環境保護を訴えるスウェーデンの少女のこと。
排出ガスを出さないヨットで、スウェーデンから国連に乗り込んだ少女のことが話題になった。ことの詳細はこの際どうでもいい。どうでもいいと言うと乱暴な気がするのだけれど、本当にどうでもいい。
私はこの少女が国連で話していた内容は、とてももっともだと思えた。だから、それを真剣に考えてこなかった大人の一人として、とても恥ずかしかった。それだけだ。
でも、Twitterなどで噴出してくる批判めいたコメントの数々はなんだろう。
最初、映像を見た時に、どうしてこの子はこんなに険しい顔をしているんだろうとか、本当の子どもが一人でいろいろ出来るもんだろうか、とは思った。思ったけれど、それが彼女の発言をないものにしたり、存在そのものが疑わしいというような気持ちには一切ならなかった。
大人にいいように利用されたとしたら、利用している側に自分たちがいるということになぜ思いがいたらないのか。自分は違うと言っても、すぐにそう思ってしまうほどに、それが当たり前の世の中を自分たちは生きているのだ、ということは高らかに宣言してしまっているんだろ? だとしたら、俺たちもその一味じゃないか。そんなに、そのことに慣れているなら、そのフィルターの向こうにいる少女の言葉そのものが本物かどうかきちんと判断すればいい。
私にはそこまでの判断力はない。大人の一味だけれど、正直、策士たちには疎い。疎いからといって少女の言葉が真実で、大人が嘘つきなのだと言うつもりもないし、その逆だということもできない。単純に、話を聞いた。言っていることはもっともだと思った。世界の将来を考えたら、ちゃんと環境を保護しなければと思った。それをやってこなかった自分も含めた大人はだめだと思った。それだけだ。
そして、もしも彼女に悪い大人がついていて、子どもであることを利用して、大人が言いたいことを言わせているとしたら、それはやっぱり残念だ。残念だけど、それが発覚するまでは、この少女を信じるという道だってあるじゃないか、と思う。
でもまあ、SNSじゃなきゃ、こんな感じにならないんだろうなあ。そこが、いまの世の中のややこしいところなのかなあ。と言いつつ、こっちもSNSを見ちゃってるからなあ。SNS見なきゃ、そんなに彼女を批判している人なんていないもんね。そう言えば、地上波のテレビで「あいつは胡散臭いぞ」って言ってるのは見たことがない。
正直、この世の中の割と薄っぺらく、裏と表からひとつの事柄を突くというか、叩くというか、そんな仕組みはよくわからないのだけれど、これが当たり前になった先には、いったいどんないいことがあるんだろう。あるのかな。若いのも年寄りもみんながコミュニケーション不全になった近未来ブラックジョーク喜劇を見ているみたいだ。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
Jane
私も、彼女の記事を最近幾つも読みましたよ…そして、彼女のことをなんと判断したらいいか分からない、と思っていました。コメントもなんて書いたらいいか分からないですが、時々、植松さんと関心をもつことがシンクロするな、と思いました。
uematsu Post author
Janeさん
たしかに、わかりにくいとこがいっぱいあるんですけど、言ってることはシンプルな気がして。
僕も同じように関心を持っている人がいるとホッとします。
ひらめ
植松さんの考え方、いいなと思います。
仮に、この少女が大人にいいように利用されているのだとしても、それが発覚するまでは、この少女を信じてもいいのでは(文意が違ったらごめんなさい)
というお考えの植松さんは、性善説というか。
そうだな〜と思いました。
「まずは学校へ行け。」
「しっかり勉強してから主張しろ。」
そういった指摘に従って10年20年子供が学校や世間で過ごして、その間に大人の常識がだんだん『当然』になって、子供の危機感が摩耗する。
今まで、そうやって貴重な指摘を握り潰して来たのかもしれない。。
いろいろ考えさせられました。
uematsu Post author
ひらめさん
そうなんですよね。
ちゃんと勉強した結果がいまの大人ですからね。
そいつらが何を言おうと説得力がない。
それなら、ちゃんと話しを聞けばいいのに、
と思うんですが、なかなか難しいのかもしれません。