夜あるく 夜んぽうさぎとトイレのこと
この頃、真夜中の部屋や廊下をうさぎが歩いています。
夜ケージの扉を開け放しているのです。
歩くといってもうさぎは四つ足でトコトコ歩くことはほとんどないので、左前足、右前足、それから両方の後足でぴょん という動作でゆっくり移動しているのですが、夜中の部屋では足音がよく聞こえます。
とんとんたん、とんとんたん・・・とんとんたん と歩いたり止まったり。
ちょっと存在感を出したいときは後足の音が強くなり、ダッシュのときは前足の音も大きく響きます。おやつに突進してくるときはドドドッと前足も後足もなく足が渦巻になるマンガみたいです。
そもそもは下僕が掛けがねをかけ忘れたケージの扉を鼻でそっと押し開けて、ケージの外で意外といたずらもせず夜を過ごしていたというのが始まりです。
朝ケージがもぬけの殻になっていたときはものすごくびっくり(扉はほぼもとの位置に戻っており開いているように見えなかった)しました。小さくなっちゃったのかとエサ箱の陰を確かめてしまったほどでした。
「うさちゃん!?」と探す声に、うさぎは横のスロープから元気に走り下りてきて朝ご飯をねだって下僕の周りをぐるぐる回りました。
あー、驚いた。あら、意外とフリーでも平気なのかも。
年のせいなのか、運動量が足りないのか、この頃うさぎがお気に入りの場所でうとうとしていることが多く、気になっていた所でした。
それで、運動不足解消に夜は自由にさせてみることにしたのです。
心配なのは思わぬところに突入したり、部屋中をトイレにしてしまうことだったのですが、今いるうさぎは縄張りをどんどん拡げるというより縄張り内で安心して過ごすタイプ。
そしてオシッコは自分できめた一カ所でしています。フンは少々散らかっています。トイレでもしますが、縄張り内のそこかしこに滞在した証しにおとしています。くつろいで長くいたところには多くなっていて過ごし方が見えるようです。
ウサギのフンはご存じのようにコロコロとドライですし、牧草が形を変えただけですので下僕は気になりません。
ゴージャスなコロコロ●が沢山あるのはウサギの調子が良いことなので、下僕にとってとても安心できる光景なのです。
達人級の下僕は野生ウサギの●を見てその建康状態を気遣うようになるそうです。
でも、ウサギの名誉のために言いますと、基本的にトイレの場所は決める動物なのでウサギ用トイレが商品としてあるほどです。
一代目はうさぎショップでどうしてもしつけられなかったと言われたのですが、ヘやんぽ中にケージの外に自分で決め、そこ以外ではしなくなりました。「絶対に外のトイレを使います!」という気概を持ってケージの中では排尿しなくなったのにはちょっと困りましたが・・・。
今のうさぎは完璧にうさトイレを使ううさぎでしたが、脊椎の怪我のため排尿排便が不完全になっていた時期があり、出るだけで下僕は大喜び、好きなところでしてもらっています。
その後、うさぎは自分で決めたところでするようになり、後遺症はあるかもしれないけれどほとんど問題なく過ごせています。
うさぎが牧草を食べるプキプキシャクシャクという音を聞いたり、窓から入ってくる街灯の薄明かりにほんのりうかびあがるうさシルエットを眺めたり、下僕にとっても夜んぽはなかなか愉しいのです。