11月20日はカレー記念日

カレー記念日

片足で くつ下はけた日 調子いい

11月20日はカレー記念日

にゃまの

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
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50代、男のメガネは

便利になると人は諦めがつかなくなるのかもしれない。

 

 

フィルムで映画を撮影する、という経験は、その後のデジタルシネマに移行してからもとても大きな意味を持ってしまうようだ。

 

先日、自分がかつて学んだ映画の学校の夏の合宿に参加して、学生たちと一緒に16mmフィルムで短い映画を撮った。僕が学生の時は、映画と言えばフィルム撮影が当たり前で、テレビのドラマでも屋外のシーンはほとんどが16mmフィルムによる撮影だった。

 

時代が進んで、劇場でかかる映画もほとんどがデジタルシネマ、つまり、ビデオによる撮影になり、フィルム撮影される映画は皆無になった。デジタルで撮影すればランニングコストも低くなるし、コピーも簡単。さまざまなメディアへの展開も容易になる。

 

効率至上主義の世の中では、ランニングコストの低さは大きな意味を持つ。多少の不便さはあっても、同じクオリティでランニングコストが低くなるなら、今までのやり方を変えようと決断するに足りるということになる。

 

撮影を何度繰り返しても、フィルム代はかからない。撮影した直後に、撮影内容をくり返し検討できる。そんなデジタルシネマは急速に普及して、主流となっている。

 

今回、学生と一緒にとても短い映画をフィルムで撮影してみて思ったのは、「フィルムはやっぱり良いなあ」というノスタルジックな思い出はなかった。むしろ、デジタルの時代になったからこそ当たり前になってしまった、撮影後すぐのプレビューによって失われた撮影現場の機動力や、カメラマンを信じて撮影を任せきると言う現場の信頼関係のほうが気になってしまったのだった。

 

去年までビデオ撮影による映画の班を担当していたので、1カット撮影するたびに「今撮影したカットはどう?」と演出を担当している学生に聞いていた。学生は自信がないので「えっと、いまの表情はあれでいいんでしょうか」と聞いてくる。すると、僕は「自信がないなら、もう一回撮っておく?」という具合に、2回目、3回目の撮影が始まるのである。

 

これだけで、テイクが2倍、3倍になっていく。そして、とりあえず、自信がなければテイクを重ねれば良い、ということで緊張感が薄れていくのである。

 

そこへいくと、フィルムの緊張感は確かに半端ない。フィルムが回るたびに、お金が飛んでいく。その場で確認できないので、事前にカメラマンと信頼関係を結んでおき、映りに関してはカメラマンに任せるしかない。

 

ある意味、そんな潔さこそが、人間関係をつくり、仕事の推進力になっていたような気がするのである。

 

それは僕の本業の広告仕事でも同じである。原稿をつくって、クライアントに確認してもらうときにも、レイアウト用紙には実際の文章が書かれているわけではない。文章が入る場所にアタリがあり、「ここに文章が入ります」という印が打ってある。そして、実際の文章は別の原稿用紙に書かれていて、コピーはコピーでしっかり確認してもらう必要がある。写真やイラストだって、ときにはラフなものが貼られていたりするのである。

 

つまり、作り手とクライアントは信頼関係で結ばれていて、万が一、多少イメージが違っても、「任せたのだから文句は言わない」という大前提があったように思うのである。

 

しかし、それは以前のクライアントが物わかりが良かったから、という話ではない気がする。デジタルによる収録になってから、余計にややこしくなった動画撮影の仕事も同じで、「やり直しがきく」「何度でも確認ができる」という特性が、人の心の弱いところにつけ込んでいるような気がするのである。

 

多くの人は自分の判断に自信などない。しかし、自分の立場で精一杯戦い、判断を下して「OKです」という声を出す。そこに「本当に?」と問いかけられれば、みんなが戸惑うのである。

 

そして、そんな戸惑いを繰り出せる要素で、デジタルの世界は構成されているように思うのである。

 

人の暮らしを便利にするためのデジタル機器が、人の迷いを増幅させ、不便だったアナログ機器が、人を強くたくましく育てる。

 

今回の合宿では、カメラマンが被写体をぐるりと一周回って撮影するカットがあった。すると、逃げ場がないので、監督以下のスタッフが建物の影に隠れなければならなくなる。つまり、なんどもリハーサルを繰り返して、役者を演技と、カメラワークを確認した監督は、「ようい、スタート」と声をかけた後、カメラマンの「カット!」の声を待ち、OKかNGの判断さえもカメラマンに委ねなければならないのだ。

 

この撮影で、カメラマンの「カット、OK!」の声を聞いたスタッフ、キャストを歓声を上げた。監督も一緒になって声をあげる。その声は、リハーサルで観た演技と、カメラワーク通りに、いやもしかしたら、それ以上に彼らが頑張ってくれた、と監督が思ったからこそ出てくる声なのである。

 

世の中をよくするためのヒントはきっと彼らの歓声の中にあり、そして、その歓声をあげた彼らは、ひとつ、周囲の若者よりも信頼とはなにか、ということの欠片のようなものを経験できたのではないかと思うのだった。

 


 

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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。


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コメント、ありがとー!

  • nao

    プラスとマイナスは同程度。得るものがあれば失うものが必ずありすべてを手にすることはないのかもしれません。
    その時は気が付かなかった大事なものを失ったのか
    後にならないと分からないことばかりだなあと思います。
    それでも得たものをよしとして時代は進むのではないでしょうか。

  • uematsu

    uematsu Post author

    naoさん
    その通りだと思います。
    でもまあ、その通りなんですが、一定数の人が争うことも含めて、自然の成り行きなのかなあ、と思ったりもします。
    一筋縄ではいかないところが、世の中の面白いところですね。

  • ひらめ

    いい話ですね。
    涙ぐんでしまいました。

  • uematsu

    uematsu Post author

    ひらめさん
    ありがとうございます。
    今日、合宿で撮影したフィルムを
    学生たちと見ました。
    少しトラブルで光が被っている部分もありましたが、
    概ねよく撮れていました。

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