病み上がり
具合が悪くなったうさちゃんは病院で処方された薬をのんで幸い元気になりました。
前の晩の一時的な具合の悪さやぐったりしながら牧草を少しだけ食べている様子が先代うさぎを思い出させて、とても不安でした。
先代うさぎはおなか以外の不調で食べられないことが命とりになったのです。
「おなかの調子はわるいけれど何としても食べたい」のか「おなか以外が不調である」のか。
薬を飲ませて二日ぐらいでまずまずいつも通りに戻ったので「おなか以外がとても不調ということはないのかな」「シニアうさぎになってだんだんちょっとしたことがコタエるのかもしれない」と考えています。
あんまり心配してのぞき込んでばかりだとうさちゃんに「うっとおしい」とチロ目されてしまいます。
病み上がりのうさちゃんはクーラーの涼風が当たる場所に移動してうとうとしています。口周りがもぐもぐぴくぴくしているので本気で寝ているようです。
そんなうさちゃんをみながら、病み上がりっていいなと思いました。
急な風邪などで苦しんでいても「あ、いま身体のほうが勝ったでしょ」と思うポイントがあったり、ケガでも「なんか治っていくほうに入った」と感じる時があるのは、見通しが立ったみたいでとてもいい。この時点ではまだ「上がり」ではないけどその方向に向かい始めて少しずつ体調が戻るっていうだけで日常が明るくなります。

はっきりした病み上がりがない状況がたくさんある世の中で、病み上がりを経験できるのは有難いことだよと思うのです。
そんなわけで少しずつうさちゃんが治る日々は本当にホッとしてありがたい。
おなかが治っていく時も、怪我で動かなかった両脚が少しずつ動くようになっていった時も。
しかし、うさちゃんはそうやってよくなった脚の麻痺が年とともにまた目立つようになりました。一度はずいぶん力強くなっていたのですが。
脚をキュッと曲げておく力が弱っているようで、両脚をのばしてぺたんと尻もち座りになり、動き出すときは両手で前の床を手繰り寄せておしりを持ち上げて脚を戻して起き上がってきます。それから「うーん」とノビをします。
ブラッシングついでにちょっと凝っている部分や脚を柔らかくマッサージ(テリントンタッチもどきも)してやります。
脚の内側を触ると反射的に脚を深く曲げるのでそれも何回か。
関節がひどく硬くなるのを防げるとよいし、曲げる動きを思い出してもらえると嬉しいのですが・・・、どうでしょう。
直後は少し動きやすそうに見えるので、つかの間のその様子を見ては下僕は喜びます。

今回、うさちゃんはおなかのことで受診した一週間ほどあとに主治医の外来も受診しました。もともと目の経過をみせてくださいと言われていたのですが、目はほとんどよくなっているとのことでした。
心配したりほっとしたりの一週間でした。