DVDのケースを開けると、ディスクがない。
DVDのケースを開けると、ディスクがない。
必要があって、市川崑監督の『股旅』という映画を観なければ、ということになった。ショーケンこと萩原健一が主演した時代劇だ。しかし、この映画、市川崑作品だけあって、一筋縄ではいかない。脚本が谷川俊太郎で、のっけから渡世人の「おひかえなっすて、おひかえなすって」という決まり文句が、省略なしで人数分くり返されたりして、股旅ものとしてストーリーが展開していくというよりも、股旅の実体を教育テレビのように解説してきれたりもするのだ。
そういう妙な映画は大好物なので、ちゃんとDVDを買ってあるのさ。ということで、久しぶりにDVDのケースを開いてみたのだ。ないのだ。見事にないのだ。おっかしいなあ。3年ほど前に学生に見せてやろうとプレイヤーにかけたことは覚えているのだ。でも、ちゃんとケースに戻したはずなんだけどなあ。
これ、今買うといくら位するんだろう。中古で100円とか500円とかなら、買っちゃうほうが安いんじゃないの。なんて思いつつAmazonを検索してみると、なんと「現在、お取り扱いがありません」ときたもんだ。これはいかん、最悪はレンタルでしのごう、と調べてみたら、こっちはきちんとあった。良かった良かった。
しかし、ケースがあって中身がないということで、蔵書(本とかDVDとか)の管理がちゃんとできるアプリはないものか、と、アプリを探しているといいのがあった。よし、これでDVDをなくすことはないぞ。ついでに、人に貸したとかいうのも管理できるからうれしいね。と、アプリをダウンロードして、アイコンを確認しているところで、気がついた。このアプリ、前にもダウンロードしているのだ。
僕は前にも同じように、自分の蔵書管理の必要性を感じて、このアプリをダウンロードしていたのである。そして、僕は思い出した。あの時も僕は市川崑の『股旅』がDVDケースにないことに愕然として、同じアプリで管理するというところにたどり着いたのだった。
そして、おそらく数週間か数ヵ月で、僕はそのアプリを使わなくなり、『股旅』のDVDを紛失してしまっていることも、きれいさっぱり忘れいていたのである。ああ、恐ろしい。ボケているのか。それとも、この程度のことはみんな経験しているのか。どっちなんだろう。
そんなことを思っていたこの週末。宅配レンタルDVDで、市川崑の『股旅』は届けられた。ショーケンは、精一杯の一生懸命さで『おひけえなすって、おひけえなすって!」と叫んでいるところから、映画は始まる。ほら、こういうのは忘れてないんだけどなあ。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
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クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
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