ゾロメ的つれづれ・ずれずれ・ブレブレ日記⑭ 人生はまさに慣用句だ
◆7月某日 注“目”を浴びる
義父が右目の白内障の手術を受けた。
4月末、左目に網膜動脈閉塞症を発症し、突然視力を失った義父だが、右目の方は数十年前からほとんど視力がなかった。要するに、左目頼りの半生を過ごしてきたわけだが、左目が全く見えなくなってしまったことで、うっすら光だけは感じる右目が、ここにきてまさに注目を浴びたわけである。
検査の結果、数十年を経た最新眼科技術(たぶん)を持ってしても、残念ながら右目の視力回復は困難と判明した。けれど、視力低下後に罹患したと思われる白内障を治せば、入る光の量が若干増えることは期待できるとのこと。ただし、視界が明るくなる程度なので、手術を強く勧めるというものでもない・・というのが主治医の診立てだった。
以上のことを義父に、間違ってもあらぬ期待を抱かないように注意しながら説明したわけだが、義父はフライング気味に「手術をする!」と明言。愛想があまりなく、めったに笑顔を見せない主治医も思わず苦笑いするくらいの前のめりっぷりだった。
手術で、確かに右目に入る光の量は若干増えたようだ。顔を斜めに動かすと、ピンポイントだがうっすらとモノが判別できる一点があることもはっきりした。でも、とりたてて生活の支障が改善されたわけではない。概ね変化なし。義父も、そして義母も、そのことに「超ガッカリ!」している。
手術を決めた日から手術日までの間に、ふたりの「手術で期待されること」が自分たちの願望方面に書き換えられていたらしい。「手術をすれば、一人で歩いたり食事ができるかもしれない」という風に。下手すりゃ、語尾に「かもしれない」がついてなかった感もある。
この手の記憶改竄は、認知症の症状はなくても高齢者の傾向だったりするのだろうか。それとも義父母の性格なのか。
そんなわけで、残酷なようだが、現在は義父母の受容とあきらめ待ちである。なんだかんだ言って、中高年以上の人生にこのふたつはつきものなので・・。いや、そんなことはない!希望を捨てちゃいけない!と言う人がいるとしたら、若いか、よほど幸せな日々を送ってきた人だと思う。うらやましい。
ところで、今回のことで、私を思いもかけずハードルの高いミッションが待っていた。目薬挿し、である。
手術をした右目には、術後に挿す目薬が3種類処方された。一方、この2ヶ月以上、左目にも眼圧を下げる目薬が2種類処方されている。右目用には、1日4回のものと2回のものがあり、左目は1回と2回。わかりづらいことこの上なし。同じ方の目に挿す場合は5分以上間隔をとらなければならないことも難易度を高くしていて、私のようなすっとこどっこいには嫌がらせにしか思えない指令だ。
そして、ここに飲み薬も加わるわけだが、義父は脳神経外科にも通院していて、降圧剤と血液をサラサラにする薬、めまい止め、なども処方されているので、目の薬(術後の抗生物質もあり)と併せて、もう何が何だか、である。
知能訓練を受けているみたい。
◆7月某日 目からウロコ 猫をかぶる 腕試し
読売新聞夕刊連載の「こぐれひでこの食悦画帳」を読んで、こぐれさんの近所の奥さんの言葉に驚く。
「魚の煮付けとは、魚に味を染み込ませずに、濃いめの煮汁につけて食べるものだということをお忘れなく」。
ええっ!?そうなの?私もこぐれさん同様、味を染み込ませようと長時間煮てた。煮過ぎてたんかい!?だとしたら、まさに目から(魚の)ウロコだわ。
「まさに」ついで。ウチの猫、我が家に来て一年が過ぎたと思ったら急ににぎやか猫になった。一時的かと思いきや、もうそうなってからひと月以上で、もはやにぎやかなのがデフォルト状態。こうなると、一年間、まさに猫をかぶっていたとしか思えん。可愛いけど。
もう一個。
白内障手術後、一週間は顔を洗えない義父。タオルで拭いているが、それじゃあさっぱりしないだろうと、洗顔シートを入手。大正男はベタつきは苦手そうなので、まず自分で試してみようかと思ったが、化粧をしていたのでとりあえず腕を拭いてみた。で、まさに腕試し。
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
izumi
はじめまして
私も父の白内障手術後の目薬挿しで
苦労したクチです。でも3種類でしたので
つまみさまほどの苦労はありませんでしたが
5分おきというのが意外と厄介ですよね・・・
3ヶ月間でしたっけ?もううろ覚えですが
結構長かった記憶があります。
大変でしょうけど頑張ってくださいね。
ところでひとつ気になりました。
術後服用する抗生物質ですがクラビットですか?
高齢者の場合、クラビットを飲むと副作用として
アキレス腱炎、もしくは断裂が起こることがあります。
実は私の父も白内障手術後にクラビット錠剤を服用して
その後2週間も経ってから足が痛いと言い出し
歩けなくなりました。
断裂までは行きませんでしたが
治るまでに強い鎮痛剤で3日ほどかかりました。
後で調べ、クラビットのせいだと分かったのですが
アキレス腱炎は特に高齢者で出るとされていて
処方する医師にはあまり知られていないようです。
つまみさまのお父様に万が一、
足が痛いという症状が出たら
クラビットを疑ってみてくださいね。
あ、ちなみに目薬のクラビットは少量なので
問題ないと言われましたが、念のために
別の系統の抗生物質に替えていただきました。
とにかく、お父様が無事に回復されますように。
長々とお邪魔しました。
つまみ Post author
izumiさん、はじめまして。
コメントありがとうございました。
薬情報、ありがとうございます。
クラビットという薬が足にくることもあるとは、人生、わからないことだらけです。
今のところ、義父は大丈夫ですが、目薬で処方されていますので
もし足に何か今までと違う違和感があった際は疑ってみます。
そうなんですよ。
5分以上の間隔をおくというのが思わぬ伏兵です。
つい、忘れてしまうんですよねえ。
左と右を挿し間違えそうになるのもしょっちゅうで
「字を書く方」と自分の手をあげてから挿したり。
お箸は左なのでまぎらわしい自分なのでした。