That’s Dance!文字起こし 第3回(episode13) 植松劇場
今回のゲストは
第13回 2021.5.4 植松氏、語る!
◆わりとマジメに文章を書くことについて語る◆
今回のゲストは、みなさまお待ちかね、オバフォー執筆陣、唯一の男性である、植松さんです。
大阪で地震があったとき、カリーナさんの代理で記事を書いたときがあって。10分ぐらいでちゃちゃっと書いたんですけど、その記事が今までで一番評判がよかったんですよ。記事に費やす時間とクオリティって全然比例してないですよね。
代理で書くと、路線が決まってきたり、これは外さないとか、わりと書くことの方向性ができていて書きやすいとか、僕はあったりするんですけど。エピソードを書くとき、すぐに書くと興奮してるので、しばらく経って読み返して少しトーンを落とすとか、本当は3つぐらい面白いことがあったんだけど、ウソくさくなるかなとあえて1個減らしたり、決め台詞みたいなのが本当はあったとしてもわざと書かなかったり、ちょっと薄めることが多いかな。
面白いことがあっても、興奮して面白いと思ってるのは自分だけかな、とか、書いてみたら、その面白さがなくなって、あれ?と思ったり。
本当に面白いことがあったときって、自分の力不足を感じたりしますよね。全然伝えられてないっていう。
あああああ
ああああああ
◆つまみのカルチャーショック 高校編◆
植松さんに言いたかったことがあって、以前記事で、詩人の吉増剛造のことを書いてらっしゃって、それで思い出したんですけど、高校のときに講演会で吉増剛造が来たんですよ。田舎の高校ですし、当時、吉増剛造も若い気鋭の詩人で、誰も知らなくて、誰それ?だったんですけど、突然詩の朗読が始まって、それも「ナントカ天文台に雪は降る!」と絶叫する系ですごいカルチャーショックでした。そのあとしばらくは学校中が吉増剛造ブーム。それをずっと忘れていたのですが、植松さんの記事で思い出しました。
あの人、すごいですよね。意味わかんないですよ。でも、よく見ると、韻は踏んでないんだけど、言葉の羅列が韻を踏んでいるように聞こえるんですよ。
ああああああ
◆映画学校の学生たちが映画を見ない問題◆
今、映画の学校に来ている子たちが、あんまり映画を見ないんですよね。それに対してどうこう思うのは、トシとったってことなんですかね。
映画を学ぼうとする人間は映画館で映画を見て、監督もこのぐらいの人のことは押さえて、と思うけれど、それを口にするのが憚られるってあるんでしょうね。今は配信でいくらでも見ることができるし、それなら、途中でとめたり、飲み物を取りに行ったり自由にできる。でも私はどんな映画でも、アクションや大作系じゃない、どんなにこじんまりした映画でも映画館のスクリーンで見たいんです。映画館で見ることで初めて感じられるってことがあるように思うんです。
つまんない映画ってあるじゃないですか。そういうのを映画館で寝たり起きたりして見ていると、ストーリーは繋がってなくても、ふと見たシーンでカメラがパーンして戻ってきたけど何も映ってない、あの意味はなんだ?とか、そこに監督は何か伝えたかったのか、ただのクセなのか、とかいろいろ思うわけですよ。つまらないからこそ自分が参入する。それはもしかしたら、映画を見るというより、映画を経験するってことに近いのかなあと思ったりしますね。
ああ、わかります。
若いときに見て、なんもわからなくてショックで、世界の名作と言われているのになんでわからないんだ、もう一回見直した方がいいのか、でもその勇気はないしと思った映画を数十年ぶりに見たらめっちゃ面白かったっていうのがあるんですよ。その経験があるから、今の若い学生にも言いたいんですけど、時代が違う、そんな悠長なことは言ってられないって言われるのかな、実際そうなのかな、というのはありますが、そう思われても、「でも見なきゃダメやんか」と自分は言う係でいいのかなと。
そういう役割を担う。
憎まれ役というか、ミュージックビデオにもいいものはある、でも最初からそこを目指すのはアホや、と言って嫌がられるわけです。
Podcast That’s Dance! をお聴きになりたい方はこちらから ⇒ ★