さよなら : 海老の道明寺揚げ
最近、少女漫画にはまっている。
実はそれをばらすのは恥ずかしいのだけど、はまっているのだから仕方ない。
電子書籍が読めるようになってからというもの、
何巻もあるシリーズも薄いタブレット端末に収めて持ち運ぶこともできるのだから、
手に入れるこちらの気持ちもちょっとばかり軽くなってしまうというものだ。
それにしても、少女漫画だ。
もう「夢見る少女じゃいられない」なんて台詞すらも吐けないし、
「〇〇女子」なるネーミングを聞くにつけ
「女子ってえのはなぁ、学生だけなんだよ!!」と悪態をつく見事なおばさんでありながら
少女と名の付くものに夢中になるとはいかがなものか。
「高台家の人々」、「好きっていいなよ」、「椿町ロンリープラネット」
「はしたなくてごめん」「かわいいひと」「放課後の賢者」etc。
全てお若いひとたちが甘ったるい恋に落ちるお話ばかりじゃないか。
それにまんまとムズムズしている私は一体何なんだ?
恐る恐る友人に話してみると
「あぁ…私も、はまってる」と言うではないか。
いわゆる少女だった頃にも読んだ記憶はあるけれど、
今この年になった感性で、私たちが若い恋愛モノにムズムズしてしまうのは
一体なぜなのか?
「惜別の念でしょ」
友人は言う。
「”ああ、こういう恋がしたい!” ではなくて、
”ああ、もうこういう想いを味わうことはないんだなぁ” って。
もう自分の身には起こらないこと、
自分の胸には湧きあがらないであろう感情への惜別」
なるほど。
確かに、髪はちらほら白くなり、体は引力に抗えなくなり、
油分も水分もせっせと補充しなければすぐに枯渇する。
そして何より、あまりにもたくさんのことを踏み越えて来た分
良くも悪くも色々なことを知って悟ってしまった私たち大人は
もうこんな青臭いムズムズに飲み込まれることはないだろう。
そうか、もう来ないと自然と知ってしまった私たちは、
少女漫画にドキドキしながら、時に涙したりしながら、
さようならをしているのか。
少女漫画だけではない。
私の周りでは、最近「花のち晴れ 花男Next Season」にはまる人が多い。
「花より男子」(2005年)にはまった人たちがどんなものかと興味を持った
ということもあるのだろうけど、問いかけてみれば
「やっぱり私は天馬クンがいい!」などと盛り上がるのだから、
おばさま方たちもまんまとはまっているのだ。
<宇多田ヒカルの『初恋』が更に切なくさせるのよ>
ただあれだね。
オバフォーは「花のち晴れ」のC5メンバーを演じている若い役者さんたちに
あまり馴染みがないからか(若い方たちの間では人気なのだと思う)、
「花より男子」のF4の方がちょっと良かったかなぁ、なんて思ってしまう。
「どーみょーじ!」なんて呼ぶ井上真央ちゃんの姿と共にね。
というわけで、食べ物だけでもF4を懐かしんでみようかと、
今日の一品は『海老の道明寺揚げ』。
揚げた道明寺湖粉はあられのような香ばしさ。
私は天ぷらよりもこちらの方が好きかな。
『海老の道明寺揚げ』
- 海老は殻をむき、爪楊枝などで背ワタを取ってからきれいに洗います。
ペーパータオルなどでしっかりと水をふき取っておきましょう。 - 1の海老の腹側3箇所ほどに浅く切れ目を入れます。
これは、揚げた時に海老が丸まらないために。
また、しっぽの先を包丁で軽くしごいて水気を出しておきましょう。 - 下ごしらえをした2の海老に、片栗粉、溶きほぐした卵の白身、道明寺粉の順に
まぶし、170℃の油で揚げたら出来上がり。※道明寺粉は、スーパーの製菓材売り場や、小麦粉などの粉もの(って言うの?)売り場で売っています。
年を経れば経るほどに減るもの、増えるもの、さまざまです。
年齢と共に自分の中で変化したものに気づくたびに私の頭の中では
「さよなら夏の日~。僕らは大人になっていくよ」という山下達郎の
歌声が響き渡ります。
あんず
(笑)まさか道明寺揚げがそこから来ていようとは。
私はやっぱ、花沢派ですが。
なんという偶然、私も数日前「高台家の人々」を買って読みました。
友達が大オススメで貸してくれた(録画したブルーレイ)N○Kの時代劇
「アシガール」にはまってしまったもので。
若君コスプレした健太郎クンのなんとかっこいいこと。
漫画と実写は違うものなので「アシガール」の原作は読まないことにするけれど、
作家さんには敬意を払いたいと、森本梢子さんの「高台家・・」を
買ったんです。
笑った、笑った。
しかしなんで今さら若者の恋模様がおもしろいんだろうと、
自分でも首をかしげる思いでした。
で、お友達の意見、ほんと納得しました。
ー自分の胸には湧きあがらないであろう感情への惜別ー
それだよ~~
そういうちょいとした幸せがあると、ふつーでしかない現実が
過ごしやすいです。
ミカス Post author
あんずさん
私もどちらかと言えば花沢派ではありますが、「どーみょーじー!」は私にとってもはや「声に出して読みたい日本語」の部類になってしまっています。
原作と実写版、どちらかを先に読んで(見て)しまった場合、確かに迷いますよね。
その落差がちょっと恐いような…
といいつつ私、「高台家の人々」原作を読んでから映画を見ました。
たまたまAmazonプライム(Netflixか?)にあったので見てしまいました。
映画の場合、短時間にまとめなければならないから、なかなか…ね。
普通でしかない現実か。
確かに、たまには普通ではない色や香りが必要ですよね。
少女漫画や健太郎くんの若君コスプレで現実を乗り越えましょう!