教育ママゴンはどこへ行く?~しつけと訓練の狭間で~
よっぽどの犬嫌いの方でない限り、犬は基本的には可愛い存在…
でもですね、「マナーの悪い犬」「しつけのなってない犬」なーんて言葉を、
皆さんも一度や二度聞いたことが(発したことが)あるかもしれません。
そうなのです。
この狭い日本で暮らす犬たちは、なんだかんだと他の人や犬との距離が近いので、
世間や人様のご迷惑になってしまう場合も往々にしてあるのです。
気を付けなければ近隣から「迷惑犬」なるレッテルを貼られることも…。
それだけならまだしも、どこかに通報されちゃったりした日には目も当てられません!
ですから、「飼い主たるもの、ちゃんと自分の犬をしつけなければ!」と
「マナーのよい飼い主」になるべく真摯に取り組む人達に向けて、
今は幼児教育もびっくり!の百花繚乱の様々なトレーニングが用意されているのです。
今回は、そんな「犬の教育事情」あれこれについて、
体を張って!身銭を切って!業界に踊らされながら!(笑)体験してきた
私とバトーの例を、時系列でお伝えしたいと思います。
それでは、はじまりはじまり~(笑)
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【しつけ時代(パピートレーニング)】
バトーも我が家に来た3か月の時から保育園併設の「しつけ教室」に参加しました。
というと、あたかも「ちゃんとした飼い主」のようですが、
バトーは他の子犬が出来ている「トイレをちゃんとする」とか「お留守番する」とか
そういった「生活系全般」がことごとく出来ない子犬で、私はかなり悩んでたんですが、
唯一「しつけ教室」でやる、「お座り」「伏せ」「待て」などはすぐ出来たんですね。
だから、変な話「家に帰ればかなりの問題児」だけど「お教室では優等生」というのが、
悩める飼い主だった私の心の拠り所だった訳です。
「この子にもいいところはあるわよね!?」みたいな。(←オーバーだけど真面目な話)
今思えば、あれはただ単にバトーの「何かをやりたい!」という作業犬的な気質であり、
他の犬より優れていたというよりも、はっきり言って「向き不向き」なんですね。
ただ当時の初心者飼い主の私にはそんなことは分かるすべもなく、
ひたすら必死に1年半ほど通いました。
【アジリティ時代】
生後1年半くらいになった頃、しつけ教室で習うことも大体は出来るようになり、
バトーのやんちゃ坊主ぶりも絶好調なまま推移していて、
私も毎日の夕散歩での30分のボール投げに少々疲れてきたので、
アジリティという犬の障害物競争のお教室にバトーを入れることにしました。
↓↓↓
アジリティとは?
バレエダンサーの熊川哲也は、やんちゃに手を焼いたお母様が、なんとか疲れさせようと、
バレエ教室に入れた…というエピソードを聞いたことがありますが、
うちの犬と同じにしちゃ申し訳ないけれど、まさしくそんな感じの理由でした。
「頼む~!疲れてくれぇぇ~!!」みたいな(笑)
アジリティは、毎年開催の世界大会もあるドッグスポーツで、半端ない奥深さです。
また、この競技をやろうと思ったら、犬と人間が遠く離れた状態で、
犬にコマンド(命令)を出して、その通りに動いてもらわないといけないので、
これまた半端ない難度の高さ!!
その上、走行タイムで順位を競う競技なので、一瞬の遅れやミスが命取りという世界。
人間の競技でいうと、スキーやスノボのアルペン競技によく似ています。
なので、お教室に来ている皆さんも牧羊犬系の大型犬(ボーダーコリーなど)が中心で、
お教室に通う=競技会に出る=勝ちに行くぞ!みたな感じで、
小型犬(それもダックス)が「やんちゃなので走らせたくて来ました」なんてのは、
それはもう皆さんにとって「アウトオブ眼中」かつ失礼なことだと知ったのでした(汗)
でも、バトーはここでも走る意欲だけはボーダーコリー並みだね~!と
皆さんに褒めて(?)もらいつつ、のんびり要員で楽しく通ってましたが、
ちょっと足の関節に先天的な障害があることが分かり、
まだ症状は出ていないものの、予防の観点から残念ながらフェードアウトとなりました。
でもたぶん今でも、バトーの一番好きなトレーニングはアジリティだと確信があるので、
それを考えるとなんだか不憫な気もします。
【オビディエンス(訓練競技)時代】
さて、アジリティに行けなくなっても、バトーの「何かやりたい」作業犬気質は変わらず、
バトーのために何をやろうかな~?あまり足腰に負担がかかることはやれないしな~?
などあれこれ考えて、最後に残ったのが、オビディエンス(訓練競技)でした。
こちらは、決まった作業項目を決まった順番で犬と一緒にこなしていくのですが、
タイムではなく作業の正しさと美しさで採点される、採点競技です。
人間のスポーツでいうとフィギュアスケートの「技術点」の部分ですね。
なので、「お座り」にしても、ただ座るのではなく、飼い主にぴったりとひっついて、
かつ飼い主の一度のコマンドで、正しく座らなければいけません。
座る角度がずれていたり、座った後に立ったり座りなおしたり、なども容赦なく減点です。
これもフィギュアで一見ちゃんと飛べてたように見えるジャンプが、
「回転不足」とか「両足着氷」とかで減点されちゃってるのと、全く同じイメージですね。
後は、何かの動作を失敗した後のリカバリー方法も、
どうすれば採点上特になるか(得点的に痛手が少ないか)、というのがちゃんとあって、
それもフィギュアスケートと全く同じなんですよ~。面白いでしょ?(笑)
そして訓練競技の頂点に立つのはやっぱりシェパード!
やっぱり警察犬に多いだけのことはあるんですよね~。素晴らしい訓練性能!
ここでも訓練競技をやっているダックスはやっぱりごくわずか(泣)
アジリティ競技の頂点、ボーダーコリーといい、
ドッグスポーツ界における、目に見えないヒエラルキーを知る飼い主なのです。
(だからって、バトーの事を引け目に感じたりはしないけどね!! ←だって親バカだから)
オビディエンスは訓練競技会だけでなく試験もありますのでご参考まで。
↓↓↓
JKC(ジャパンケンネルクラブ)のCD(家庭犬訓練試験)
OPDES のTT(チームテスト)
(ちなみにバトーは、CDⅡとTT2までは合格しています)
【K9ゲーム時代 (現在) 】
さてさて、しつけ教室→アジリティ(スポーツ)→オビディエンス(訓練競技)と、
比較的体育会系(?)なトレーニング遍歴を経てきたバトーも早7歳。
犬の世界で7歳は「シニアの入り口」とも言われています。
そんなシニア予備群の彼に、もうあまりハードなスポーツはさせられません。
でもいくつになっても何かをすることは楽しいよね~?ってことで始めたのが、
アメリカ発祥の「K9ゲーム」。
↓↓↓
K9ゲーム
こちらは、さすがアメリカ発だけあって、とにかく楽しく!がモットー。
競技というよりまさに「ゲーム」なので、楽しくてなんぼ、という感じです。
もちろんゲームなのでそれなりのルールはありますが、
本番のゲーム中でも、おやつあげ放題だし、「おすわり」などの形も適当でOK。
競技中はおやつはもちろん、犬を見ることも減点対象だったオビディエンスから来た私は、
最初そりゃそりゃもうびっくり!!「え?これもあり?あれもあり?」みたいな(笑)
そのゆるさに「お手本となるあるべき形」が分からず戸惑うこともあるけれど、
良く考えたら、バトーは適当に座るだけでも褒められて、おやつをいっぱいもらえて、
まあお教室でも楽しそうにウハウハしているので、これはこれでいいかなぁ~と。
フィギュアスケートでいうとエキシビジョンね!
細かいことは置いといて、やってる人も見てる人もみんなで盛り上がりましょ~!的な。
その明るさが今はとっても心地いいなぁ~と感じる今日この頃。
今のところ、バトーの体調に何事もない間は、ゆるく楽しくK9ゲームを続ける予定です。
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いかがでしたか?
ちょっと長くなっちゃいましたが、バトー1匹だけでも結構色々あるでしょ~(笑)
他にも、ドッグダンスや、ディスク(フリスビー)、災害救助犬、などなど…
本当に多種多様な犬のトレーニングや犬との楽しみ方があるんですよ。
でもですね。
もちろん、こんだけ時間と労力をかけてトレーニングしてきたからって、
バトーが完全無的のパーフェクトドッグになったわけじゃないんですよ~。
それもきっと子育てと同じですよね。(笑)
あ、でも一つだけ確実にわかったことが!
私って…子供がいたらたぶん…目も当てられないくらいの…
「教育ママゴン」だったんだろうなぁって。
犬のトレーニングを通して己を知りましたね(笑)
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それでは皆様、お後がよろしいようで!
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ふぇんふぇんさんのプロフィール
大阪のおばちゃん予備軍な40代前半。
30代は中国4都市に「なんちゃって駐妻」として7年ほど生息。
帰国と同時に犬と暮らし始めて「正真正銘の犬バカ」に。
現在の犬バカ活動?!は主にInstagramで行ってます♪
犬バカ指数100%な「#犬バカばんざい倶楽部」ハッシュタグ主催(笑)
Instagram ID:kamayuko
★ふぇんふぇんさんのアジリティ話は面白いんですよ。「次々に犬を変える飼い主には、こんな人が多い」とか人物観察がサイコーなんです。 コメント欄で尋ねてみたら答えてくれるかな~。
(カリーナ)
サヴァラン
ふぇんふぇんさん こんにちは。
ああ、うかがえばうかがうほど
バトーくんとかつての実家のキンタは似てる。。。
おまけにうちのリアル息子にも。
息子が1歳から2歳の頃
実家に帰省すると母がよおくやってました。
「キンタ!ちょっと待って!」「キンタ!ストップよお~~!」
相手は一応にんげんの息子
おばあさん、それはないんじゃないの?と言いたいところですが
実はわたしもしょっちゅうでした。
息子に向かって「キンタ!お座り!」って。
okosama
ふぇんふぇんさん、初めまして。バトーくん、攻殻機動隊由来のお名前かしら?と勝手に親近感を抱いておりました。
それにしても、バトーくんのお教室歴!うちの娘となんとなくかぶります。
リズム感のわるさに愕然としピアノを習わせリズム感を養い(感謝された)、足の骨にちょびっと障害があったので運動系サークルを諦めさせ(恨まれた)、それでも身体を動かしたいとヒップホップダンスをかじり(楽しそうだった)。常に打ち込むものが欲しい娘は、作業犬タイプ⁈
サヴァランさん、うちでは犬を叱るときに子どもの名前が出ました。
庭に向かって「こらっ‼︎ た*☆¥#!」家の中から聞こえる「ごめん。」
サヴァラン
>okosama さん
よかったですぅ。
うちだけじゃなくて^^
ふぇんふぇん Post author
>サヴァランさま
むふふ。キンタちゃんに似てます似てます~?
その上リアル息子様にまで似てるだなんて、なんだか嬉しい~!!
うちの母も実は甥っ子(現在小4)と混同しまくりです(笑)
「バトー!ダメダメ!あ、違った、Rちゃん!」ってな感じです。
挙句の果てにはうちの旦那の名前とも混同してます~。
やっぱりみんな同じですよね~♪♪
ふぇんふぇん Post author
>okosamaさま
コメントありがとうございます!
そうですそうです攻殻機動隊です~!! 私のバイブルアニメでございますです、はい。
あまりにマニアックな由来を持つ名前なので、表向きには「Petit bateau」のバトーってことになってるくらいですが、
実は、オスを飼うことにした時点で、「バトーこっちだ!」「バトー後は頼んだぞ!」とかって、
草薙少佐のように命令したい~!という願望を抑えきれず(笑)名前は早々にバトーに決定したのでございます。
なので、こちらのサイトにも分かってくださる方がいたなんで感激です~♪♪
そうそう。娘ちゃま、かなりの作業犬気質でらっしゃいますね!(笑)
何かやってたいんですよね~、きっとおそらく。
バトーも昨日のK9教室では、テンションアゲアゲでガブリ寄りな1時間で、
トレーナーさんの「はい、休憩~」の号令も丸っぽ無視でございましたよ…(汗)
娘ちゃまもバトーもこれからも引き続き何かさせてさしあげましょう~♪♪
okosama
ふぇんふぇん少佐!
攻殻機動隊のバトーが犬好きだからかと思ったら、バトーって呼ぶ方になりたかったですと⁈ その動機は私の想像力を越えている(笑)。しかし、なるほど、バトーは少佐の指示あってこそですね。
K9の動画見ました。全然そろってないお遊戯みたい。自由だー(笑)
けい
ふぇんふぇんさん はじめまして。
今回の記事に激しく反応してしまいました!!
我が家には今、2頭のわんこがいます。1頭は10歳のケアンテリア。
こちらは持病持ちなので、おうちでまったり生活中。
もう1頭が、ふぇんふぇんさんと状況が似ていまして・・・
いつもネットや本で調べまくる私ですが・・・
ある日、ばったり出会ってしまい、ほとんど衝動飼い。
ウェルッシュテリアという犬種で、今1歳です。
テリア気質で、躾が難しくて、昨年の秋(生後9カ月)から訓練士の先生に
お世話になっています。
で、アジリティも並行して始めたところです。
さてこれからどうなることやら・・・という感じです。
今後の展開、楽しみにしています~♪
ふぇんふぇん Post author
>okosamaさま
ふふふ・・・想像を超えてましたか~!?(笑)
実は主人の事を大好きな男子キャラが大好きなんです。願望でしょうかね~?
(他にも銀河英雄伝説のキルヒアイスとか…ご存知です??)
K9ゲーム、ダンスもかなりゆるいでしょ~♪♪
私性格がバリバリの体育会系なので、バトーの若かりし日はK9は無理だったんですよね~。
今もやっぱり、すべてがゆるゆるで「なんでもいい~」とは思えない部分もあるので、
個人的に折り目正しさを追求しながら、楽しく頑張っております♪♪
ふぇんふぇん Post author
>けいさま
はじめまして!コメントありがとうございます。とっても嬉しいです♪♪
ウェルッシュテリアちゃん、バリバリのワーキングドッグ系ルーツですもんね~。
テリア気質、分かります分かります~!
それもまだ1歳だったら、ある意味常に全方位で意欲満々状態では?
でも既にちゃんと訓練士さんに付かれて、アジリティもはじめられたんだったら、
きっとうまく意欲やパワーが発散出来て、よい集中につながるんじゃないでしょうか?
アジリティのハンドラーは、けいさんご自身がされるんですか?
バトーはアジリティが好きすぎて、練習に行ったらその後1週間はお利口だったんですよ。
きっとハンドラーの私を、「楽しいことをしてくれる人」って認識してたんでしょうね。
(オビディエンスでは1週間も効力が持たず…3日ぐらいでした 笑)
なので、けいさんとワンちゃんの絆もこれからがますます楽しみですね~♪♪
応援してます!!
okosama
ふぇんふぇん様、申し訳ない。
銀河英雄伝説は見ていません。長過ぎてなかなか手がでません。でも再アニメ化作品はみるつもり。待ってて下さい!
ふぇんふぇんさんはバトーくんと常に「良い関係を築こうとしている」のですね。わが家の柴わんこ、子どもの頃にもっと個性を理解する努力をすれば良かったかな。飼い始めた頃は、犬種による個性の違い程度の知識しかなく、テレビでアジリティなど観たこともありますが、それこそボーダーコリーやシェパードの競技だと思っていましたよ。
ふぇんふぇん Post author
>okosamaさま
いえいえ~。私も銀英伝は長すぎて全然全部見てません!
お気に入りのキャラが死んじゃった時点で見る気が半減…という~(笑)
柴わんこちゃんがおうちにいらっしゃるんですね♪
犬業界って情報が日進月歩なので、以前は誰も知らないしやってなかったってことが満載ですよね!
私も以前、実家で赤柴のオスワンコを飼っていたのですが、これまた硬派なヤンチャで~!
私のヤンチャ犬上等!の原点になったような犬でサムという名前だったのですが、
もし今まだ生きていたらサムに色々やってあげたかったな~ってことがいっぱいで。
だから、やんちゃ二世のバトーにはサムにしてあげられなかったことをしている感じです♪♪
きっとそうやって繋がっていくんでしょうね~。