ウェブデザイナーとの対談
リニューアルを頼まれたとき、どうでした? ・・・お金のことやサイトの印象などもろもろ。
今年1月7日、「どうする?Over40」は、デザインを一新しました。昨年の6月ごろから「できたらいいね」とみんなで話していて、7月ごろから実現に向けて動き出すことができました。Naomiさんというウェブデザイナーの方と出会ったからです。リニューアル作業中、Naomiさんから来る進捗報告のメールやマニュアルはどれも楽しくて元気のでるものでした。そんなNaomiさんといろいろお話がしたくて対談企画を連載することにしました。
カリーナ メンバーの一人がNaomiさんにリニューアルをお願いできると言ったとき、 「それ、大丈夫かな」と思いました。もちろんリニューアルはしたかったし、していただけるなら、こんなにうれしいことはないんですが、「プロの人にお願いしていいのか」という問題が気になっていたんです。つまり、「お金」ですね。「どうする?オバフォー」と名乗っているぐらい、私たちはもう十分すぎるほど大人なわけで。それで「いや、お金は払えないんです」とは言っちゃいかんでしょと。ところがある日、メンバーを通じて「Naomiさんはお金をもらうと仕事になっちゃうから、やめて」と言っていると。
Naomi ご心配をおかけしてしまったようで、大変失礼いたしました(笑)。私は、あまり深く考えてはいなかったんです。
「どうする?オバフォー」はお金も無さそうだし(笑)、私から「こうしましょう」と徹底的に提案しながら作れそうだな、楽しそうだな、と思ったんです。料金をいただいちゃうと、自分が納得できない指示も受け入れなくてはいけない気がしちゃうから、嫌だったんです。リニューアル前のサイトを見て、「うわぁ、もったいないなぁ!」とも思ったし…。
私なんかでよければ、もうちょっと伝わりやすいデザインしますよ、と。楽しい制作作業をやりたい一心、完全に子ども状態でした。あ。ちなみにノーギャラでweb制作は「どうする?オバフォー」限定ですからね!2匹目のドジョウは無しです。(笑)
カリーナ なるほど。そっかあ、Naomiさん、すごく明快なんですね。どうしてこんなことを言うかというと、私もフリーのコピーライターだからかも。お金の設定ってすごく迷うし、いつまでも上手にできない。もう数年前になりますが、こんな記事を読んだことがあったんです。「フリーランスの仕事の価格設定方法:全額もらうか無料でやるか。安い仕事は受けるべからず」というものなんですよ。
デザイナーのPaul Scrivenという人の文章を引用しているんですけど、フリーランスは「全額をもらうか、無償で働くか」のいずれかの選択肢が賢い。決して安い価格では働くべからず」と。
これには、びっくりすると当時にすごく納得しました。(以下、少しだけ引用)
無料で労働を提供する場合、クライアントは正確に言うとクライアントではありません。なので、どこまでの作業は行い、自分はどういう立場でいるか、というのをこちら側からコントロールすることが出来ます。
しかし、安いとは思っていながらも仕事を受けてしまうと、安かろうと高かろうと、お金が発生する以上、クライアントの意見というものは権力を持ってしまい、クライアントとフリーランサーの明確な力関係が生まれてしまいます。なので、無料というオプションがベターな選択の場合もあるのです。
なるほどーと思いました。Naomiさんは、Paul Scriven氏の方法を無意識に実践していいるのかも。
そういえば、メンバーの中にもプロのライターさんはいるわけで、メンバーがノーギャラな分には問題ない。つまり、わたしは立候補は払わなくてよし、依頼は払うべしと思っているみたいなんです。
お金のことを書いてもあまり喜ばれないんですが(笑)、Naomiさんは、そのあたり、どんなふうに整理していますか。この問題って趣味とかサークル的活動の場合、とっても重要な気がするんですよね。楽しさと義務、好意と甘え、どちらに傾いてもしんどくなっちゃうし。
Naomi お金の話は運営責任者は常に考えていないと。大人ですからねー(笑)。きちんと自分なりの線は引かなくちゃいけないんだけど、改めて考えると難しいですね。だけど私もギャラの有無は、「出来上がったものの金額的価値」では無いと思ってますよ。儲かったらそりゃぁ分配したいですけど。
あの…ほら、例えが下手ですが、家庭菜園の「紫蘇は勝手に生えてくるから種も苗も買わないよ。でも毎年豊作で、スーパーに売ってる紫蘇とは比べ物にならないぐらい香りが高くて美味しいんだよ、土が合うんだね~」みたいな。違うか。(笑)
自発的に芽吹いたものには、気持ちよく大らかに育っていける環境を整えてあげられるか、どうかが鍵なのかな?と思います。肥料が必要かな?風通しは悪くないかな?と。
メンバーにとって良い環境ってなんだろう?という所が、リーダーの手腕なんでしょうね。それさえしっかりしていれば、大きく根を張れるんじゃないでしょうかねぇ…。
でも、畑全体のクオリティをアップさせるためには買ってきたキュウリやトマトの苗も必要で、それにはお金が必要だったりもするわけで。「依頼して」植わってもらう場合は、報酬が必要になってくるのかな、と思います。
カリーナ 畑の比喩できましたか。さすがNaomiさん!ものすごくわかるような、よく考えるとわからないような(笑)。(Naomiさんは、ベランダ菜園の達人です。こちらをどうぞ⇒★)。話は変わりますが、Naomiさんが別冊のサイトを最初に見たときの印象を恐る恐るですが聞いてみたいです。あ、単刀直入に、でも傷つけない程度に教えてください(笑)。
Naomi 「もったいないなぁー!」でしたよ(笑)沢山の記事にアクセスする機能が足りなくて。よく言えば「スマート」、悪く言えば「不親切」な感じ。あまりWebに慣れていないユーザーさんは、トップページに載ってる記事しか探せないんじゃないかなぁ?と思いました。
リニューアル前のトップページ画像↓↓
でも内容からは、わいわいガヤガヤと皆さんが楽しんで運営してらっしゃるのは十二分に伝わってきましたし、よく見ると更新頻度が素晴らしくて。それがもっと分りやすく表現されているとよいのに、もったいないな~と。本当は人懐っこいコンテンツなのに、そっけないよなぁ…と。
「性格の良く出た、愛くるしい笑顔」のデザインになりましたでしょうかね?リニューアルが、そんな風に伝わると嬉しいんですが、どうでしょう?
★
リニューアルを引き受けていただいた後、カリーナからは「できるだけ頭のよさそうでないサイトにしてください」とお願いしました。そのあたりの感想から次回は話をはじめます。
★Naomiさんのプロフィール
「気付けばもう17年もネット業界にいるフリーのウェブデザイナー。その間「自分の時代が来た」的な記憶が全く無いが、細く長く更科蕎麦のようにウェブに携わらせていただいている。」
NaomiさんのWEB制作会社はこちら→Rec-O!
ベランダガーデニングのブログ(必見!)はこちら→ Sunday, Sunny day
Frankincense Lab.
フリーランスで働くと、切っても切れない問題を取り上げていただいて参考になりました。
無料という選択もありだという考え方同感です。
価格設定の難しさ、正解がどこにあるのか全くわからないなかで、失敗を通して学んだり、
経験でつかんでいく大切さを痛感する今日このごろです。
ウェブサイトに関しても、興味津々なので、次回の記事も楽しみにしています。