傘、ついてきてくれないかしら!
雨といえば、6月の梅雨時がまず思い浮かぶかもしれませんが、春のお天気も意外に気まぐれです。今年はとくに気温の上下が激しいうえに雨風の日も何度かありましたね。
雨の日はいつになく電車やバスが混雑したり、洋服がぬれたりするだけでなく、なんとなく憂鬱な気分になるものです。本当に低気圧が近づくと具合が悪くなるという人もいるくらいですから困ったものです。
その一方、作物やお花には一定の水分補給も必要ですし、私たち人間にしても乾燥で喉を痛めたりすることもあって、適度な雨はまさに「恵みの雨」といえるでしょう。
では、私にとっての雨は…、と言えばタイトルの通り「傘、ついてきてくれないかしら!」。どういうことか?そうです、常に片手が白杖でふさがっている私たちが傘をさすと両手がふさがってしまうのです。これはうっとうしいという以上に不便。さしていても閉じて持っていても面倒です。また、傘をさしていると視界が狭まり、実際に見えにくかったり音が聞こえにくかったりして歩きにくくもなります。音の影響は、風の日のほうが強烈ですが、雨の日は路面が光ってしまうので私はちょっと怖かったりします。
このような話は視覚障害者の仲間内ではよく交わされていて、雨の日は誰かが常に傘を持ってついてきてくれたらいいのにとか、白杖と傘が一体化していたら手がふさがらないのに、いやいやそれじゃ杖がつきにくくてしかたないではないかとか、みんないろいろと言っています。
さらにすごかったのはこんなアイディア。ドローンの技術を応用して、必要な人を傘がみつけて飛んできてくれる。そしてその人が屋根のあるところに入るまで頭上をついてきてくれたら便利だねと。このアイディアをつぶやいた人には思わず大きくうなづいてしまったのでした。ここまで行ったら、いっそのこと水たまりにはまらないセンサーとかも欲しくなっちゃいますね。(笑)
ちなみに雨の日、傘をさしながら誘導していただく際には肘を持ってもらう側の手に傘を持っていただくと、傘が真ん中にきて濡れることを少し防ぐことができます。