青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.7」
粋にサリーを着こなす60代を目指して
げっ、40代・50代の私たちに向かってもう60代の話をするか!?って
思っている方もいらっしゃるでしょうが、私はめっちゃおしゃれにサリーを着こなせるオバアサンを目指しています。そう、インド人もびっくり!(この宣伝、リアルタイムでご存知ですか?)なくらいに。
一番の目標は、いつも糊がパーンと効いたサリーに手作り風のアクセサリーを合わせているライラー・タイヤブジーさんというダストカールという手工芸NGOの代表者。
(←この方)
このこなれ感といい、背筋のしゃんと伸びた着こなしといい、ただもんじゃないオーラが漂っています。しかもグレーヘアのショートカットにおおぶりのイヤリングとネックレスががいつも印象的。クラフト市の会場などでお見かけするたびに「追っかけ」をしている私です。
先日は民芸博物館の中庭でテレビのインタビューを受けていらっしゃるときに、パパラッチよろしく撮影。
サリーの着こなしのかっこよさって、
立ち姿、歩き方、座った姿、ちょっとした振る舞い、パッルーと呼ばれる肩にかかる部分を直す時の仕草・・・そんなところに出るんですよね。往年の沢村貞子さんのこなれた着物の着こなし、さりげない格好良さが思い起こされるような。
サリーは日本の着物文化に匹敵するインドの代表的民族衣装で、ブラウスとペチコートの上に5メートル半から6メートルくらいの一枚布を巻きつけて着こなすのですが、地域ごとにいろいろな素材、織り方、染め方、模様、ボーダーの入り方がそりゃもう数え切れないほどあって、眺めるだけでも楽しいですよ。
着物と同じように、T.P.O.がかなり明確化されていて、女性たちは表立って口にはしなくても、サリー姿で格付けされちゃうことも多いです。ドヒャ~
たとえば、昼間の学校行事なんかだと、こんな感じでコットンのサリー着用率が高いです。ただし、着こなしのポイントは「糊がきいてて、アイロンがピシっとかかっていること」。
(右から2番目の女性が着ているのはパンジャービー・スーツと呼ばれる。チュニック・パンツ・ストールの三点セット)
これが、夜のパーティになると素材がぐっと華やかになり、チュールレースが透けるようなデザインとか、ビーズや金糸銀糸の刺繍がびっしり施されたものとか、シルクなど、パーティ会場のライトに映えるようなものが好まれます。
婚約式、花嫁さん側の儀式、結婚式のサリー姿はそりゃもう華やかで煌びやか。
これ↓↓は友人のお嬢さんの婚約が決まったときのお祝いパーティ(婚約指輪の交換式)での
ショットですが、テーマカラーが「ピンク系」って決まっていたんです。(結婚式本番のときには、赤は花嫁さんの色なので、赤いサリーでの出席は避けるんですよ)ちなみに一番左が花嫁の母。派手!!
着こなしは肩にかける部分・パッルーをどんな風にたらすか、前ひだをどうとるか、で地方性が出ます。いや~~、改めて写真を眺めてて「やっぱりみんな頭が小さいわ~」って再認識。
ここに私が入ると、一人だけ前のほうに立ってるかのように写っちゃいます。泣
このサリーの流行の発信源が、もちろんムンバイで撮られている「ボリウッド映画」だったり、
ファッションウィークでのデザイナーサリーだったりするんです。主演女優さんが初日の舞台挨拶で着用したサリーだとか、劇中の印象的なシーンで着ていたサリーなどは、即レプリカものが出回ります。その年の花嫁さんのメーキャップもアクセサリーも、もちろん主演女優さん風が
大流行。また、デザイナーサリーの場合には全国展開のデパートなどと組んで「なんちゃってデザイナー物」がお手軽値段で出たりもします。感覚的には、ものまね番組での「ご本家」の衣裳と「ものまね版」の衣裳って感じでしょうかね。
サリーの着こなし・・・・と言っても、インド人だから全員着付けができるわけではなくて、若いうちはやはりお母さんやオバちゃんたちから着せてもらいます。
若い子向けに、サリーの着付け解説iPhoneアプリもあるんですよ~。
田舎では16歳くらいで結婚し、既婚者となったと同時にサリー着用しはじめる場合もありますが、都会だとほとんどの女の子が「高校の卒業式でサリー・デビュー」します。そして次の機会が「大学の卒業式」。ちょうど5月は大学の卒業式シーズンですから、なんとなく着慣れない
サリーをまとった女子大生が、卒業式のあとに謝恩会に繰り出している場面に遭遇します。
フレッシュなサリー姿ではあるけれど、まだまだ「こなれ感」が足りないね~
・・・って感じでしょ?これが数年後に結婚して、場数をこなしていくと、冒頭のライラさんのように貫禄の着こなしになってくるわけですよ。
このところのサリーの流行は、地色が無地で、派手な広めのボーダーつき。ボーダーをポイントに着こなすというもの。
伝統的なシルクのサリーや薄手コットンをシャキっと着こなしたいもんだと思う自分と、やっぱり流行りの今風サリーも欲しいじゃな~い、と思う自分とのはざまで揺れ動く女心。
サリーを着る機会が増える結婚式シーズン(10月~3月)前にこの立派な腹回りをなんとかしなくちゃな、と思っております。はい。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
★日本への帰国前に記事を書いて送ってくださいました。サリーの着こなしも深いですねー。それにしても、青蓮さんが憧れるライラさん、素敵だなあ。
先日、私も大ヒットインド映画「きっと、うまくいく」を見てまいりました。な、なんと大入り満員、立ち見での鑑賞となりましたが、とても面白く、インドって「まだまだ、埋蔵量あるなあ。人も自然も物語もたっぷりありそうだなー」と思いました。目が離せませぬ。(カリーナ)
★ただいまブログはお休みですが、アーユルヴェーダの記事も書いてくださっています。こちらもどうぞ ⇒青蓮さんのブログ
★青蓮さんへのコメントも、お寄せ下さい。この機会に興味のあることを聞いてみてくださいね♪
★3月まで連載されていた「YUKKEの今日のラテンステップで」を読む方は、こちらをどうぞ。メキシコの女性たちが生き生きと描かれています。
★前回の青蓮さんの記事は、こちらから。