青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.6」
自分を知る・足るを知る極意
先週ご紹介したインド古来の予防医学、生活の智恵「アーユルヴェーダ」、私のまわりにも早速自分のタイプをチェックしてみたわ~という方が沢山いらして、嬉しい限りです。
アーユルヴェーダ治療・・・といっても、薬草を使った飲み薬・塗り薬のほか、身体とこころの
浄化プログラムもあり、ヨーガも含まれ、漢方らしきものも含有し、個人差に対応してドクターが
処方をするんですね。
アーユルヴェーダといえば、日本では額にオイルを垂らすシローダラがよく知られていますが、インド人がよく受ける治療はアビヤンガム と呼ばれる全身マッサージ。ヘッドマッサージのあと、二人の施術師による全身シンクロナイズド・オイルマッサージを
受けるのです。まるで「カンナをかける大工さんの姿」さながらに、結構力強くマッサージされ、全身の筋肉をほぐし、血流を整えられている感じ。
精神疲労が重なっているときには、額全体に暖かいオイルを少しずつ、たらたらとたらし続けるシローダラが良いと言われ、やってもらっている間にツルッと
不覚にも寝落ちてしまうことしばしば。ただし、見た目のとろとろまったり感とは異なり刺激が強い治療法なんだそうで、いきなりでなはくてボディマッサージなどでオイルに身体が馴染んでから、施術を受けたほうが良いんだそうです。
ピッチリというオイルバス・トリートメントもまた気持ちがよいもの。ほどよく温められたオイルを、水差しのような容器に入れ、たらたら全身に垂らします。これもたまらない心地よさ。
これらのアーユルヴェーダ治療は、超高級ホテルのスパでも取り入れられており、ちょっと敷居の高い特別感をかもし出しているんですよね。
しかし!ほとんどのアーユルヴェーダクリニックには、まだまだこんな感じで手作業で薬を包んだりしているアナログな世界があり、こうして人の手が
かかってるのを見るとご利益がありそうで安心する私なのでした。
(しかも安けりゃなおさら)
さて、前回は更年期の症状に限って3つのドーシャタイプをご紹介しましたが、一般的には
下記のようなタイプ別の特徴が見られます。自分のドーシャタイプの傾向が、バランスが崩れるとより強く出るんだ、と覚えておくと良いと思います。あ、なんかイライラするなぁ・・・ってときにはピッタが増えているのかもしれない、心配事があって眠れない日にはヴァータが強くなっているし、なんか鼻が詰まって痰が出るときにはカファが旺盛。勿論正確を期すために専門
ドクターに診ていただくことが前提ですが、ここでは一般論をご紹介します。
Vata(ヴァータ)
華奢でやせている、新しいもの・事が大好き、
手先、足先が冷えやすい、肌が乾燥気味
機敏で活発、想像力豊か
循環器疾患、脳・血管疾患、神経系疾患になりやすい
物覚えが良い(が、忘れるのも速い)
Pitta(ピッタ)
中肉中背、知的で情熱的、チャレンジ精神旺盛
目つきが鋭い、寒さに強く暑さに弱い
肌は柔らかく黄みがかっている
皮膚湿疹や下痢、消化器疾患を起こしやすい
リーダーシップがあり、行動が機敏
Kapha(カファ)
体格が良い、献身的で愛に溢れている
目は大きくまつ毛が長い
アレルギー性鼻炎や気管支疾患にかかりやすい
持久力がある、動作がゆっくり落ち着いている
肌は湿潤性あり、なめらか
食べるのが好きで太りやすい
インドの女性たちが普段の生活に取り入れている対処法は次の通りです。いずれも家で
簡単に実践できることばかり。
********************************
ヴァータが強いとき:
ヴァータを押さえる作用のある香辛料(クミン・カルダモン・フェンネル・朝鮮人参)を調理の際や、お茶を淹れるときにに加える。
これらの香辛料を香り(線香やキャンドル)で取り入れたり、シナモン・ビャクダン・フランキンセンスの精油をゴマ油・アーモンドオイルと混ぜてマッサージに使ったりする。
食事は少量ずつ、回数を多めに。心を許せる家族や友人と、ゆったりした気分で食事を摂る機会を増やすと良い。夜は早めにやすむこと。
ピッタが強いとき:
ココナッツオイル・セサミオイル・ギー(精製バター)でのマッサージがおすすめ。ギーは飲用しても良い。くちなし・蓮・アイリス・スイカズラの精油やサフラン、ジャスミン、ゼラニウムのお香が効果あり。
食事は三食規則正しく、身体を冷やす作用のある野菜や果物を積極的に摂ること。ブドウ、梨、プラム、メロンやリンゴ、胡瓜がおすすめ。酸味、辛味、塩気の強いものや熱い飲み物は避ける。
カファが強いとき:
ヒマラヤ杉・松・セージといった香りのはっきりした精油を生活に取り入れ、バジル・フランキンセンスやヒマラヤ杉のお香を使うと良い。
甘いもの・冷たい物、油の多い肉やチーズの摂取を控えると良い。酸味・甘味・塩味はできるだけ避ける。おすすめの食材はそば粉と雑穀(キビ・粟など)。
大食いを控え、朝食を遅めにし、ランチを一日のメインと考えると良い。
************************
そうはいっても、何事もやりすぎは良くない、アバウトなところがあるのがインド人。井戸端会議であれこれドーシャのことを言っているかと思えば、え???っていうくらい大食いだったり、
思い切って甘いものを食べてたり、運動なんて小学生のとき以来やったことないわよ~
アッハッハ!!ってお腹を揺らして笑うマダムもいたりして。
そうなのよね~、このおおらかさ、いいかげんさ、すべて許す懐の広さがインドの良い所。
そんなわけで、インド人ママ友と一緒にいるときには「なんだ私、細いじゃん。」と思って安心してても、日本人マダムの集まりに出かけると、自分が果てしなくデカく思えて唖然とする・・・・
の繰り返し。
なんだぁ?、日本人はヴァータ(華奢でやせてる)な人ばっかりなのかなぁ、なんて一人で分析している今日この頃なのでした。
by 青蓮
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
★青蓮さんが一番気持ちよかったというインドのAman Baghの様子、うっとりです。
こちらの記事の追加情報としてもぜひお読みください。
アマンリゾートのオフィシャルサイトでさらにうっとり。
★日本への帰国を控えてお土産を準備中とか。インドの通販事情もどうぞ。
⇒青蓮さんのブログ
★青蓮さんへのコメントも、お寄せ下さい。この機会に興味のあることを聞いてみてくださいね♪
★3月まで連載されていた「YUKKEの今日のラテンステップで」を読む方は、こちらをどうぞ。メキシコの女性たちが生き生きと描かれています。
★前回の青蓮さんの記事は、こちらから。