ただいま、ちょっと格闘中。
今年は心地よい日が少ないなあと思っているうちに、あっという間に秋も深まり冬が近づいてきました。寒くなると縮こまって、ますます肩や首が凝る気もしたりして嫌ですね。
でも、今の私の凝りの原因はもしかするとその季節のせいだけではなく、「ちょっと格闘中」のためかもしれません。今回のお話はそれについてです。
先月21日は、ちょっとした記念日になりました。というのも、その日、私はしがみついていたガラケーの携帯をついに手放したからです。しばらく前から、スマホでないとできないことがじわじわと増えはじめ、周りでもスマホを持ち始める友人が増えていて、私もそろそろとは考えてはいました。けれど思いきれない。iPhoneにはボイスオーバーという便利なものが最初から組み込まれていて、画面が見えなくても慣れればある程度の操作は可能と知ってはいても、やはり、あのつるつるの画面には抵抗がありました。
なのになぜ思い切ったか?それは映画のため。皆さんはUDCastというアプリで音声ガイドが聞けるという話を聞いたことがあるでしょうか?これまで音声ガイドといえば、事前に録音したガイド音声を上映に合わせて再生する、もしくは生で実況中継するようなスタイルで、どちらにしても人の手が必要。そのため、限られた劇場の限られた日程でしか聞くことができませんでした。ところが、このUDCASTというアプリを使うと、あらかじめ作成されたガイド音声とフィルムを同期させることができ、どの回でもガイドつきで観られるようになるという優れものです。
もちろん、ガイド音声用の台本を作ったり読んだりするのは人ですので、それなりの費用や時間もかかり、数が爆発的に増えるということにはならないと思います。それでも画期的なことです。
で、私がいつも通っている劇場で上映される「だれかの木琴」にはその音声ガイドが準備されているという。しかも初日には舞台挨拶があり、監督や主演の女優さんや男優さんがやってくるというではありませんか!これは私にiPhoneを買えと言っているようなものだ。そうかってに決め込み、仕事の帰りに量販店の売り場へと向かったのでした。
さまざまな設定は店員さんにお願いし、アプリもダウンロードしていただき、これで準備OK.と思ったのですが、ことはそんなりたやすくはありません。ボイスオーバーでの操作法の基礎が書いてあるHPなどを参考にしながら触ってみても、目的のアプリがどこにあるのかさえ見つけ出せない始末。時間が迫ってくるので、えいやっと立ち上がり劇場へ。それでも、おずおずとスマホを取り出した私には、ちゃんと優しい手が差し伸べられました。おなじみの劇場のおなじみのスタッフさんに感謝せずにはいられませんでした。そのおかげで無事にガイド音声のダウンロードが完了し、満員の客席で他のお客様といっしょに映画を楽しむことができて、まさに夢のようでした。
それから早1か月。徐々にではありますが、操作ができるようになってはきましたが、まだまだ文字入力はもたもただし、いろいろな機能もまったく使いこなせない日々。しばらくは映画鑑賞と読書と、それから物体認識アプリを使うための機械となりそうです。
長くなりましたので、今回はこのへんで。視覚障害者に便利なアプリのお話などは、また今度。