9月23日はカレー記念日

カレー記念日

読み切れない 車内ニュースが すぐ次へ

9月23日はカレー記念日

れみまる

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、一人歩き。むくむくともやもやのあいだ。

 

土曜日。車が使えなかったので塾に行く子どもを近くのバス停まで送る。片道15分。結構な重さのリュックを背負いランチバッグを手にした息子と歩く。「背中を伸ばす!大股で歩く!うつむかないで遠くを見る!」。檄をとばすわたしに向かって「おかあさんも今日一日、ちゃんとトレーニングをしておくようにね!」と息子は言った。

 

トレーニングというのは、ともかく歩けということだ。バスの乗客は息子一人。どこに座るのかと見ていたら、運転手さんの横に座った。運転手さんは笑いながらわたしに会釈をしてくれた。

 

お天気がいいのでトレーナーの言うとおり遠回りで家に帰る。ガソリンスタンドの前でママ友のご主人に手を振られる。車にはパパ一人だったけれど、これからみんなでお出掛けなのかな。川の土手で、白鷺がじっと立っていた。

 

a0008_000448

 

水やりを忘れて放置してしまったチューリップが、球根の殻を頭にのせたまま芽吹いている。お正月に植えた葉ボタンは中央をもりもりさせて円錐形になりかかっている。秋からこちら黒褐色に色を変えて葉っぱの厚みを増していたおかめ蔦が、「は~今年も寒くてかなわんかったわ~」と文句を言っているように見えた。

 

子どものお弁当の残りのお昼を食べて、午後からお習字のお稽古に伺う。いつもは車で10分足らずの道のりを、30分近くかけて歩く。硯箱が肩にかけたバッグの中でカタカタと揺れ、小学生のランドセルのようだと思う。学生アパートおぼしき部屋の前で軽トラックが荷積みの最中だった。

 

薄着をして出てきたつもりが先生のお宅に着いた頃は少し汗ばむほどになる。ご挨拶をして筆を持つけれど、息が上がって筆が揺れる。つい吹き出して事情を先生にお話しすると「それはそれはご苦労さま。まあ一息おつきなさい」とお茶を淹れてくださる。真央ちゃんのはなしなど先生とひとしきりおしゃべり。

 

「じゃあ坊ちゃんは、今日はちょっとした冒険ですね。ここらの子は、ふだんは電車にもバスにも乗る機会がほとんどないから」。

 

PT350001

 

地方のこういう町では、大人も子どもも移動はもっぱら自家用車頼りだ。「いい?バスの料金は自販機みたいにおつりは出ないのよ」と言ったとき、息子の顔は引きつった。ここは日本だ。なんとかするのだ。

 

お習字の帰り道、脂肪という積雪の中の筋肉が、長の眠りから無理やり起こされて、ヒーヒー言いながらも喜んでいる感じがした。行きに見た軽トラックは、荷物の上にビニールのシートを被せるところだった。学生さんは新しい土地へ出て行くのだろう。

 

PT350001

 

6時半。夕飯とお風呂の準備をして玄関を出たときは明るかったのに、迎えのバス停に着く頃には暗くなっていた。大学構内にあるバス停には年度末の土曜のせいか人影がほとんどない。待てども待てどもバスは来ない。10分がたち15分がたち20分になろうとする。どこかで行き違ってしまったか。家で待つのが正解だったか。正門前の交差点であと一信号待ったら帰ろうとしたところでバスが来た。乗客はやはり息子一人。

 

運転手さんに会釈して「大丈夫だった?」と息子に声を掛けると、「バスは遅れてきただけで大丈夫だったけど、駅で妙なことがあった」と言う。

 

a0006_001698

 

塾の目の前にある駅前のバス停で、バスはすでに10分遅れだったそうだ。日が陰りはじめ、まだかまだかとバスを待っていたら、頭巾をかぶった男の人に声を掛けられた。その人がするはなしをバスを気にしながら聞いていたら、「きみはわたしのはなしをよく聞いてくれた。出会いは一期一会だ。困ったことがあったらここに連絡して。わたしはどこにでもいる」と名刺を渡されたそうだ。

 

「この名刺、お母さんが持っとって。それからこのはなしはもうしないで。この名刺もぼくには見せんで。ああでも、あのひとのことが気になる。。。」

 

a1050_000035

 

夕暮れ時、古くて暗い駅。大荷物の小学生とナゾの怪傑黒頭巾(?)。なかなか来ないバス。

 

こういう体験のない息子は、疑心暗鬼のまま生真面目にはなしを聞いていたのだろう。名前や住所を聞かれることはなく、聞かれたとしてもそれは言わないと息子は言った。

 

家に帰って見ると、名刺には介護福祉士という肩書と、簡単な来歴、裏面に金子みすずの詩がイラスト入りで印刷されていた。「わたしはどこにでもいる?」。わたしは名刺をポトリと捨てた。

 

a1050_000035

 

「あの人のことが気になる」と言うのは、少し怖い経験として頭から離れないということなのか、その人のことが心配なのかどちらなの?と息子に訊ねると「両方」だと言う。「ああ、もやもやする。僕はどうしたらいい?」と聞くので、忘れなさい、と応える。気になるけどね、と付け加える。

 

一人歩きが増えれば、きっとこういうことも増える。蠢いている。むくむくもやもやしている。息子もわたしもそのひとも。

 

PT350001

 

せっかく18699歩歩いたことを自慢しようと思ったのに、思わぬ伏兵にはなしの腰を折られてしまった。

 

一人で歩くということは、むくむくもするしもやもやもする。そのあいだを歩けばいいと思った土曜日。

 

「背中を伸ばす!大股で歩く!うつむかないで遠くを見る!」。もって自戒とす。

 

 

 

 

 

 

 


晴れ、時々やさぐれ日記 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • nao

    こんにちは

    息子さん、びっくりしたでしょうね。
    こういう時、お母さんに名刺をあげてしまうのはひとつの正解だし、そう出来てよかったです。
    小学生ですもんね。

    子どもができたとき、知人から「人生が2度楽しめる」と言われました。
    初めてのひとりの留守番、おつかい、バスや電車に乗ってのおでかけ
    知らない人とのやりとり、怖い思いや緊張・・どれも新鮮で自分のこと以上にドキドキします。
    でもそれもどんどん慣れていって親から離れていくのよね-。
    小学生、いいなあ~。

    ところで先日地元のデパートで山形物産展があり、くぢら餅とくるみゆべしを買って食べました。
    くぢら餅はうちのと全然違ってた!くるみゆべしは美味しかったです。醤油味が新しい!

  • サヴァラン

    サヴァラン Post author

    naoさん こんにちは

    うちの子の場合は免疫がなさすぎる部分がありますが
    naoさんにコメントいただいて
    「そうだ。わたしは親にも言えない子だった」と思い出しました。
    言葉にする=体験を再生する のもイヤ、みたいな心境でした。
    息子は「言えちゃう子」で良かったと思います。

    いろいろ忘れてるんですね。子ども時代のこと。
    大きなできごとの隙間に埋もれた小さな数々の明暗。

    そういうものをけっこうな短期間であれこれ飲みこんで
    やがてあっけなく独り立ちしていくんでしょうね。

    ところで 山形のくぢら餅!
    青森の久慈良餅と違うんですか!
    むむー、くぢら餅も奥が深いなー。
    くるみゆべしは
    わたしは最初、金沢の「ゆべし」とあんまり違うので
    たまげた記憶があります!

  • 青緑

    こんにちは。
    息子さんのお話に少しドキドキしました。ご無事でよかった!暗い場所に黒頭巾は大人でも怖いな。爽やかなそうな感じでも怖い人はいるので、黒頭巾がどんな人かわかりませんが、「たまたますれ違った不思議な人」ということで忘れてしまえばいいんですよね。18699歩も歩かれたんですか。わたしも頑張らなくっちゃ。

  • サヴァラン

    サヴァラン Post author

    青緑さん

    こんばんは。
    ご心配いただいてすみませんm(__)m
    たしかに少しあぶないできごとでした。
    わたしは、あの駅のあの時間帯の様子を知っているので
    かなり鷹揚だったのだと思います。
    だいたい息子の口から「頭巾」という言葉が出たときに
    怪傑黒頭巾とか鞍馬天狗が浮かんでしまった
    ふまじめな母親です^^
    よくよく聞いてみたところ
    「泉谷しげるみたいな恰好のひとだった」と。
    頭巾?あれ頭巾?泉谷しげるに聞いてみたいです。

    一人歩き
    いったん歩きだせば どこまででも歩けそうな気になるもんですね。
    「歩き出す」までが、わたしの場合かな~りお尻が重いんですが^^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

今週の「どうする?Over40」

クラウド・ファンディング、おすすめ返礼品のご紹介。

カレー記念日 今週のおかわり!

上出来だ 今日もひとつは やり遂げた

なんかすごい。

今日のわたしは新しいわたし

いろんな言葉

デトックスフォー、あの日を振り返る

50代、男のメガネは

タピオカドリンクが流行っている。

これ、買った!

マキタ充電式クリーナーを買った!

ミカスの今日の料理 昨日の料理

ミカ料から大切なお知らせとお願い:カイゴ・デトックスin京都開催決定

OIRAKUのアニメ

第22回 彼方のアストラ

黒ヤギ通信

紙のタオルハンカチ

日々是LOVE古着

最近の戦利品

これ、入るかしら?

vol.62 この夏のサンダルとシャンプーと

いどばた。

みんなのバスタオル事情をおしゃべりしましょう。

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.28 ヨシタケシンスケかもしれない

わたしをライブに連れてって♪

男の色気 女の色気

絵手紙オーライ!

ありえないほど綺麗な花々

あの頃、アーカイブ

【エピソード34】スポーツ観戦で語るカナコさんの60年

KEIKOのでこぼこな日常

ただ今、なんちゃって料理中

昭和乙女研究所

お菓子編 昭和のガム(後編)

ワクワクしたら着てみよう

秋の気配だけどまだまだワンピースなお年頃!

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.40】 せっかちを直したい。

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

お勧めのマスカラ、そして究極のファンデ。

四十路犬バカ日和

小さな日常、非日常。

フォルモサで介護

症状いろいろ、辛苦(シンクー)いろいろ

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

ただいま閉活中

(終)まだの人も、そろそろの人も、もうの人も、みんなお疲れさま!

じじょうくみこの崖のところで待ってます

島にいたって、人生は過ぎゆく。

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

よもじ猫

北島三郎

猫No.32  by 権太

猫大表示&投稿詳細はこちら!

北島三郎

猫No.32  by 権太

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「どうする?年齢とおしゃれ。それからすべての生き方」

  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up