じじょうくみこのオバサマー

独女と同居。

前回に続きまして、四十路独女の結婚アジェンダその2。今回は

「長年都会暮らししていた四十路独女が、老いた義父母と同居的な環境で生活できるかどうか問題」

であります。

 

ザビ家では長年、母屋にお父さんお母さんが、離れにザビ男が暮らしておりました。結婚前にザビ男からは「親と同居の必要はない」と言われていましたが、初めてザビ家を訪れたとき、隣り合わせに建つ母屋と離れを見て、しかも離れには台所もお風呂もないのを見て「これどう考えてもほぼ同居やん!」と叫んだのも今は昔。

 

 

アパートを借りようにもアパート自体がない村で、ザビ男と結婚するということはつまり、お父さんお母さんと一緒に暮らすということでありました。ザビ男とうまくやっていけるかどうかも未知数なのに、さらにこのシチュエーション。長年都会で気ままなひとり暮らしをしていた身にとっては、プレッシャー以外のなにものでもありません。

 

まあそれでも年を取ってよかったのは自分に変な期待をかけなくなったことで、どうなるかわかんないけどぼやぼやしてるうちに死んじゃってもアレやし(!)と思って、エイヤッと飛び込んでみたのでありました。

 

すると結婚式まで1ヶ月を切ったところで「リフォームが終わるまで空き家を使っていいよ」という人が突如出現! そこはザビ家から歩いて5分のところにある、平屋の小さなおうち(ジュテームのとなりです)。もともと別荘のような家だったそうで、築年数がたっているわりに状態は良好、家具もすべて完備というすばらしい好条件でありました。

 

決死の覚悟をしたのに、急転直下の別居決定でなんとも拍子抜け。でも期間限定ではありますが、結婚早々いきなり同居にならずに済んでホッとした、というのが正直なところです。

 

とはいえ、いずれは一緒に暮らす家族ですから、お父さんお母さんとはできるだけ早いうちに仲良くなっておきたいところ。そこで時間が許す限り母屋に日参し、親睦を深めることにしました。幸いなことに、お父さんお母さんはいつ行っても大歓迎で迎えてくれたので、とりあえず嫌われなくてよかったと胸をなでおろしていたのですが…。

 

 

カモメ

 

 

ザビパパが焼酎が大好きだということは、すぐにわかりました。決して悪い飲み方ではなく、小さなコップに水割りを作ってニコニコ飲み続ける楽しいお酒なのですが、会話のほうは残念ながらすぐにぼんやりしてしまうのです。いろいろ話を聞きたいので朝行ってみたり午後にしたり、あれこれ時間帯を変えてみたけど結果は同じ。何時だろうがザビパパはわたしを見ると、戸棚をパタンと開けて焼酎を取り出すのでした。

 

一方、ザビママはどうしているかというと、ママは料理好きらしく「これも食え、あれも食え」と次々に料理を出してくれます。ヤバイ、ここはひょっとして「お母様、わたくしが!」とかなんとかヨメらしいことをするシチュエーションのやつや! と焦って台所に立とうとするのですが、ザビママは静かにわたしを手で制し

 

「座っとくズラ」

 

とザビパパの話し相手をするよう促すのでありました。

 

 

はじめのころは、どう考えても大人3人で食べきれない量の料理を前に、パパ焼酎飲み始める→パパノリノリで話し始める→ママ料理作る→パパもっと飲む→ママもっと作る→パパノリノリで同じ話をくり返す、の無限ループにつきあうのもヨメの仕事と言い聞かせてきましたが、さすがに体力がもたなくなってきたので(ていうか太りすぎ…)何かいい方法はないかなと悩んで「はっ、そうだ!」と思いついたのが

 

 

 

家庭菜園❤︎

 

 

 

東京ではアパートのベランダで野菜を作っていたので、実はシマ島の家に畑があると聞いて楽しみにしていたのです。ザビ家の中庭には「苗場」と家族が呼んでいる、苗場というにはあまりにも広い畑と、車で少し行った山の中にだだっぴろい畑があり、お父さんとお母さんがふたりで野菜を作っていました。

 

野菜作りは肉体労働ですから、四十路のオバちゃんでも多少なりともお役に立てるはず。わたしにとっては大好きな家庭菜園ができて、ザビパパママともっと仲良くなれる一石二鳥の大チャンスであります。そこであるとき思い切って

 

「いっしょに野菜を作りたいです。畑、連れていってください!」

 

と宣言したのでした。

するとふたりはたいそう喜んでくれ、しめしめこれで心の距離を縮められるぞと思っていたのですが……。

 

 

 

カモメ

 

 

 

どうしたことか、いつまでたってもお呼びがかからないのです。

生活サイクルが違うからかな、島に着いたばかりで遠慮しているのかな、と思っていたのですが、どうにもこうにも連絡がない。しびれを切らせて母屋に行ってみると「今日は行かないよ、まあうちに入って一杯やりなよ」、午後から行くよと聞いて行ってみても「朝に行っちまったよ、まあうちに入って一杯やりなよ」と結局いつものパターンに。

 

 

しびれをきらせて「今日いっしょに行きましょう!」と言って母屋に粘り、ようやく畑に連れていってもらったのですが、

 

 

「くみちゃん、作業は休み休みせんと」

と10分もしないうちに休憩所に連れて行かれ

 

「お昼を買いに行こう」

とスーパーに連れて行かれ

 

ごはんを持って畑に戻るのかと思いきや
「まあうちに入って一杯」

と母屋に連れて行かれていつものパターンにもつれ込むの巻…(泣)

 

 

その後も折にふれて「畑に行きたい」と言ってみるのですが、そのたびに「これ持ってけ」「これ今朝採れたから」と野菜をわたされるばかりで、いっこうに畑作業ができません。

 

 

 

 

あああぐわあああああああああああ

 

 

 

 

なんだろう、毎日こんなに話してるのに全然伝わらない感じ。埒があかないので

「わたし、野菜を、育てていたんです。もっともっと育てたいんです。お父さんと、お母さんといっしょに、畑作業がしたいんです!」

と念押しして言ってみると

 

「わかったわかった。あしたの午前中、家に来なさい」

 

よっしゃよっしゃ、今度こそ作業ができる!と翌朝いそいそと母屋に行くと

 

 

 

「ほら、野菜いっぱい採っておいたよ❤︎
ぜーんぶ持っていきな。うちらは食べないから♩」

 

 

vege
どっさり。

 

 

 

 

ウンウン、ウンウン、うれしいよ、

家計も助かるし、すっごくうれしいんですけどね、

そうじゃなくて、そうじゃなくってえええええええ!!!!!

 

 

 

 

シマ島で「畑仕事したい」は「野菜くれ」って意味なんかな……?

嫌われるよりは全然よくて、すっごくすっごくありがたいと思っているんですけども、斜め上からくる愛情にとまどいを隠せない日々。そして大量野菜の使い道に頭を悩ませつつ、こうなったら勝手に畑に行って種を植えてやろうかとひそかに企む今日この頃です…。

 

Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎

*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週火・木・土曜日更新です。

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コメント、ありがとー!

  • きゃらめる

    そのうちかわってきますよ(^-^)
    まだ結婚したばっかり!

  • こうまさん

    ご両親様が、余るほど野菜作ってるんだったら、
    (生産農家じゃないですよね?)
    きっと、ご両親的には
    「都会の人が、気を遣って畑って言ってくれてるけど、きっとできないよ~」って
    心配してくれているのでしょうか?そんな気がします。
    (あくまで「手伝ってくれる」という前提で、自主的畑の運営とは思ってない)

    私も、一応都会育ちで田舎へ来て、
    畑を耕していると(やっと耕運機買ってもらって泣くほど嬉しいです!)
    近所のおんちゃんやおばちゃんは、とてもたまげておられます。
    「都会の人が~~~!」って。
    出来ない、って思い込みがあるんではないでしょうか?
    田舎育ちの嫁でも、手伝う人は皆無ですし!

    苗場が広いなら、じじょくみさんのスペースを確保されて
    少しずつ、自分好みに開墾なさって見てはいかがでしょう?
    すると、熱意はいずれ伝わるようになり・・・・・・畑を全面的に任され・・・・

    夏場のひろ~い畑の草取りに泣きたくなる日が、

    来るような来ないような・・・・(爆)

    ご両親とは別口で、を強調されておくことをお勧めします☆

  • じじょうくみこ Post author

    >>きゃらめるさま
    こんにちはーコメントありがとうございます!

    ですよねですよね、まだ2ヶ月ですよね・・・・(ー ー;)

  • じじょうくみこ Post author

    >>こうまさま
    こんにちは!コメントありがとうございます(^∇^)

    はい、生産農家でなくて自家用野菜です。
    でもそうですよねえ、確かに気を使っていただいているのかも・・・
    言葉の端々から、どうやらわたしはアーバンレディ的に受け止められてるっぽい
    と感じております・・・いや田舎育ちですと何度言っても伝わらないw

    とりあえず、借家の花壇から始めることに決めました〜

  • こうまさん

    くみこ様
    はい、わたくし田舎暮らしです。
    夫も私も関西人ですが、夫の仕事の都合で田舎に暮らして20年。
    人口は減ってゆく一方の田舎です。
    シマシマ程の密着感は無いかもしれませんが・・・・。

    ちょっと思ったのは、

    太古の昔から(?)都会から来たヨメサンが、
    人間関係の濃さに辟易して逃亡!という事例が
    沢山あったのではないでしょうか?
    たしか、ザビ男さんもその点気にしておられたご様子。

    だから、だからこそ、ザビ男さんの大事な素敵なヨメサンだからこそ、
    「密着しちゃいけねぇ。そっと、そぉ~っと」と
    島民の総意で自重されてる気がしてなりません。

    色々な便宜を図って下さって、知らない人からも(笑)お祝い届けられたり、
    歓迎してらっしゃるし、受け入れ態勢は完璧!ですもんね♪

    たたけよ、さらば開かれん、
    扉の中の人たちはかなり慎重みたいですけどね!

  • じじょうくみこ Post author

    >>こうまさま

    こんにちは!お返事遅くなってしまいすみません(ー ー;)

    >>太古の昔から(?)都会から来たヨメサンが、
    >>人間関係の濃さに辟易して逃亡!という事例が

    これウケました・・・太古の昔から島脱出!なんちゃら漂流記のような冒険感(笑)

    島民のみなさんがそおーっとそろーおっと見守っている図を想像して
    ちょっと泣きそうになってしまいました\(//∇//)\
    そうですね、あまり考えすぎずにこちらもそろおーーっと接近してみます!

    しかし20年・・・ベテランですね、こうまさま。いろいろ教えてくださーい。

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