齢とともにビミョーに増えていく「憂い成分」は、
この「死の軌道」あたりから発せられる誘因成分なのかもしれないぞ。
「ほーら。こっちの軌道にはいっちゃいなさいよ」
「もう、そのまま軌道に乗るだけだよー」みたいな誘惑の声。
で、吉本さんが、
その軌道からの脱出法を
何だとおっしゃてるかというと、
こまかく刻め、と。
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「こまかく刻む」ことです。
憂鬱であるとか、愉快であるということの移り変わりを
うんと刻むということです。
なんでもいいんです。
つまらないことでも
感情なり、時間なりを小刻みに刻んでいくと、
それが「今日は楽しかった」ということになります。
(中略)
若いときは幸不幸とか、
鬱とそうじゃない時とを長い射程でとらえています。
だけど、年をとってからうつ病を脱出するには
長い周期じゃぜんぜん実感できないんです。
「今日は楽しかった。明日はわかんねえぜ」
ということでいいから、
そうやって細かく刻む以外ないということです。
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いやいやいやいや。そういうことなら、
わたしゃ、もう、今のうちから
「こまかく刻みクセ」を身につけたいな。
「どうする?40代からのファッション&生き方」
2012.4.13 人生を細かく刻んで、「憂い」を脱出。 より~
akane
若いころは、年齢を重ねれば人生はどんどん楽になっていくのだと思っていました。
実際に年齢をある程度重ねて、どうやら人生はどんどん楽になるのではなく、どんどん辛く・切なくなっていくようだということを知りました。
大きなブラックホールを、胸の中に抱えながら、それを見ないように、もしくはほかの方向に転換して生きているんだ、と思うと、人生の先輩を急にいとおしく感じることがあります。
「細かく刻む」私も、すぐにでも始めたいなあ。
リオ
”細かく刻む” 響きました!
実践していきたいです。