大ウサギ
ずっと昔、秋田県のジャンボウサギフェスティバルを見に行ったことがあります。
今は大仙市になっているようですがフェスティバルは続いていて37回目、10月下旬に開催されて1万人くらい来場するというので賑やかですね。私が見にいったのは第2か3回目でした。
いかにも「品評会」で、畳を敷いたテーブルにウサギたちが合図とともに一斉に載せられる。
大きな体で気持ちも堂々としているのかあまり怖がって逃げ出そうとするウサギはいなかったように思います。大きくてすばしっこくは動きにくいのかも。
ウサギを両脇からささえている飼い主は農機具や肥料のマークのついた帽子をかぶった初老の男性達です。絨毯敷きでなく畳というのがなんとも自然でうさぎに合っていました。
大きいウサギといえば体重が7~10kg、体長40~70cmの「フレミッシュジャイアント種」というウサギがいますがこの種は顔も足も耳も全体的に大きいイメージです。色も白でないことが多いかも。
ジャンボウサギは正式には「日本白色種の秋田改良種」といい、一般的なもので6~7kg、そのうち特に7.5~10kgまで成長する血統を「ジャンボウサギ」と認定するそうです。いわゆる白ウサギで胴体が長くて大きく、60cmほどのケージに座ると幅いっぱいになっていました。
私が行ったときの一等賞のウサギは10kg超えですから本当にずいぶん大きいと思ったものです。
会場の一角ではなんと「ウサギ汁」が振舞われていました。仰天しましたが、肉や毛皮をとるために作られた種なのでそれが本流なのでしょう。今もその地方はジャンボウサギ料理が特産品のひとつという記事もあります。書きながらつらいですけど、大事な栄養源としてその土地で長い歴史があるのです。
そして食用のほかに実験用とも書かれていました。なんということ・・。
そんな他の動物の一生をめちゃくちゃにしてまでいいよ、今あるものでいいよと言いたくなりますが、私だって新薬や検査キット、化粧品などウサギ達が毒味をしてくれたものにたくさんお世話になっていますし、素晴らしい開発をして新しいものはすごい、有り難いとも思う。
本当に、実際そうなんです。ウサギは愛玩可愛い一辺倒ではなくて、かなしさや諦めがまとわりつくのです。
ジャンボウサギフェスティバル、静かな田舎町(失礼)のなか会場付近は賑わっていました。
会場で声を上げて走り回っている3歳児くらいの大きさに見えた沢山の白ウサギたち。
賑やかななかで「毛皮や肉のための大きさなのか」と考えてしまい、そこに思い至らず単に大きさを競うだけだと気軽だった気持ちが重く沈んだことと会場までの道路は深い山を縫っていて、時々あらわれる小さな渓谷や道路に迫る山が黄色やオレンジ色の素晴らしい紅葉だったことが私の思い出です。