あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(9)〜事業線は本当だった!
11月23日夜、台湾最大の映画祭「金馬奨」の授賞式が開催されました。
台湾のオスカーとも呼ばれるこの賞には、この一年、台湾で公開された映画のほかにも、香港、中国大陸、シンガポールなどからの映画の参加もあります。
チャン・ツイイーや、アンディー・ラウ、ジャッキー・チェン、、、、えーっと、ほかにもたくさん有名な方々がいらっしゃってるんですが、英語名がわからないので割愛させてくださいませ。
もし有名人と遭遇したいなら、この11月中旬以降に毎年開催される「金馬奨」の時期に合わせて台湾にくるのもいいかもですねー。
さて、今日ご紹介したいフォルモサレディー(台湾の女性)は、こちら。
今年の最優秀新人賞を獲得した郭書瑶です。
台湾Yahooの記事はこちら→「郭書瑤奪首座金馬 要加倍奉還」
「加倍奉還」は、今年の流行語大賞にノミネートされてる「倍返し」の中国語版。
こちらでも流行語です!
ちなみに、新人賞にノミネートされた俳優さんたちは、ほとんどチビッ子!
日本同様、実力派子役の波が押し寄せております。
彼女が出演した映画は、「志気(Step back to Glory)」(Facebook, YouTube)
という映画で、台湾の女子高校生の綱引きチームが世界一になるというストーリーのもの。
実話です。決して華やかではなく、汗臭い青春ものです。
綱引きなので、ぐぉぉぉぉっと踏ん張ります。
金馬奨の前評判では、ノミネートはされたけど、新人賞はとれないだろうと言われていました。
なので、昨晩、「最優秀新人賞は、郭書瑶さんです!」と発表されたとき、
彼女は最初、自分の名前がよばれたことすら気づいていませんでした。
その後は大泣きしながらステージにあがり、あのトロフィーを受け取ったのでした。
ステージにあがって、コメントするときも、
「あぁ、受賞するなんて想像してもなかったから、挨拶全然考えてないです。
何を言ったらいいんだろう。えっとえっと(しばし恒例の、「〇〇ありがとう」)
これからもがんばります!」
と、顔をぐしゃぐしゃにしてコメントしておりました。なんか、とても新鮮だわ。
彼女ね、もとはグラビアアイドル系でデビューしたんです。
巨乳さんなんで。
彼女を一躍有名にしたのが、5年ほど前の滋養強壮剤のCM。
幼い顔と豊満ボディーで、グヮシッ!と世のメンズのハートをわしづかみにしたのです。
彼女の登場を皮切りに、胸の谷間戦争が勃発。
台湾のニュースでは、この胸の谷間に流れる線を
「事業線」
と名付けました。
この事業線があれば、売れる!間違いなく売れる! とね。
その後、CDデビューも果たし、順調そうに見えたのですが……
やはり彼女の人気も長く続かなかった。
すぐに巨乳バッシングが始まり、教育上よろしくないと、決められた時間帯には胸の谷間はお見せできないルールが作られ、谷間はモザイクの雲海が。
巨乳が売りだった彼女は、ゴールデンタイムに出没することも難しくなり、
テレビやCMから少し遠ざかったのでした。
しかし、意外や意外。
彼女はまじめな子だった。(私ったら失礼ね)
ほかのタレントさんが注目される中、歌のトレーニングも積み、中国大陸への売り込みも忘れず、女優としてのトレーニングもがんばり、台湾のドロドロドラマにもレギュラー出演を獲得したのでした。
そして、ついに映画出演が決まります。
先ほども書いた通り、決して華やかでない映画に、彼女は出ることを決めました。
真剣に綱引きのトレーニングをし、手のひらは豆だらけ。
青春ってこうかもね、ってくらいの汗と涙、そして綱引き特有の踏ん張り。
もはや「きれい&かわいい&セクシー」の巨乳タレントの域ではありません。
胸の谷間も、胸の大きさすら、邪魔になりそうな役じゃぁないですか。
あー、この子、本当に努力の子なんだなー。
かわいい顔で得したこともあっただろうけど、
きっと損したことも少なくなかったんじゃないのかな。
私も一瞬でも外見だけで判断しちゃったもんなー。ちょい反省。
いい女優さん目指してがんばってほしいなぁ。
それでは下次見!
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あずみさんのプロフィール:
長崎県出身、現在は台北在住。40代前半。
職業:あるときは日本語教師、またあるときは編集者、またまたあるときは主婦
家族:台湾人の旦那+台湾人の義父母、ノラ出身の猫3匹
環境適応能力を遺憾なく発揮し、ほぼ現地化完了(語学は除く)。
台湾レディー事情を地元民&日本人の目線からレポートしたいと思います。
大河ドラマ「八重の桜」を見ていると、風吹ジュンさんや宮崎美子さんが老いた女性の思慮深さや強さを演じておられますが、思えば、この方たちも「肉体派」、いまでいうところの「グラドル」だったんですよね~。郭書瑶さんも、そんな道を歩んでいくのかもしれませんね。あ、ちなみに郭書瑶は「グオ・シューヤオ」だそうです。瑤瑤(ヤオヤオ)というニックネームで呼ばれているそうです。それにしても「事業線」ってすごいな(笑)
(by カリーナ)
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