4月12日はカレー記念日

カレー記念日

ヘバーデン 曲がった指にも ネイル塗る

4月12日はカレー記念日

リョーコ

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

母を葬る

(8)思い込みだけで生きている

大島弓子の「夏のおわりのト短調」という作品には、私の母のような女性が登場する。主人公の女子高校生が、両親の海外赴任のためにおばさん(母の妹)の家に居候することになるのだが、素敵な洋館に住む素敵な家族のはずが、じつは家庭崩壊。おばさんは自らが思い込んでいる素敵な家族の証として、姪をいい大学に合格させようとし、主人公を監視し始める。

曽根まさこの短編「木もれ日の部屋」も印象的だ。私の母とはかなり違うが、知り合った素敵な男子高校生のおうちに行ったら、素敵な洋館(これも洋館なのだ)に住む素敵なお母さんが美味しいお菓子を作っていて憧れ~、なのにじつはその幸せは虚飾だったという。

1970年代からそうしたことは物語になっていたのだなあ。当時は単純に面白いと思って読んでいたけど、今思うとおもいっきし身近な話ぢゃん! 母親世代は家庭をフィールドとした自己実現に血眼になり、自分を幸せだと思い込む。読者である娘世代は、呆れながら、絶対にそうはならないと無意識に誓った。たぶん。

母は、余命3か月と言われて何年も経つのに、何も準備していなかった。最期をどんなふうに過ごしたいか、決めて準備する時間は十分にあったし、お金がそこそこあるなら、比較的医療に手厚い老人ホームに入居して、倒れるまでの期間を延ばすことだってできたはずだ。

母は、姑(私の父方の祖母)のことをものすごく嫌っていたが(祖母の「女性が外で働くなんて」という考えが原因なので、まあ理解できる)、そうではあっても、死んだときに事前の準備がきちんとしていたため手続きがものすごく楽であったと、いたく感嘆していた。

しかし、母はいざ自分の段になっても何も準備していない。しようとも思っていない。つまり、自分の段になっているとは思いたくない、まだまだ生きるつもりだったのだ。

母が部屋に残したメモには「いい空気を吸うこと」「まだまだ頑張る」と書いてある。キモ! とっくにタバコをやめているのだし、今更「いい空気」を吸ったからといって間質性肺炎が治るわけではない。現実をまったく直視していない(そもそも首都圏で「いい空気」とは?)。一番すべきことは、医者に設置してもらった酸素を供給する機械を鼻に装着することだ。しかし、ケアマネさんによると、ろくに使っていなかったらしい。

自分が「病人」であることをどうしても認められなかったのだろう。肺が苦しいという現実を、頭の中で「自分は元気」と思い込んで、おさえこむ。今までもずっとそうやって、「自分は優秀」「自分は世間に恥ずかしくない」と思い込んできたように。

おば(母の姉)も母と同じ間質性肺炎で死んだのだが、同居しているおじ(母の弟)夫婦が面倒を見ていて、最後は家では無理になり老人ホームを探した際、その決定についても母の認知は歪んでいた。「もっとアクティビティとかがあって、元気に生活できるところに入れるべきなのに、みんなが勝手に決めてしまった、病人扱いしてひどい」と私にメールしてくる。

しかし、親戚の話を総合すると、アクティビティを楽しむほど元気になる可能性は無く、そもそも入居させてくれるところを探して60件も電話をかけてやっと1件見つかったのだそうだ。その現実を無視して、「自分の尊敬する姉は永遠に元気なはずだ」「私を置いてはいかないはず」と思い込んでいた。

おばの遺品も、「捨てたくない、あんな素晴らしい人のものだから誰かがもらってくれるはず」と言い張って、「はやく片付けないと衛生的にまずい」とほかの人が言うのを聞かず、ごねていたらしい。一番遠くに住んでいるくせに一番口を出す、迷惑なアレですよ。姉のことが好きすぎて、依存しすぎて、「私が誰よりも姉についてわかっているのに、なぜみんなはそう思ってくれないのか」と完全にこじらせていた。

母の骨折手術についての医者との面談の帰り際、看護士に「金歯を持って帰ってほしい」と頼まれた。母が交通事故に遭ったときに作ったものだ。

母はかつて、自業自得の交通事故に遭っている。「青信号だから自分は渡って良い」という判断で、横から車が突っ込んで来ているにも関わらず、横断歩道を渡って車にはねられ、歯を欠損したのだ。決して不注意ではない。車が来ていることは認識していたのだ。でも渡る。当然止まるはずだという認識のもとに。いや、むしろ「交通ルールを守るべきである」というアピールだったのかもしれない。

もちろん悪いのは車のほうなのだが、そうは言っても自分の思い込みのせいで交通事故にまで遭うというのは、いかにも彼女らしい。保険はどういう判断になったのだろう。絶縁後だったので詳細は知らないが、保険の調査員につくづく同情する。

看護士さんによると、金歯は「何百万もする」と母が言うらしい。いくらなんでも「何十万」の間違いだと思うが、金額を言うのも見栄っ張りで醜悪だ。

「何百万もするならこちらで保管するのは怖いので」「今はおかゆみたいなものしか食べられないから不要なので」とプラスチックのケースに水と一緒に入っている、垢もついている金色の何かを手渡された。

やだーーー、何これーー。どこにも置きたくない。家の玄関の外? 庭の隅? とにかく家の中には入れたくないが、家の外だとしても、どこに置いても風水的に悪そうだ。

仕方なく、家から少し離れた駐車場にとめている車のダッシュボードに入れることにしたが、愛車には本当に申し訳なく思う。

さらに、看護士さんから驚くべきことを聞いた。母は父が入院していることを知り、同じ病院に入りたいと言ったのだそうだ。へええ~。

昔は大げんかばかりしていて「離婚する」と叫んでいたのに、あれは何だったのか? 朝起きたら、投げ合った物で窓ガラスが割れていたこともあった。幼い私は「自分は望まれて生まれてきたのではなかったんだ」と悲しかった。よく、年を取ると助け合う相手がほかにいないから夫婦仲が良くなる場合があるとか聞くけど、むしろ違和感、不信感しかない。

不本意な結婚と不本意な娘をさんざん罵っておいて、それをなかったことにしろと? 勝手に記憶をすり替えて、「幸せな夫婦」「幸せな親子」だと思い込んでいるのか?

当然、私はこのことも父には伝えない。


母を葬る 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • アバター画像

    絹ごし豆腐

    「思い込みだけで生きている」人、意外に多いようですね。
    私は自分の母達(実母・継母・姑3人衆)のことを、こっそりと「疑惑の銃弾 三浦和義症候群」と呼んでいました。
    自分でこうだと思い込んだもん勝ち、思い込んだことを口にすればその通りになると信じているかのような生き様。
    大人になっていろいろな人と話してみると、そういう人がけっこうな割合でいるもんだな、とわかりました。
    こういう人たちは治りませんから、こちらから上手く距離を取って関わりを減らすしかありませんよね。

  • アバター画像

    プリ子 Post author

    絹ごし豆腐さん、コメントありがとうございましたー!
    まわりに3人もいたんですか、思い込みで生きてる奴が!それは大変!!最初は本当のことを言ってるとおもっちゃうんですよね。はやく気付いて逃げないといけないけど、近しい間柄だとなかなか難しい…
    しかしロス疑惑懐かしい〜

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.80 朝ドラと『化学の授業をはじめます。』の化学反応

60代、男はゆっくりご乱心

髭を生やしてみようと思うのだ

ミカスの今日の料理 昨日の料理

優しい人:ささみのオーブン焼き

かわいいちゃん

チューリップパーティー

今週の「どうする?Over40」

ぬるんで、ゆるむと、死者が帰ってくる。春。

夫亡き日々を生きる

カリーナからゆみるさんへ 2023年2月4日

いろんな言葉

That’s Dance!文字起こし 第5回(episode15) 大阪のお嬢様‥と見せかけての人

カレー記念日 今週のおかわり!

界隈で ラジオ体操 流行ってる?

絵手紙オーライ!

絵の具セットの思い出

四十路犬バカ日和

ハイシニア犬とご近所かかりつけ医

黒ヤギ通信

新しい季節

母を葬る

(9)無理ゲーの行き先

昭和乙女研究所

ファンシーケース

なんかすごい。

わたし、がいこくじん

OIRAKUのアニメ

第100回 響け!ユーフォニアム

山あり谷あり再婚ライフ

真面目キャラ卒業?

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

出前チチカカ湖

第195回 この言い方の復活を!

じじょうくみこの崖のところで待ってます

はなやぐお盆、わたしは墓へとタックルした。

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

人生は引き算である

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

よもじ猫

陰日向組

猫No.31  by つまみ

猫大表示&投稿詳細はこちら!

陰日向組

猫No.31  by つまみ

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「ともに生きる。

  • ZOOMでプライベートレッスン、リモート英会話AQUA
  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up