Posted on by Comet
<いろんなことば>「喪服どうなさる? 持ってく?」
「ちょっと兄さん、喪服どうなさる? 持ってく?」
「うむ、持ってったほうがいいかもわからんな」
「そうね、持っていきましょうよ。
持ってって役に立たなきゃ、こんな結構なことないんだもの」
映画『東京物語』より
母親の危篤の知らせに、アラフォー長女の杉村春子がシャラリと言う。
小津安二郎の『東京物語』は、
10代で観ると香川京子、20代なら原節子に感情移入し、
ドライな杉村にはたいてい嫌悪感を覚えるものです。
けれども当時、母の住む尾道までは16時間半の旅。
そりゃあ持って行くでしょうよ、と40代の私は思いましたよ。
情がないわけではないけれど、合理性がサッパリと上回る、
人生の経験値があがるというのは、そういうことだと。
by Comet
taketsuma
この映画、見ていないですが、この感覚解ります。
これが「嫁」となると、更にサッパリしたもんで、葬儀後の義家族の決め事も、
「もっと将来を見て決めた方がいいんじゃね?」って思うんですよね。
口には出さずに傍観してるけど。
この場合「経験値」ではなく、「距離感」かな(^^;)
あ き ら
嗚呼、杉村春子。 そりゃあ持って行きますよ。人生とはそういうもんでしょ、と思います。
リメイクは観てませんが、そう言うセリフこそがあの映画のよさですよね。
そこのところ切り取って読ませて下さって、ありがとうございます。
この前、いろいろ逡巡しながら十何年ぶりに黒いスーツを買い直しました。
分割払いです(苦笑)。 みなさんはどうなさってるのかな?
wasuregusa
そうですか。
あの映画の杉村春子は40代(設定)でしたか。。。
それにしても、うーむ。悩ましい。。。
杉村春子の紬のような、シャラリ サッパリ がなかなか身につきません。
アタマの半分は合理性を支持しながら、もう半分がその合理性の足を引っ張る予感満々です。「言霊」じゃないけれど、自分の行動が未定のことを規定にしてしまいそうな憂いに縛られて、飛行機や新幹線の時間ギリギリ迷い倒す自分が目に浮かびます。「持っていく」or「おいていく」、決めるべきはそれだけなのに。おまけに「ちょっと兄さん、」と身近な誰かに聞いてみることもできない。。。どんくさいなぁ。どんくさい。むかしよりずいぶんましになったと思うんだけど、あと一息のところが乗り越えられない。40代後半にして、人生の経験値、いまだ40代に届かず、です。
Comet Post author
taketsumaさん
コメントありがとうございます。
「距離感」……わかります。
特に冠婚葬祭となると、
実家と婚家との微妙な違い(やや受け入れがたい)に
胸がワサワサすることが多々アリ(^ ^;
いつにもまして「距離」を感じますわー。
Comet Post author
あきらさん
コメントありがとうございます。
私も山田監督バージョンは観てないですが
杉村春子を中島朋子が演ったというのには
ややソソられています(笑)
そういえば喪服、私も10数年前に買ったままだわー。
買い替えるきっかけって難しいですよね。
Tomi*
「東京物語」は観ていませんが、山田洋次監督の「東京家族」は観ました。
中島朋子のドライな長女役、良かったですよ〜。
キャストが皆はまり役で、台詞もとても自然でした。
親の立場、子の立場、それぞれに感情移入できました。
遠方の危篤の知らせには、喪服持って行きますよ〜。
私も喪服は20年以上前に買ったきり。
デザインが若くてもう着れません。
買い替えのきっかけが掴めないまま、ヤフオクで落としたヨウジヤマモトの黒いジャケットとスカートを喪服代わりに着ています。
爽子
この状況なら、もちろん、持っていかなきゃ。。。と、思いますが、
気軽に往復できる距離なら、おいて行くかなあ。
自分の身に置き換えると、わたしもギリギリまで迷い倒す派。
合理性とは対極な日常を送っております。
ただ、そのわたしでも、喪服は日頃着ないような長いフレアーの入ったデザインにしています。
なぜかというと、法事なんかの時に、正座に耐え切れず、ちょこちょこ足を崩しても、スカートに
覆い隠されて目立たないように・・・。
体重があると、足のしびれが半端ないんですよ。
正座苦手だーーー。
Tompei
「私が喪服を持って来たばかりに、着ることになってしまった」
という思いに苛まれるのがイヤですごく迷いそうです。
そんな私は喪服を新調できず、四半世紀前の年代物をまだ着ています。
いいかげん買わなくちゃとは思うんですけど、3人の老親を
抱えた身としては「買ったばかりに」が怖くて……。
Comet Post author
Tomiさん
コメントありがとうございます。
そうですか!喪服もヤフオクですか!
しかもヨウジヤマモト。
そういえば最近参列した葬儀では
いわゆるブラックフォーマルではなく
おしゃれな黒い服の方が多かったです。特に50代以上。
この年代になると、若い頃買った喪服があわなくなって
手持ちの黒服、という選択をする人が増えるのかな。
この問題気になる……引き続きリサーチしてみようっと。
Comet Post author
爽子さん
コメントありがとうございます。
私も普段はパンツばかりですが、喪服だけはスカート派です。
ゆるゆるワンピースで、脚もお腹もしめつけないやつ(^ ^)
お焼香しようと立ち上がってすっころんで……
という人がたまにいますが
さすがにそういう場では、笑いをとりたくないですからねー。
Comet Post author
Tompeiさん
コメントありがとうございます。
わーかーるー。わーかーるー。
喪服買うタイミングってホント難しい。
法事のときに新調すればいいのかな。
でも、そのときに誰か「そろそろ」な人がいると
やっぱり躊躇しちゃいますよね。
Comet Post author
wasuregusaさん
コメントありがとうございます。
お返事遅くなってごめんなさい!
自分のことになったら、私も迷うだろうなあ。
杉村春子も気持ちでは「持っていったほうがいい」と決めてるんだけど
最後のところで「自分のせい」になるのを巧みに避けてるんですよね。
この微妙な言い回しに学ぶところアリ、かもしれません。