出町柳、ふたばの豆餅。
最近、京都の出町柳へよく出かける。公開からしばらく経った映画を追いかけようとすると、いつのまにか出町柳の出町座でしかやっていない、ということが多いからだ。
コロナ禍でもあり、母の一人暮らしも心配なので、ここしばらく兵庫県伊丹の実家にほとんどいるのだが、伊丹から出町柳に出ようとすると、2時間近くかかってしまう。それでも、見ておかなければいけない映画があるといそいそと出かけるのだ。
ということで、なんとなくミニシアター・出町座のことを書きそうな出だしだが、今日書こうとしているのは出町柳のふたばのことだ。ふたばは出町柳の商店街の入り口あたりにあり、大福などを売っている和菓子のお店。ここの豆餅、つまり豆大福がやたらとうまい。素朴な豆の味がしっかりとする大福で、小ぶりな感じで食べやすく、この年齢になっても2つや3つは食べられるのだ。
しかし、ここはいつも混んでいる。行列が店の前から伸びて、時には大通りを挟んだ向こう側の車道にまで続いている。店の若い人も、並んでいるお客さんの整理に追われている。平日に、並んでいる人が5人から10人くらいなら、あっという間なので並んで買おうという気になるのだが、行楽日和な土日ともなると、おそらくあの豆餅を手に入れるまでに小一時間は並ばなければいけないので、さすがに気が引けてしまう。
実は、ここで豆餅をひとつ買って、それを密かに映画館に持ち込んで、映画を見ている合間に内緒で食べるのが僕の密かな楽しみなのだ。内緒でというのは最近の映画館は、自分のところで販売しているもの以外は食べたり飲んだりするな、という厳しいお達しがあるからだ。あるのだけれど、まあ、のど飴舐めてとやかく言われることもないだろうし、豆餅ひとつそっと静かに食べて「吐き出して」と言われることもないだろうと、内緒で、食べているのだ。
けれど、出町柳の駅から出町座へ向かうところで、ふたばの大行列を見ると諦めてしまう。諦めながら、ああ、あの豆の味がちゃんとする豆餅を食べながら良い映画を見たい、という欲求がふつふつとわいてくるのだ。ああ、豆餅。ああ、良い映画。どっちもなかなか得がたいものである。
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植松眞人事務所
植松眞人(うえまつまさと): 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。現在はコピーライターと大阪ビジュアルアーツ専門学校の講師をしています。東京と大阪を行ったり来たりする生活を楽しんでいます。
爽子
uematsuさん、こんにちは。
伊丹から出町柳は時間がかかりますね。
わたしも、豆餅だいすきです。
買ったばかりの「やわやわ」をこうやって口にもっていって(落語みたい)
出町座で映画!サイコーです。
ここにも一番好きと書いた覚えがあってさかのぼってみれば、4年位前に書いてました。(笑)
http://dosuru40.com/etegami-allright/54678/
升形通り商店街の乾物屋で「折れ湯葉」がどっさり入って400円で売ってて、通りかかるたびに買ってました。
長女の学校の参観懇談で、6年あの道は歩きましたが、ついに縁がなくはいれなかったお店があります。
uematsu Post author
爽子さん
あの辺りには、いいお店がいっぱいありますね。
僕が次に狙っているのは、商店街に入ってすぐのところにあるうどん屋さんの鯖寿司です!
midori
こんにちは。
出町柳のふたば!大好きです。そこに行く為に口実作って奈良から行ってます(^^)
私は豆餅でなく季節の和菓子の方が好きなのですがここより美味しいお店を知らないです。今は出来ないけど出来立てをバスで頬張ってました。
uematsu Post author
midoriさん
バスの中で食べる甘味、いいですね!
多分、家に帰って食べてるときより、
バスの中の方がきっとおいしいはず。