Dr.コトーにも事情がある
かつて『Dr.コトー診療所』というドラマがありました。
吉岡秀隆扮する若き医師・五島健助が、なんやかんやあって無医村状態の離島にうっかり来ることになり、島の美しい風景や島民とのふれあいの中で成長していくというヒューマンドラマ。装備もほとんどない島の診療所で、難しい手術をちゃちゃっとやってのけちゃうのがなんとも面白かったわけですが。
ドラマのロケ地は日本最西端の離島、沖縄・与那国島
「でもまあ現実はあんな風にいくわけないわな」なーんてことは子供にだってわかるわけで。わたしも当時は単なるファンタジーとして「海きれー、吉岡くんカッコいー」なんて言いながらのんきにドラマを楽しんでいた一視聴者だったのであります。
まさかその10年後に、自分が離島に住むことになるなどとは、想像だにしておりませんでした。
一寸先は闇(違う)
さて。
シマ島に来て知ったのですが、現在の離島医療には2つのスタイルがあるらしいです。
1つは、手術も精密検査もできる重装備の病院機能を完備した「島内完結型」。島で全ての治療を行い、場合によっては本土から医師がかけつけて対応するという医療体制です。もう1つは、軽装備の診療所を設け、症状に応じて島内対応、本土の提携病院との遠隔対応、本土への救急搬送を行う「本土連携型」。
Dr.コトーのように「少ない装備で難しい手術までできちゃう」という理想的なハイブリッドタイプができれば苦労はないですが、シマ島の場合は後者の本土連携型にあてはまるようです。
島内には診療所が2カ所。総合病院はありません。お医者さんは内科が3名、歯科が1名。4人の先生が2つの診療所を交代で担当し、外来、往診、入院治療までまかなっています。なにしろ人数が少ないので、外来で診察を受けられるのは午前中のみ。歯医者にいたっては2週間に1回しか予約を入れられません(急な歯痛はどうすれば…?)
シマ島ネイティブのザビ男によると、島には長らく「村医」と呼ばれる島在住のお医者さんはいないとのこと。シマ島のDr.コトーは村医的存在の「所長」が2年交代のシフト勤務、その他の先生も3〜4ヶ月間の短期勤務で、みなさん本土の大きな病院から派遣されてくるとか。重病治療や外科手術はできないらしく、重病人が出た場合は即刻ヘリで本土に緊急搬送される、というのがシマ島の医療体制。
ずっといてくれるお医者さんがひとりもいない。
それが離島の現実なのだなあと、改めてその厳しさを思い知った次第。Dr.コトーにもいろんな事情があるんですねえ…。
ちなみにDr.コトーに実在のモデルがいるのは有名な話で、鹿児島の下甑島(しもこしきじま)の瀬戸上健二郎先生がその人。離島の診療所ながら、外科手術もガン治療もできる体制に整えた離島医療のカリスマ。70歳を超えた今も島でご健在のご様子。
ナポレオンの横顔に見えるという「ナポレオン岩」が有名らしい
これから病院のお世話になる機会が増えていくであろうアラフィフにして、離島に引っ越すというのはなかなか勇気のいる話ですが、それでもひとつだけ楽しみにしていたこともあったのです。それは……
怒らないでね……
嫌いにならないでね… …
それはね…………
島の診療所には若いイケメン医師がいる❤︎
……すいませんm(_ _)m
離島医療に駆り出される医師というのは、経験の浅い研修医や若手が多いようです。いやもちろんベテランの先生もいらっしゃいますが、シマ島診療所のホームページで医師紹介のコーナーを定期的に眺めては
「やだ❤︎新しいイケメンが入ってる❤︎❤︎」
制服を着ているとカッコよく見える「白衣3割増の法則」に「離島での短い逢瀬」が重なって、恋に落ちる確率200%のシチュエーションのやつや!
そういえば僻地の田舎に暮らしていたころ、新学期になると毎年のように新卒の先生が赴任してきたのを思い出しました。僻地女子にとって、年の近い男の先生ってだけでモテモテになったもんですわ。島の乙女たちも「ねえ早く声かけなよ」「やだ、ミカが言ってよ!」などとヒソヒソ話をしていたりするのかしら、いやこのトキメキが熟女をパワーアップさせる民間治療法なのでは…?
そんなくだらないことばかり考えつつ、さあわたしのイメケンコトーたちとはいつ会い見えるかしら❤︎と思っておりましたら、その機会は意外に早く訪れたのでありました。
というわけで、次回はDr.コトーに会ってきました編です。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週火・木・土曜日更新です。
続編やらないのかな
okosama
じじょくみさん、こんにちは
吉岡くんはやっぱり北の国から口調ねププ。と思ったら…
オールマイティな旦那さんを持つ新妻が診療所ホームページでイケメンチェックて、それあかんやつや!(笑)
きりぞう
友人が離島?の診療所で働いていました!医師は可能1人。
彼女は、島とはいえ、実家が比較的簡単に帰れるところだったので、たまに帰省していました。
「こんなときに、島で重病人が出たら?!」
「自力でなんとかするか、あきらめてもらうしかないねー」
そうなの?!
それでも、僻地医療に携わる彼女はカッコいい、と思いました。
はしーば
あー、それ、具合悪くて診療所来てるのに、さっさと診察終わるのが寂しくなっちゃうパターンかしら?
大したことなくても、ついつい通いたくなっちゃったりして。
待合室は老若女女でいつもいっぱいとか?
あー、離島って楽しそう!と妄想が暴走する前に土曜の更新を〜(≧∇≦)
じじょうくみこ Post author
>>okosamaさま
こんにちはー!いつもコメントありがとうございますう〜( ´ ▽ ` )ノ
すいません、昨日も見ちゃいましたてへぺろ( ̄^ ̄)ゞ
じじょうくみこ Post author
>>きりぞうさま
こんにちは!コメントありがとうございます!m(_ _)m
お友達、すばらしいですねえ。ひとりで常勤というのはそりゃ大変ですよ。。。
先生の力量によって島民の左右される、ということもあると思いますから。
いつ何時に呼び出されるかわからない世界だと思いますし
もうなんぼでも帰省してリフレッシュしてくださいませって思います。
そのかわり、帰ってきてねー(笑)
じじょうくみこ Post author
>>はしーばさま
こんにちは!コメントいつもありがとうございます〜(^∇^)
これこれ、妄想がすでに暴走してますよ(笑)
そして診療所にはベテランナースが現場を仕切っておいでなのでありました。
くわしくは土曜日!