令和のコメ騒動で、小泉は首相になるのか?
「コメは買ったことがない」と言い放つ大臣もなかなかの強者だけれど、任命された途端に「随意契約だ」「価格破壊だ」とまくし立てる小泉進次郎もどうかと思うわけですよ。
そりゃ、コメの価格は下がったほうがいい。というか、下がってくれないと困る。困るけれど、小泉進次郎が大臣になったからって、コメの値段が急降下なんてことはありえない。そんなマンガみたいなことがあってたまるか。現実なんて、もっと地味で、もっと陰湿で、そして、もっと段取り命でやってくるに決まっている。進次郎が農水省にやって来た途端に、コメの神様が「おお!よく来た!待っておったぞ!」と蔵の扉を全開するような展開なんて疑ってかかったほうが良いに決まってる。
だいたい、就任初日から「随意契約」なんて専門用語が飛び出すなんて、裏に官僚が書いたシナリオがあるに決まっているし、周辺の段取りがあまりにも良すぎる。どう見たって、前大臣の頃から想定されていた施策があって、進次郎就任という絶好のタイミングでやっちゃえ!ということなんだろう。成功したら、任命者の石破君の株もあがるし、次の選挙で過半数を取ることだってできる。失敗したら、進次郎一人に押しつければいいわけだし。
でも、僕が心配なのは、今回のコメ価格破壊がうまくいっちゃって、ちゃんと2000円台で行き渡るようになったら、ということだ。そうなると、いまの国民は「それじゃ石破を辞めさせて、進次郎を首相にすればいいじゃないか」ということになる。あんなにアホな発言ばかりしてるのに、それでも毎回世論調査で「首相にしたい国会議員」に名前があがるんだもん。実績上げれば、あっという間に首相になれるよ。
新鮮な魚も、まな板も、切れる包丁も用意しているところへ、シャキッとした雇われシェフが登場して、「では、切らせていただきます」と包丁入れただけなのに…。
今回の米騒動が、たとえば半年以内にいい感じに収束して、国民も「やっぱり小泉くん、やってくれたわ」と言い始めたら、えらいこっちゃだ。まさかの『令和の小泉劇場』が開幕だよ。ま、いいや、その時は首相になってもらいましょう。とにかく、今夜のコメが手に入らないと、腹に力が入らないから。腹に力が入るようになってから、進次郎のやりくちを厳しく監視するほうがいいかもしれない。
あ、そう言えば、令和の小泉劇場の主役・進次郎くんはインスタグラムのコメ欄、閉じたらしい。コメ担当大臣なのにね。コメ欄炎上したら、コメ担当大臣じゃなくてチャーハン担当大臣になっちゃうから?
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植松事務所
植松雅登(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。