拳大(こぶしだい)ってこんなに大きかったかしら?
今年の夏は尋常ではなく暑い日が続いています。「本日○○では39℃、△△は38℃でした…」などと聞くと、まるで気温ではなく病人の体温を測っているような気さえしてきます。ここ横浜の気温はそこまでではないものの、昼休みに外に出るのもやや命がけ。というわけで、出勤途中で昼ごはんの買い物をする回数も例年より多くなっています。
昼ごはんと言えばパンが手軽です。幸いなことに家の最寄駅近くにも職場の最寄駅近くにも、わりと美味しくお気に入りのパン屋さんがあります。どちらもトレーを手に好きなパンを自分で選びレジで支払う、というタイプのお店です。このタイプのお店の場合、視覚障碍者はどうしてもお店の方にヘルプを求めることになります。若干見えていてもあまり近寄って見るわけにも行きませんし、うっかり掴みそこねてしまったり、形をくずしてしまってもいけませんので…。
そこでこうしたお店に始めて行ったときまずしなければならないのはお店の人に声をかけること。新しく焼きあがったパンを並べるために店内を歩いている人を声を頼りに探したり、レジに近寄って行ったりすることになります。ときによっては親切なお客さんが私の代わりに声をかけてくれることもあったりします。
その次が、慣れるまではちょっと大変なプロセスです。「見えないのでパンを探すのを手伝ってもらっていいでしょうか?」などと始めるのですが、探すと言っても実はこちらはそのお店の品ぞろえがわからない。なので「何をお探しですか?」と問われても答えるのが難しいのですね。というわけで、次なる質問として「何がおすすめですか?」「お惣菜パンはどんなものがありますか?」、ときにはもっと具体的にありそうなものを想像して「レーズンを使ったパンはありますか?」などと進めて行きます。
お店の人があまりに戸惑っているような様子であれば、とりあえずの作戦として「この辺りのパンを順番に言ってみてください」などということもあります。名前だけではどんなパンなのかわからないこともありますし、逆にお店の方が気を使われて細かく説明をし過ぎてちっとも次に進まないといったこともあったりします。そんなときにはまたしても次の作戦を繰り出して「デニッシュは?」「フランスパン生地のものは?」などと質問を続けたり…。
そうこうしている内に買いたいパンがいくつかピックアップできてきます。すると次に問題になるのがそのパンの大きさ。
もちろん、同じような大きさでもふわふわのパンの場合と、ハード系のずっしりしたパンの場合ではお腹にたまる具合も違ってはきますが、自分のお腹の空き具合でどのくらいの大きさのパンをいくつ買うかを決める必要が出てきます。個包装されているものであれば触らせてもらえるので簡単なのですが、パンの場合はそうも行かないことがほとんどです。
なので「どれくらいの大きさですか?」と聞くことになるのですが、これがまたちょっと難しい。「手のひらサイズ?」「5センチくらいの細長い?」などとこちらから質問することもあります。けれど、実は手のひらとか拳は人によって大きさが違うのですよね。拳大ってこんなに大きかったかしら?と思うことも…(笑)
こうしたやり取りも何度かしているうちにお互い慣れてきます。こちらから声をかけなくても、お店の方の方から「今日は何にしましょうか?」と言ってくださったり、「〇〇が焼き立てですよ」「新しく□□がでましたよ」などと教えてくださるようにもなったりします。ありがたいことですね。その内「〇〇はこの前召し上がりましたよね。いかがでした?」などと言われてしまうこともあって、さすがはお店の方の記憶力はすごいなあと感心したり驚いたり…。
さてさて今度はどのお店でどのパンを買いましょう。駅近くのどちらのお店にもお気に入りの季節のアンパンがあるのですが…。
はしーば
KEIKOさん、こんにちは。
私もパンが好きです。
もうかれこれ20年以上も食べ続けているエンジェルソフト アップル&チーズというパンは、有名チェーン店、ヴィドフランスのものですが、長年味が変わらず大のお気に入りです。
ふわふわの生地に軽めのクリームチーズと、シャキシャキの煮リンゴの酸味が堪りません。拳1.5個分くらいでしょうか。
もしお近くにお店があればお試しあれ。