デトックスフォー、あの日を振り返る
#2 キーパーソンとそうじゃない人
2018年7月29日、カイゴ・デトックスという集いが開催されました。
介護をする人たちが日頃抱えている黒い思いを吐き出せる場を作りたい。そんな思いから始まったカイゴデトックス。当日は、介護をする人、これからするかもしれない人から様々な思いが吐き出されました。あの日から1年。この集いを企画した4人のオバフォーメンバー「デトックス4(フォー)」があの日を振り返ります。
デトックス4メンバー
カリーナ | Comet | つまみ | ミカス |
「カイゴ・デトックス」でいろんなお話を聞いて思ったのは、介護される人(ここでは主に高齢者)には、複数の子どもや兄弟姉妹やそのほかの親戚がいるから、主に介護を担う人は、その人間関係にもストレスを感じることがわかった。人をケアするシステムが少なすぎるという所からスタートしたカイゴデトックスだけど、介護って、実際に動く人だけの問題じゃないんだなあ。
介護のキーパーソンとそうじゃない人ってこと?
そうそう。
ああ、介護する上での兄弟、姉妹間の問題、出たね。
直接的な労力という点ではキーパーソンが一番大変だろうけど、離れたところで介護に思いをはせる、キーパーソンじゃない人の気持ちとか、それに対するキーパーソンの気持ちとか。簡単なものではないと思うのよね。
※キーパーソン
介護をしていく上で、判断・決定の中心となる人。
すぐに連絡が取れる、要介護者の状況をよく把握している、緊急時に
判断や決定ができる、などが条件として求められます。
この記事では、最も直接的に介護に関わっている人、主たる介護者を
キーパーソンと呼びます。
========ここからは「カイゴデトックス2018」から========
カリーナ
「私の祖母は、私が中学一年のときに自宅で亡くなったんだけど、危篤になって急に血相変えてやってきて号泣するオジやオバの姿に「なんだ、こいつら」って思った(笑)。母の介護のアラを探そうとするし、お葬式の香典の額をやたらと気にするし…。そういうことがあったんで、姉が認知症の母を看てくれたとき、私は姉には、“絶対服従”でした(笑)。共感、支援、感謝のみでいく!感謝の言葉は、度が過ぎるくらいに言う。そして、姉の決断を全面的に支持して、姉にできないことがあればやる。(中略)姉も不公平を感じつつも我慢してくれたんですよねえ。不満に感じてなかったなんて絶対ウソなの。」
注:カリーナさんは住まいが実家から離れていたので、お母さんの介護のキーパーソンはお姉さんでした。
ムーミン
「私には兄弟が3人います。私は一番下です。兄は実家の近くに住んでいて、割と頻繁に(母に)会いに行っています。私も徒歩圏内に住んでいるので頻繁に会いに行きます。ただ、姉は別の場所に住んでいて、めったに来られない。でも逐一報告するし、姉も立場をわきまえています。最初に姉に「あなたが(介護)できないということは分かっているので、あなたの役目は私の愚痴を聞くことだ」と言って、納得してもらいました。だから、どんどん悪口は言うし、それを姉も否定はしないというふうにやってくれているので私も我慢できる。(中略)介護とは関係ないかもしれないけど、母の口癖が「あそこのうち(兄?姉?)には子供がいて大変だから、あなたに頼む」って言われちゃう。私、結婚してるんですけど、子供に恵まれなかったので、その恨みというのがずっとあって、なかなか素直にできない。
が、愚痴を聞くという立場で協力してくれるので、姉妹間は今のところ諍いはありませんが」
いまねえ
「夫は3人兄姉の末っ子で、義兄が夫の親と同居して介護しています。介護方針に関して、私たちは長男夫婦の決定を尊重。基本的に何でもオープンに伝えてくれるし、私たちは普段日常的に義母と接している義兄たちに協力して、お互い出来ることをやろうとしています。でも義姉は違う。義姉は海外にいるんですが、義姉と義母の結びつきが異常に強いんです。何て言うのかな、義姉は義母のサポートをするという意味で、毎日ドイツから電話をするんです。(中略)私たちの方を向いてくれないんです。(中略)私たちが決めたことを義姉があまりにもひっくり返しちゃうので「(両親を)ドイツに連れて行っちゃおうか」って。おばあちゃんへの電話をやめて欲しいんです。知らない所で話を全部ひっくり返しちゃうような」
========「カイゴデトックス2018」以上========
キーパーソンにも、そうじゃない人にも、それぞれの考え、思いがあるんだろうけどね。
それが一致しないから、難しいようねえ。
でも、全員満足の上でそれを一致させるのって簡単ではないよね。
とことん話し合うという手もあるけど、介護って楽しいことではないから、話し合い自体がしんどいものになってしまう可能性も高い。
日常的に介護している人とそうでない人では見えているものに大きな違いがあるからね。特にキーパーソンではない人が、それを前提に介護というものを考えてくれると少しは救われるんだけどね。不公平感も少し薄れるかも。
みなさん色々な事情を抱えているね。十人十介護だわ。
つづく
いまねえ
介護を意識し始めたのは2016年ごろからでした。
丁度その年10月に五反田でオバフォーのイベントがあり
そこでミカスさんとつまみさんから介護の話題があがりました。
初めて経験することになるだろう介護に不安がつのり
思わず手を挙げて色々話してしまった事が昨日のようです、
今回のこの記事で自分の発言を見て、
あらあらまぁ、、ここでもたくさん話したんだなあと。。
2018年に義父、今年には実父が亡くなりました。
残された実母に介護が必要になったとき、
弟がキーパーソンになるのだろうか、
私はどのような立ち位置で支えるのだろうか、
義母の生活支援をする義兄夫婦と、相変わらず私たちとの交流は
望んでいない?義姉の姿を見て自問しています。
テープ起こし、本当に貴重です、ありがとうございます。
この連載楽しみにしています。
ミカス Post author
いまねえさん
そうか、あの五反田でのイベントがカイゴデトックスの始まりだったんですよね。2016年でしたか。
そして、去年のカイゴデトックスにもご参加くださってお話をありがとうございました。
介護って、当人と向かい合うことだけでも本当に大変なのに、ほかの家族、親族との関係もとても厄介ですよね。いまねえさんのご苦労も大きなものだと思います。
カイゴデトックスは、これからも何らかの形で活動を続けていこうと思っています。メンバーにも色々な事が起きてしまい、去年のイベント以降動けずにいましたが、ゆっくり動き出そうと思います。これからもカイゴデトックスをよろしくお願いします。
「カイゴデトックスでこんな事をやって欲しい」ということがあれば教えてくださいね。