生活リズム
ウサギが活発になる時間は夜明けと夕暮れだそうです。
かはたれ と たそがれ。さすが。野鳥たちが鳴き始め、鳴きしずまる時間。ウサギは少しもやがかかったようなうす明るい景色の中で、両耳のアンテナはしっかりたてて草を食べ始めるのかな。
家で飼われているうさぎは下僕の生活リズムの影響を受けますが、やはり昼間はうつらうつらしていることが多いです。かはたれ時はしっかり目覚めてケージの扉に付けてある鈴を鼻でツンツンして鳴らします。そうすると下僕が起きますのでね。
黄昏時は起きていたり眠そうだったりします。21~23時が一番活動的で楽しそうに部屋をぴょこぴょこしています。
時間だけでなくお天気にも左右されて、からりと良い天気だと活動範囲が広く、動きも軽い。雨降りだとお気に入りの場所でじっとしてラグや前足をペロペロして眠りに入ります。これがかわいい。目がだんだん閉じていき、ほっぺたや口元がもぐもぐ動くおネムのうさぎ、見ている下僕の胸のあたりの力もほっと抜けていきます。
うさぎによっては豪快に仰向けに近いくらい寝転がるようですがうちのうさぎは両前足を伸ばして顎をのせてすごくかわいい。
そしてケージに戻る場合も時間を大体決めていて自分からケージに入っています。うさぎの世話をしているようで実はうさぎが時計みたい。
生来ものぐさな下僕は「やった方がよいレベル」ではなかなか立ち上がらずに現代舞踊かというほど自分の部屋の床面にへばりついて(現代舞踊って床を転がるイメージがある)いて、仕事とかうさぎのお世話とか「やらない選択肢はないレベル」でようやく動くのです。
今は仕事の時間を減らしたので、なおさらうさぎに生活リズムを作ってもらっています。
はじめの1ヶ月は、働こうと思えば働けるのに引っ込んでしまったと自分に失望し、友人に「えー、勿体ない」と言われては焦り、夫に「休みで良いねえ」と言われては怒ったりしていましたが最近は「今は休む。できないものはできない」と落ち着いて考えるエネルギーが出てきました。
疲れていると器が小さくなってすぐ怒るしすぐヘコむ。できるとできないの振れ幅も大きくなってしまいます。
うさぎだって若い頃みたいなBinkyはほとんどしなくなりました。
そのかわり頭をぶんぶん振ったり上半身だけひょいと持ち上げたりする感情表現が増えています。
へやんぽたけなわのときにケージに戻るように言うと抵抗のぶんぶん、これは人間がするイヤのジェスチャーと同じなので「嫌だもん!」のセリフの吹き出しが見えるようです。おやつへの期待が高まったときは嬉しい!のぶんぶんです。
できなくなった大きな動作をしなくてもコミュニケーション量は全然変わっていない印象です。ウサギに学ぶところは大きいのです。