10月29日はカレー記念日

カレー記念日

年下と 知って内心 驚愕す

10月29日はカレー記念日

月亭つまみ

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

じじょうくみこの崖のところで待ってます

ああ島よ。ムッちゃん事件の顛末。

みなさま、ぐずついた秋の週末、いかがお過ごしでございましょうか。こちらシマ島はゴーツーしにくる旅行者もほとんどおらず、すっかり静まり返っておりますが、そんななか本土にお住まいのザビ男の姉上様からいきなり何を言わずにこれが送られてきまして

鼻毛カッター。。。

女子としてどうリアクションしていいものか思案中の義妹じじょうくみこでございます。

来週おねーさまがくるらしい。嵐の予感

そんなことはおいといて、前回のつづきです。

サヨナラの島と、ムッちゃんのこと。

よそものの受け入れに積極的ではないシマ島で、唯一無二といってもいいほど島民から絶大な信頼を寄せられていたムッちゃんに異変が起きたのは、おととしの秋のことでした。

少し前から島のなかで、奥さんと娘さんの姿が見えなくなっていました。小さな島ではあることないこと、噂はすぐに広まります。わたしもシマ島に来たばかりのころは、ちょっと家にこもって仕事していただけで「あそこの嫁は島を逃げ出した」と噂がたってドンヨリしましたがそれはまあいい。

とにかくムッちゃんの家族について「どうやら離婚したらしい」「船に乗り込む2人を見かけた」などという噂が立つようになったのです。そしてあるときザビ男と港の食堂でごはんを食べていると、いまや村長におなりになったマハラジャがツツーとやってきて

「ムッちゃんのかみさんと子ども、さっき船に乗って出てったねえ! 娘さん、保育園の退園届出していたから心配はしてたんだけどさ!」

ってそれ村長が言っちゃだめなやーーーーつ

プライバシーってなんでしたっけ

その後もムッちゃんはいつもの陽気なムッちゃんのまま、いつものようにお店を続けていました。しばらくたってムッちゃんがぽつりぽつりと話してくれた内容によると、奥さんが島暮らしになじめず、本土に戻りたいと言い出したというのです。

「田舎でのんびりしながら家族で仲良く暮らしたい」という思いで、始めたはずのシマ島暮らし。ところが住民も旅行者も少ない場所での飲食業は想像以上にハードで、観光シーズンは休みなしで早朝から深夜まで働き、オフシーズンには老人ホームでアルバイト。一方で会合に寄り合い、行事にイベント、島で存在感を増すほどムッちゃんの仕事は増えていき、家に帰れない日も少なくありませんでした。

島のひとは子どもが大好きだから、いろんなひとが娘さんの面倒も見ていたようですが、奥さんにとってはそれもストレスになっていたようで。ある日ムッちゃんは「みんなで本土に帰れないか」と奥さんに相談されたというのです。けれど島民の期待を一身に受けていたムッちゃんは「他の移住者のためにも、いま自分が島を出るわけにはいかない」とつっぱねたといいます。

そして秋のある日、本当に奥さんと娘さんはムッちゃんを残して島を出たのでした。

ムッちゃんは、日を追うごとにしょぼくれて生気を失っていきました。店というのは不思議なもので、どんよりした空気は外からでも伝わるものです。お客さんは減り、彼を励まそうと通ってきた常連さんたちも次第に足が遠のき、だれもいない店にぽつんといるムッちゃんを何度も見かけました。

やがてムッちゃんはひんぱんに店を休み、本土とシマ島を往復するようになりました。故郷で居酒屋を営んでいたお父さんが倒れ、入院したためでした。お父さんの容態が落ち着くまで店の手伝いをすることになったのですが、そこで店にかなりの借金があることが発覚。実家と島の店、両方を抱えることになったうえ奥さんからは養育費を請求され、ムッちゃんはますます追い詰められていきました。

そして去年の春。ムッちゃんから「店を若手に任せて、実家に帰ることにした」と告げられました。父の不在で母親まで体調を崩すようになり、島との行き来は限界だと悟ったらしい。

「いったん実家に戻って店を畳み、自己破産して借金を精算するしかないと思う。嫁とも離婚しかないかもしれないけど、必ずぜんぶ整理してまた島に戻ってくるから!」

ムッちゃんがいなくなると聞いたときは、かなりショックでした。ムッちゃんがいるからがんばれていたこともたくさんあったから、いなくなる思うだけで心細さが広がりました。でも事情が事情だけに、誰も引き止めることができません。

そして「サヨナラじゃないから見送らないでほしい」という本人の希望もあり、ごくわずかな身内だけで船に乗り込むムッちゃんに手を振ったのです。

大丈夫。ムッちゃんは、ほかのひととは違う。また戻ってくるのだから。

ムッちゃんはそれっきり、帰ってきませんでした。

「来月また来るから」と知り合いの家に荷物を預けていったきり、来月になっても再来月になっても姿を表さず。その一方で、ムッちゃんが店員のバイト料はもちろん店舗の家賃、アパートの家賃、商店のツケなどを、ずいぶん前から滞納していたことがわかったのです。なかには、わずかではない額のお金を貸していた島民もいました。

いくら実家が大変だ、養育費が必要だ、とはいっても、これはマズいんじゃないか? いろんなひとがムッちゃんに連絡を試みましたが、まったくつながりません。そこで以前からムッちゃんと仲良しだったタオちゃんが、意を決してムッちゃんの実家に押しかけたのです。すると、

「もしもし、タオちゃん? いやあ久しぶりだねえ、元気?」

お店にいたのは、なんと入院しているはずのお父さんだったのです。病気で倒れるどころか、ムッちゃんのお父さんはお店でバリバリ働いていたのでした。お店を畳んで借金を精算するという話も「閉店? どこが?」とキョトンとされるばかり。ムッちゃんは、実家には帰っていなかったのです。

え、どゆこと?

嫌な予感がして、タオちゃんはすぐにムッちゃんの奥さんにも電話してみることにしました。案の定、ムッちゃんはそこにいました。奥さんの実家に。

「え? だって島を出るというのは、もともとムッちゃんが言い出した計画なんだよ? 自分は後から追いかけるから私たちは、先に戻っていてくれって」

はあ??

ちょ待って、落ち着いてよーく考えてみよう。つまりアレだ、ムッちゃんは最初からシマ島に永住するつもりはなかったってこと? たとえそうだとしたら、わざわざ島の幹部に気に入られるまでがんばる理由がどこにあった? 親を病気にしたり、妻を悪者にしたり、そこまでして壮大な嘘をつく必要がどこにあった? 

人なつっこい笑顔を思い浮かべると、誰の言葉を信じていいのか、考えれば考えるほど頭が混乱しました。けれどムッちゃんは島に帰ってくるどころか、タオちゃんの電話にもなかなか出てこず、奥さんの説得でようやく電話口に出ても「あてにしていた仕事をクビになって…ウツ病になって働けなくなって……」とのらりくらりと言い訳をくり返すばかり。

揉めに揉めること半年。結局ムッちゃんはなにひとつ責任を取ることはせず、最終的には友だちだったタオちゃんと、ムッちゃんを追って島にやってきた新店長が、借金を肩代わりすることで決着することになりました。

でも、こんな目にあってもシマ島ではムッちゃんを悪くいうひとはあまりいなくて、何かの集まりがあるたびに

「ムッちゃん、どうして出てっちゃったんだろうね……」

誰かがポツリつぶやいては、しんみりしてしまう、そのくり返し。

大きな目をくりくり動かしながら、熱心に相手の話を聞いていたムッちゃん。バレーボールは下手くそだけど、カバディは妙にうまかったムッちゃん。イベントで島の食材を使って島カレーをふるまうことになったのに、肝心のカレールウを忘れて他地域のひとにルウをめぐんでもらっていたムッちゃん。「いっしょにシマ島を盛り上げていこうぜ!」ってはりきっていたムッちゃん。

あなたのサヨナラは、ちょっと重すぎです。

つらみ

まあそんな感じでいろいろあるシマ島ライフですが、酸いも甘いも悲喜こもごも、右から左へ受け流しながらしぶとく生きていこうと思う、じじょうくみこでございます。あー鼻毛抜こう。

それではまた来月お会いしましょう。それまでいつもの、崖のところでお待ちしています。

text  by  じじょうくみこ

illustrated  by  カピバラ舎

*「崖のところで待ってます。」は毎月第1土曜日更新です。

じじょくみnote始めましたが滞ってます→


じじょうくみこの崖のところで待ってます 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • はしーば

    むっちゃん・・・
    人の心を鷲掴みにして虜にするだけして、でも何だか憎めない。
    言葉は悪いですが、なんだかテイのいい結婚詐欺に遭ったような気にさせられました。
    むっちゃん、落とし前つけにシマ島に帰って〜!

  • じじょうくみこ

    じじょうくみこ Post author

    >>はしーばさま

    コメントありがとうございます^_^
    結婚詐欺!名言出ました!
    確かに、まさにそんな感じだったかも・・・と思いました。
    (クヒオ大佐にだまされた人でこんな気分だったのかしら!?)

  • まんぷく

    じじょうくみさま

    奥のふか~いエピソードをありがとうございました。

    事の展開にえええっ???でしたが、人は本当に何層からもできているのだなと感じました。

    世の中、いい人と悪い人と、箱2つに分類されるわけではないのですね。
    小説のようなむっちゃんの真実、じじょうさまの筆運びに心を持っていかれました。

    秋がすっかり進みました。どうぞ健やかにお過ごしください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

50代、男のメガネは

Mくんのこと

ミカスの今日の料理 昨日の料理

カイゴデトックス特設ページを開設しました:長芋の春巻

今週の「どうする?Over40」

今週金曜日、カリーナの本発売。そして、カイゴデトックスのサイトがオープンしました!

日々是LOVE古着

プリーズプリーツ…

カレー記念日 今週のおかわり!

手を出せば 出るの出ないの どっちなの

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

ヘッドマッサージャーで柔らかあたま

ゾロメ女の逆襲

◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第26回 トラウマを蹴とばせ

OIRAKUのアニメ

第41回 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編/劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

じじょうくみこの崖のところで待ってます

ああ島よ。ムッちゃん事件の顛末。

出前チチカカ湖

第162回 最近のトライ&エラー

なんかすごい。

2冊のZineと1冊の本

わたしをライブに連れてって♪

先生、倒れたってよ。

これ、入るかしら?

vol.73 髪をなるべくきちんと

いどばた。

エコバッグどれがいい?

絵手紙オーライ!

三つ葉のあの子・・・

昭和乙女研究所

お菓子編 アイス

これ、買った!

スマホ消毒器、買った

黒ヤギ通信

ゆっくりと

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

ワクワクしたら着てみよう

冬のペールトーンコーデにワクワク~♡

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

いろんな言葉

デトックスフォー、あの日を振り返る

四十路犬バカ日和

小さな日常、非日常。

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

ただいま閉活中

(終)まだの人も、そろそろの人も、もうの人も、みんなお疲れさま!

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

よもじ猫

蜜月時代

猫No.78  by 伽羅

猫大表示&投稿詳細はこちら!

蜜月時代

猫No.78  by 伽羅

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「どうする?年齢とおしゃれ。それからすべての生き方」

  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up