歯のこと
うさぎの歯は伸びてくる歯です。
なのでうさぎは毎日歯を牧草で研いでいます。牧草を囓り切り、奥歯で念入りにすりつぶして次々伸びてくる歯をちょうど良い長さに保っています。
特に前歯(切歯)はよく伸びます。1ヶ月に1cmくらいで人間の爪より伸びるのは速いです。
ウサギが口を開けたときによく見える二本並んだ切歯は正面から見える切歯の裏に小さな歯があり二枚重ねになっています。
上の歯は少し前に出ていて二枚重ねの小さい歯と下の歯が重なるように噛み合わさり、囓る動きで切歯が研がれていくのです。
(磨製石器を見ると―滅多に見ませんけど―ウサギの歯を思います)
実家で飼っていたうさぎは不正咬合といって切歯が噛み合わず、キャベツでさえ噛みとれませんでした。そこで野菜類はみじん切り、ドライフードも一口大に割り、いわゆる刻み食にしてお皿にふんわり入れてやりました。
切歯は削られず、稲庭うどんくらいの厚みを保ったままどんどん伸びてしまいます。伸びすぎると何も食べられなくなるので10日に1回くらいニッパー型の爪切りで切ります。
その頃は視力も良かったので実家に通っては(実家は出ていたので)家族にうさぎを保定してもらって私が切っていました。
うさぎも私も緊張の歯切りです。
実家から帰る間際に切る(次までの猶予を作りたい)ので、うさぎは私が居る間緊張していて気の毒でした。
そこでうさぎに会ってすぐ切るようにしたら、安心してそばに来てくれるようになりました。賢い賢い、うれしいうれしい。
もちろん本当は獣医さんで切ったり、削ったりちゃんと処置してもらうべきです。実家のうさぎも時々は獣医さんで切ってもらうようにしていました。
そのうさぎが生きていて歯切りをしていた頃は自分が歯医者に行ったとき、クリーニングレベルでも痛く感じて堪えながら「うさちゃんはもっとつらいのをガマンしているんだ」と心で言い聞かせていました。
それで結構頑張れたのです。
今はそのタガが外れてしまった。実家のうさちゃんは最終的には不正咬合が原因となって、いなくなりました(ウサギ界隈ではお月様に帰るといいます)。
最近の歯医者では、私はほんのちょっとのことでも、痛くなりそうレベルでも、左手を挙げるタイミングばかり考えています。
不正咬合は生まれつきの顎の形によるもの(うちのうさぎはこれでした。顔が非対称で可愛い側とカッコイイ側がありました)のほか、ケージの金属など固い物を噛みすぎるとなることもあるようです。