この人は誰かな?
先日はとっても楽しい「オバフォー祭り」に参加させていただき、一気に多くの皆さんとお顔を合わせることができました。WEB上だけで知っていた方と実際にお話しするのはなかなか面白い体験だと改めて感じました。
ところで、私のように見えにくい人は、他の人をどう判別しているのか。今回はそんなお話を少ししてみたいと思います。
私の場合、かなりの至近距離でもお一人おひとりの顔を区別して認識することはできません。これはもしかすると生まれつきの障害のために、いろいろなものをきちんと見た経験がないことからくるのかとも思いますが、その辺りの詳しい仕組みはなんとも分かりませんし、まあ、そもそもあまり至近距離でじろじろお顔を見るというのも何ですし…。ということですので、私が人を判別する材料はもっぱら「声」となっています。正確にいえば、声そのものだけではなく話し方の特徴や大きさなども合わせて認識しているのだと思います。
とは言え、初めてあった人と挨拶を交わしたくらいではさすがに覚えることは難しいし、一度にたくさんの人と出会ってしまったらもう大変です。これは見えていてもそうなのかもしれませんが、声とお名前を一致させるにはそれなりの時間やインパクトが必要ということになります。
世の中には「一目ぼれ」という言葉がありますが、私は視覚障害者には「ひと声惚れ」というのがあると感じています。耳に心地よく感じられる声は人それぞれ違うでしょうし、どんな話し方に惹かれるのかも人それぞれだとは思いますが、私は男女共に柔らかく綺麗な発音で話す人、大き目な声の人に惹かれるような気がします。
ところで、私の職場にはフルタイムで働いている人だけで80人くらい、アルバイトの人はその倍くらいはいるかもしれません。同じ課の人であれば普段から声を聞く機会が多いので「おはようございます」の声で誰だかだいたいすぐに分かりますが、たまにしか話さない他の課の人だと「はて?誰だったかな」と思うこと度々です。とくにある年齢以上の男性の声は本当に区別が難しい。これは私が女性だからで、男性の視覚障害者は女性の声が聞き分けにくいと感じているのかもしれません。
とにかく、「はて?」と思う人に声をかけられ駅から職場までの道のりを歩くようなときは、まずは誰と話してもおかしくない話題、例えば天気のことなどを話しつつヒントを探して行きます。それで「ああ、そうかそうか、〇〇さんだ」と自信がもてたところで、急に話が発展したりすることもあります、実は。そんな苦労をせずに名前を聞けばよいものではありますが、そこは同じ職場のしかも何年も前から在籍している人にはなんとなく聞きづらいものでして…。なので、「○○です。おはようございます」などと名乗ってもらえるととっても助かったりするのですよね。
はしーば
KEIKOさん、初めまして。
オバフォーのウェブマガジンをずっと愛読している、はしーばと申します。
KEIKOさんの記事を読みはじめてから、目の不自由な方と接する機会があればいいな、と思っています。
今まで勇気を出せずに、ためらってしまって、諦めていたことが多かったので、さりげなくフォローができることが目標です。
さて、ある年齢以上の男性の声の区別がつきづらい問題、私も日々会社にかかってくる電話で毎日実感しています。
思い切ってお名前を聞いちゃうというのはどうでしょうか?
合っていれば問題ないし、間違っていた場合、『話しかける時にまず、名乗る』という必要性に相手が気づく、という発見があります。
KEIKOさんとしては、これは気まずいですか?
相手にもよるかも知れませんが、私なら知らなかったこと気づかせてくれて、ありがとう、です!
KEIKO
はしーばさんコメントありがとうございます。
思い切って名前を聞いちゃう。きまずいというより、タイミングを逸すると言った方がいいかもしれませんね。職場の方だったりすると、相手は最初から知り合いモードで話しかけてくるわけで…。まあ、察しのいい人だと私の反応で「これは分かってないかも?」と気づいて名乗ってくださるんですけどね、その辺りはなんというか呼吸の具合でしょうか?(笑)