夢のバリアフリー映画館の実現まであと少し
ついに今年も私の嫌いな梅雨の季節がやってきました。私だけではなく、この季節は苦手な方が多いはず。そんなときには室内で楽しめる趣味で気分転換したいものです。
私の趣味はいくつかありますが、最近では一番最初にいうのが「映画鑑賞」。「鑑賞」などというほど高級なのかどうかはともかく、映画を観ることを年中楽しんでいます。つい先日も2週続けて一日に2本を、しかも同じ劇場で観てしまい、われながら物好きと思ったところです。え、何を観たか?ですって…。「ひそひそ星」「園子温といういきもの」「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」「うつくしいひと」、なんだかマイナーなタイトルが並びました。(笑)気になった方はネットで検索してみてください。あ、ちなみにその後、別な日ですが、一人で「FAKE」も観てしまいました。(ますますマニアック)
とは言え、私と映画とのお付き合いはまだそれほど長くはありません。今から15年くらい前、シティ・ライツという団体が設立されたころからです。この団体は一人の映画好きな若い女性が、目の見えない人たちとも一緒に映画を楽しみたい!という思いで始めたものなのですが、その設立前にたまたま私が所属している会に彼女が話を聞きに来られたときからの腐れ縁のようなところもあります。
ちょっと生意気な言い方かもしれませんが、私は「○○して差し上げたい」「お役に立ちたい」というような匂いのするボランティア団体はどうも昔から苦手。もっと自然にお付き合いできそうなボランティア団体やサークルを見つけては参加してきました。そんな私が役員として関わっているシティ・ライツもちょっと面白いタイプのボランティア団体なのかもしれません。そこで出会った人たちは本当に映画が好きで、その面白さを語り合いたい気持ちにあふれていて、そのためには見えなくて一緒に楽しめないお友達に音声ガイドをすればいい。上映中のガイドで言い足りないことがあれば、観終わった後にご飯を食べながらお話すればいい。そんな雰囲気がすっかり気に入った私は、やがて映画好きにもどんどん磨きがかかってきてしまったというところかもしれません。
そのシティ・ライツの長年の夢は映画館を作ることでした。この夢がようやく実現しようとしています。いつでも音声ガイドで映画が楽しめる空間、見える人も見えない人も小さい子と一緒のお父さんやお母さんも、車いすを使っている人も…、もちろん、普通に映画が好きな人も一緒に心地よい時間が過ごせる場所のオープンに向け着々と工事が進んでいます。よろしければ以下のサイトを開いてみてくださいませんか。寄付が集まることはとっても重要ですが、この活動を一人でも多くの方に知っていただき、そして素敵だなあと思っていただけることが何よりです。どうぞよろしくお願いします。
夢の映画館!ユニバーサルシアターを創ります。
カリーナ
こんばんは。いつも原稿をありがとうございます。
カリーナです。
KEIKOさんがご覧になった「FAKE」、私も拝見しました。
その中で佐村河内さんと奥さんが一緒に聴覚障害のある方のところに行く場面がありました。
その方は、「すべての音が聞こえるわけではなく聞こえない音域もあるが、音楽を楽しんでいる」と
自然な笑顔でipodのようなプレーヤーを見せてくれます。
聴覚障害といっても「聞こえる」状態にさまざまな個人差があり、
「聞こえる」と「聞こえない」の間に無限に状態があるのだなと改めて思いました。
KEIKOさんは、「FAKE」をご覧になってどんなことを感じられたでしょうか。
佐村河内さんの問題は
ゴーストライターの問題(作曲していない、音符が読めない、ピアノが弾けないなどの疑惑)と、
もう一つ、障害の詐称疑惑という問題がありました。
どちらも、ここからが嘘、ここからが真実と明確に分けることができないのですが、
KEIKOさんと、この映画についてお話したいなあと思いました。
「ひそひそ星」についても。
あの映画には退屈な時間がたくさんありましたが、
いくつか忘れられない美しい場面があり、
それだけでよいと思いました。
福島の立ち入り禁止区域の表現もそのひとつでした。
この映画についてもお話したいです。
KEIKO
カリーナ様。
「FAKE」は一見するとマスコミの報道への反撃のようですが、監督がこの作品を撮った意味はもっと違うところにある。あの事件のどこが嘘でどこが本当なのか。それはむしろ問題ではなく、何かが起こると一斉に同じ方を見て騒ぎ始める今の日本の気持ち悪さのような、恐ろしさのようなものを表現したかったのではないかと思いました。誤解を恐れずにいうなら、そもそも「障害者」だからと言って声高に褒め称えたり、逆に裏切られたと言ってめちゃめちゃに叩いたりするのがどうかと私は感じています。
「ひそひそ星」は静かだからこそにぎやかな音がありありと想像できる作品だと感じました。障子戸が並ぶ通路で様々な影絵が映し出されていた場面などはとくにそうでした。そして、全編に渡って昭和がただよっている作品。忘れかけている人と人の繋がりのようなものをじんわり思い出させてくれる作品なのではないかと思います。
文章にするのって難しいですね。
アメちゃん
KEIKOさん、おはようございます。
カリーナさんのお話で思い出しましたが
昔、聴覚障害のある方達がロックコンサートを楽しんでる、というニュースを見たことがあります。
耳が聞こえないのに音楽??と、不思議に感じましたが、
ライブに行った方が、音の波動を身体全体で感じて楽しんでるとおっしゃってて
いろんな感じ方があるんだなぁと思いました。
私はFAKEを観てないんですけど、KEIKOさんの意見に同感です。
舛添さんにしても、STAP細胞の小保方さんにしても
(STAP細胞は、実際にドイツやアメリカで実験に成功して特許取得を申請してるとか)
マスコミが一斉にバッシングして騒ぎ、世論を一つの方向に誘導しますね。
もっと批判すべき大きな悪があるのに、、そっちを隠したいんだなと思います。
私の姪は自閉症なんですけど
私も、健常者側が、自閉症などの知的障害を持っている人を褒め称える感じ
たとえば、そういう子どものことを「天使」みたいな言葉で持ち上げる感じに
なんだかモヤモヤした気分になります。
この気分を上手く表現できないんですけど・・。
KEIKO
アメちゃん様
聞こえなくても音楽は楽しめるし、見えなくても映画は楽しめる。……
でも、聞こえない子どもたちが練習によってダンスをするとかいった24時間テレビのチャレンジコーナーには、それこそ、もやもやした気持ちになります(笑)。
まあ、障害があるなしに関わらず、人それぞれなのではないかと思います。
そういうフラットな社会にするために、できることから取り組んで行くしかないのかなあと…。