記録、取るべし。
今回はゴンゴンの入退院を通して、これ絶対やったほうがいいと思ったことをお伝えしたいと思います。
それは、「記録」
病気や症状にもよりますが、介護の場合は長期戦ですし、そうそう目立った変化もありません。「あれ?いつもとちょっと違う」という感じじゃないでしょうか。しかし、この「ちょっと」というのをどうやって表現するか。これが問題になります。
ゴンゴンが入院していたとき、飲んだ水分の量、尿の量、大便の有無、などを記録させられました。あと、その時間。もちろん食事も。入院中は看護師さんの言われるがまま、これをやっていました。(やってくれていたのは介護サポートのEちゃん)記録した内容は、その日の夕方など、看護師さんがお薬持って来たときなどに報告します。というか、見られます。
私は看護師さんのお手伝いなだけだと思っていたんですが、あるとき、はたと正しい使い方がわかりました!
長く一緒にいると、日々の細かな変化に気づきやすくなります。特に看護サポートのEちゃんは丁寧に観察してくれていて、微妙な変化も見逃しませんでした。ところが、チームインターナショナル(Eちゃんと私)は、うまくこの微妙な変化を伝えられない。母語話者でもきっと、冷静に伝えるのは難しいのではないでしょうか。
だって、
「ちょっと変なんです」
「昨日まではこんなんじゃなかった」
「今日、なんかおしっこの出が悪い」
「便秘だ」とか「下痢がー」とかしか伝えられない。
(お食事中の方、ごめんなさい)
特に、病状が悪い時は、ついつい表現が足りなくなってしまいます。
そこで、チームインターナショナルが考え出したわざは、何かあったら、写真を撮ること。そして、その記録ノートを見せながら話すこと。「何時におしっこして以来、出てない」とか、「ここまでは〜がなかったけど、朝からはこういう状況だ」と、客観データを見せながら話すことができます。そうすると、看護師さんは、忙しいながらも、記録と状況をもとに、的確にお医者さんに伝えてくれます。
実はゴンゴン、最後のほうは血尿と呼吸器系などの問題で、よく救急に駆け込んでいました。救急は忙しい。だから、すぐに相手してもらえないこともあるんです。こういっちゃなんだけど、やっぱり重症患者が優先ですし、あ、そして、台湾の救急、常に人が多いので、ちゃんと聞いてもらうためにも記録があったほうが便利でした。
在宅介護の場合は特に、記録されていると、何かあって病院に駆け込んだときなどに、お医者さんの判断材料のひとつになるのではないでしょうか。今は、携帯にデータを飛ばすことができるものも多くありますから、利用なさってもいいかもしれないですね。
たわいもないことを偉そうに書いてしまいました。それでは、下次見!
【プロフィール】
azumi 。長崎県出身、台北在住。アラフィフ真っ只中。職業:日本語教師として奮闘中。主婦の仕事は洗濯くらい?猫3匹+猫天使、夫。義母とはもちろん別居。現地化を超え、なぜか韓国人に間違われること多し(太ったときによく起こる現象)。座右の銘は「叩けよ、さらば開かれん」
ぺいたお
azumiさん、こんにちは。
前にコメントをしたぺいたおです。
ここに出てくるEちゃんが、外国から介護の仕事のために来ている方なんですね。
外国で介護の仕事をするのって、どんな感じだろうと思っていました。
ヘルパーさんが人の家でテキパキと家事や介護を時間内に片付けるのを、すごい、私にはこんなにうまくできないと思っているので、文化と言語のちがう外国で住み込みで働くなんて、本当に強い心を持っていないと、やりとげることはできないと思います。
独身? 既婚? どんな性格? 給料はいくら? 仲介にどのくらい払うの? 仕事や休みの時間は? 好きなことはなに? プライベートの部屋はあるの? 今までに介護の経験は? 台湾には長くいるつもり? 国に帰ったら、働いたお金をなにに使うんだろう?
もちろん、迎えるほうのazumi家でも、いろいろリサーチしたり、準備を整えたり、家族の意見を統一したりと、やること、考えることがたくさんあったかと思います。
ともあれ、azumiさんとEちゃんが、お義父さんのために、言語を越え、力を合わせ、知恵をしぼっているようすが、あたたかく感じられました。
記録と言えば、私の義母が倒れたとき、海外在住で気が気でない義姉に長い記録を書き送ったことがありました。
入院中の義母の言葉、雰囲気、出来事。医師、看護師、リハビリの先生らの話。退院時のカンファレンス。いいことも悪いことも、その場にいると思えるように、詳しく書きました。
義姉と私たち夫婦は介護方針が真逆で、義姉にとって私はウザい黒義妹です。それでも、10年前のこの記録を、先だっての帰国時も口にしてねぎらってくれました。
個人的には、この記録はけっこう楽しかったので、別のもっとすんごく大変だったことを評価して欲しいよなぁ〜と、ビミョーなんですが、本当に、「記録、とるべし」なんですね。