白い世界は…
立春も過ぎ、早くも2月も終盤。なのに今年の寒さはなかなか遠のいてはくれないようです。そんな中ですが、ただいまオリンピック真っ最中。ちょっとだけあやかったところからお話を始めてみたいと思います。
平昌オリンピックも大詰め。メダルだけが問題ではなく選手のみなさんがそれぞれに全力を出していることが素晴らしい。とは言ってもやっぱり金メダルには素直に拍手をし、表彰台の一番高いところに立つ姿にはうるうるきてしまう私もいます。
さて、そんな冬季オリンピックですが、当たり前ながら白い世界での競技ばかり。氷も白ければ雪も白い。そうなるとロービジョン(最近は弱視のことをそう呼びます)の私たちにとっては大変見づらいということにもなるのです。それは何ゆえか?理由は主に二つくらいあります。
一つ目は、白はなんと言っても眩しいということ。ロービジョンでなくても白い世界は眩しいには眩しいと思いますが、それをより強く感じる人が多いのです。拡大読書器の機能の中に白黒反転表示があるのもそのためですし、黒地に白い線が引かれたノートや白黒反転カレンダーなども売られています。そうそう、今年の分はもう終了しているかもしれませんが、どこかの会社が数年前から製作している白黒反転カレンダーは鉄腕アトムのイラスト付きでなかなかかっこいいのです。
二つ目はコントラストの問題。こちらもロービジョンの人だけの問題ではなく、白に白ではわかりにくかろうということで赤や青のウエアの選手は多いようですが、細かいところが見えない分、やはりコントラストがはっきりしていないと困ることもあるのです。
オリンピックの話題からは離れますが、ロービジョンの人の中には色の見分けにくい人も多く含まれていて、同系色などが区別しにくいこともあります。そんなことで最も困るのがトイレのピンクと水色の色分け。おしゃれなデザインなのか、あまり目立ちすぎないように表示しているのか、あれはときどき迷うもので、そんなときには出てくる人や入って行く人で区別をすることも…。私などはもっと甚だしくて青と黄色の区別のような場合はできても赤も緑も茶色もどれがどれやら…。幼き頃にはクレヨンの箱の中の並び順を覚えて区別していたので、ひっくり返してしまうともう大変でした。
そんなわけで黄色がよいとされている点字ブロックも、実はいつでも黄色がいいは限らない。例えばベージュのような床に黄色ではコントラストがやや足りないですし、つやつやした素材だと眩しいかもしれません。ということで、最近はロービジョンにとって目印になりやすい点字ブロックの研究なども行われているようです。
と、そんなことを書いている私ですが、白い氷の上を所狭しと動き回って演技する結弦君は、良く見えなくてもかっこいい。だから私はいつもテレビのまえにかじりつくのでした。