終身雇用の話
若い学生たちと話す機会も多いのだけれど、彼らに「日本って、ついこないだまで、終始雇用制度を採用している会社ばかりだったんだよ」と言ったら、どんな返事が返ってくるのだろう。「知ってますよ」なのか「ええ~!」なのか。そのあたりが知りたいので、今度聞いてみよう。
などと考えてしまうくらいに、終身雇用なんて、いつの時代の話だよ、という状況である。僕自身はもともと会社勤めに向いていない人間だと思っているので、どうしようもないのだが、できれば終身雇用が原則の国であってほしいと思う。
一期一会で、縁があってある会社に勤める。そうしたら、よほどのことが無い限り、その会社で一生懸命に働いて、その働きが報われ実力に応じて出世なんてしながら、後輩を育て、定年まで勤め上げる。
自分が会社勤めをするなら、そんなふうに終身雇用していただきたい。多少の給与の高い低いはあるだろうし、働き心地だっていろいろあるだろう。でも、他人の芝生は青く見えるんだから、なんて感じで勤めあげられるくらいの差であってほしい。そんでもって、やっぱりいろいろありながらも終身雇用してもらうのさ。
なんで、こんなことを思うのかというと、あまりにも業務委託とか、アルバイト・パートとかで回す仕事が増えていると思うからだ。別に、飲食店に勤めているアルバイト全員が、厨房で股間をさらしたり、口からプリンを吐き出したりしているとは思わないけれど、彼らに愛社精神がないのは確かだ。いまどき、愛社精神なんて前世紀の遺物くらいに思ったりもするけれど、でもね、やっぱり自分が何か商品を買うときには、その商品のことを愛し、その商品を作っている会社を愛している社員から買いたいと思うのだ。
そのためには、長くじっくりと働ける職場環境を用意して、社員を家族のように考え、困難があっても、全員が一丸となって立ち向かい、その困難を乗り越えていく。業績が少し下がったくらいで、決して社員を切り捨てたりはしない。そんな安心感がある会社でなければ駄目だ。
半年ごと、一年ごとの契約社員だったり、案件ごとの業務委託だったり、正社員でもダブルワーク可能な職場だったり、いやまあ、そんな時代だけれど、なんだか、そんな時代だからこそ、いまから自分が会社を作るなら、まず終身雇用ありきに会社をつくりたいと思う。終身雇用だからこそ、採用にも慎重になるし、教育も丁寧にするし、互いをよく知ろうとするような気がする。
そして、それが出来ない規模にまで会社は大きくしちゃいけないんじゃないだろうか。そんなことを思う今日この頃である。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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