〈 晴れ、時々やさぐれ日記 〉 ああ、おいこのみこす。主役と脇役のあいだ
――— 46歳主婦 サヴァランがつづる 晴れ ときどき やさぐれ日記 ―――
毎日、毎日、お暑うございます。小学生のいる我が家は、夏休みの迫りくる恐怖に怯えております。暑い。うるさい。片付かない。お昼ごはん、どうしましょう。。。
頼む、頼むから今年こそは、7月中に宿題の大物を片付けておくれ。感想文と自由研究と図画。この三本の矢の早期着手で、毎夏お決まりのツクツクボウシデフレを脱却しておくれ。それが家族三人のこの夏の平和と安寧のカギなのだ~。
はい。わたしは「経済」というものがとんとわかっておりません。いつか大人になったらわかるかな~と思っていたのですが、46回目のこの夏も、「経済を理解する」という課題を積み残しそうな予感満々。
ぱっとしないはなしで恐縮ですが、主人のボーナスはトントンと右肩下がりです。この上半期、欲望の断捨離を重ねた結果の「欲しいものリスト」も、その大半はお預けを余儀なくされそうです。子どもの小学校の卒業式&中学の入学式で持ちたいなーと妄想していたハンドバッグは、円安でお値段が上がってしまいました。エコノミー症候群を心配しながらするエコノミーな海外旅行は、とっくのむかしに妄想の大気圏外に。なんだかもう、お金を使うということ自体がめんどうくさいな~。
「経済」という言葉からいささか脱線しますが、わたしは明治の文豪とその夫人の以下のエピソードが好きだったりします。
夫人は家事が不得意で、お寝坊をして夫に朝食を出さぬまま出勤させることもしばしばで、夫がこのことを、「お前のやっていることは、不経済極まりない」と叱ると、「眠いのを我慢していやいや家事をするよりも、多目に睡眠をとって、良い心持で家事をするほうが、何倍も経済的なのではありませんか?」と言い返したというエピソード。
ご存じの方も多いと思いますが、夏目漱石とその妻鏡子さん。あの時代にこれだけのことが言えた鏡子さん、天晴れ。
【 経済 】
①国を治め人民を救うこと。経国済民。政治。
②人間の共同生活の基礎をなす物質的財貨の生産・分配・消費の行為・過程、並びにそれを通じて形成される人と人との社会関係の総体。
③費用のかからないこと。費用をかけないこと。倹約。
— 広辞苑より—
わたしはついつい、自分のバイアスでものごとを理解しようとする癖があって、(というか、その方法しかなくて)いけないのは承知なのですが、以前に読んだ本の中に、「おお!これならわかる!」という一節がありました。
「エコノミクスって、ギリシャ語の『オイコノミコス』からきているんです。オイコノミコスとはどういう意味かといいますと、共同体のあり方、という意味なんです。
共同体のあり方―。
経済学は、利己的な利益の追求を理論づけるだけの学問だと思っていた僕は、その言葉に少なからぬ感動さえ覚えてしまった。我々が、個人としてだけでなく、みんなでどのように生きたらみんなで幸せになる事ができるのか。それを発端とする学問がオイコノミコス、つまり経済学の始まりだったのだ。
今まで、株とか投資とか税とか、なるべく近寄らないようにしてきたことがらが、その経済学者のひとことで、急に自分に関係あることとして考えられるようになったのだ。
株も税も、世の中全体がうまくいくために我々の祖先が考え出したことなのだ。」
( 『経済ってそういうことだったのか会議』 佐藤雅彦・竹中平蔵 より )
経済学economicsの語源 :
oikos( 家、小さい共同体 ) + nomos( 法、秩序、管理、運営 )
=オイコノモス ( 家庭の管理、家政、共同体のあり方 )
ということはあれかしらん。株とか為替とか公定歩合とか税金なんかが大きな顔で主役をはっている今の「経済」は、ほんとは脇役が主役をくったってこと?目的と手段、手段の肥大化?「みんなのしあわせ」という目的を実現する手段としての「マネー」が独走して、「あれ?目的なんやったっけ?」となっちゃってる状態?
いや~、それにしても暑い。明日は小学校で個人面談。どんなお話しが出るのかしら。通知表もハラハラするな~。うちの親もこんなだったのかな~。えらく泰然としてたけどな~。聞いてみようかな~。やめたほうがいいな~。この暑いのにむかしのことを蒸し返されるのは勘弁だわ~。
もうねぇ、贅沢はこの際言わない。頼む、頼むよ、息子。冒頭に書いた7月中なんていう高い理想は、さっさと横におこう。40日間という長い長いお休みを、家族3人、最後まで笑って過ごせるように、君も毎日を「経済的」に過ごしてくれ。母も最大限努力する!ついでに現実的な「マネー経済」のことも、少しくらいはベンキョーする。これ、わが家の夏の目当て。
青蓮
あ〜もう、身につまされる話題ですねぇ。
全世界で早めに夏休みの宿題を終わらせて、
余裕で夏休みを過ごしている」親子が
果たして何パーセントいるのかしら。
どのように生きたらみんなで幸せになれるのか
って、永遠の課題。
まずは政治に携わる人々が、しっかり舵取りしてくれないと
庶民は右往左往するばかりですね。
サヴァラン Post author
青蓮さま
うわ~もう、ありがとうございます!
ホントにホントに。
夏休みの宿題、終了プロセス
世界的ビッグデータが欲しいです!!
ビッグデータ、どうせとるなら
「みんながハッピーになるには」ってのを
データ収集の目的にしてほしいです!
こちらは週末、参院選です。
マイク握ってるみなさ~ん、
どこの島を目指して舵取りする予定ですか?
10年後も100年後も安全運航してくれますか?
「任期中だけ舵取りたいねん」って、
お願いだからどうかやめてね~。