おらが故郷の味 : 手羽元のガーリック焼き
夏本番はまだだというのに、既に暑さにやられ気味。
毎年、暑さが忍び寄る季節には「今年の夏は越えられそうにない」と思うのですが、
今年はいよいよ越えられないかもしれません。
NASAも、今年は記録的な猛暑になると予報しています。
NASAだよ、NASA! NASAに言われちゃどうしようもない。
8月に入ったあたりでこの「ミカス料理」が更新されなくなったら
「嗚呼、やはり・・・」と、ひそかに涙してくださいね。
さて、ここ数回、ちょっと重めの話が続きましたので、
今回はもう少し気楽なお話を。
「日本と言えば・・・・」
この後に、皆さんならどんな料理、食材を挙げますか?
海外旅行や長期の海外滞在の間に恋しくなった日本食(材)はありますか?
もし、長く海外に滞在しなければならなくなった場合、
どの日本食(材)を持っていきますか?
ちなみに私がカナダ滞在中に食べたいと思ったものは、
豚カツと長ねぎでした。
揚げ物?と意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。
カナダにももちろん豚肉はあります。揚げ物もします。
でも、パン粉というものがなかったのですよ。
今は”panko”というそのままの名前で、日本のパン粉と同じものが
揚げ衣用に売られているようですが、当時はbread crumbsという
七面鳥の詰め物などに使う「粗いパンくず」のようなものしかありませんでした。
これを使っても、日本のフライにはならないんですよね。
パンを細かくして天日に干してみたりもしましたが、違う・・・
だから、きめ細かいパン粉の衣をまとった豚カツが食べたくて食べたくて。
ああ、豚カツやエビフライといったフライも、ある意味日本食なのだなぁと実感しました。
<これがbread crumbs>
<今やグルテンフリーのPankoも>
私たちが日本の料理・食材に特別な感情を抱くのと同じように、
もちろん、それぞれの国ごとに「おらが故郷料理」があって、
そのお国の皆さんは、その料理に特別な感情を持っています。
以前お話しした地下室での生活を始める前に、
友人が住むボートで2ヵ月ほど暮らしたことがあります。
(ボートと言っても、リビング&キッチン、小さい寝室2つ、トイレ、シャワーがあります)
友人の友人たちがボートへ遊びに来た時のこと。
ボートの主Nが、興奮した様子で言いました。
「そういえば、この間ミカスがランチ用にピーナッツバタージェリーサンドを作ったのよ!
私は何も言ってないのに、ミカスが自分でピーナッツバタージェリーサンドを作ったのよ!!」
はい、わたくし、その数日前に、学校へ持って行くランチの支度が面倒くさくて、
ぺたぺたぽん! とピーナッツバタージェリーサンドを作りましたよ。
それが一体?!
<ジェリーとは果肉の形を残さずにつぶして作られたもの。
ジャムと似たようなものですが、ちょっと違う>
すると、それを聞いたNの友人Tが立ち上がり、
「Welcome to Canada, Mikas!(ようこそカナダへ、ミカス!)」
と声を上げ、握手を求めてきました。
えっ、そんなに?
<さぁ、皆さんご一緒に!>
その時、北米の人たちにとってのピーナッツバタージェリーサンド(PJS)は、
日本人にとってのおにぎりのようなものだということを
私は知りました。
日本人の私が、自分たちのソウルフード(?)であるPJSを当たり前のように作ったことで、
「ミカスがカナダの文化に馴染み始めている」と感じたのでしょうか。
自分たちの好きな食べ物を、外国から来た人間が気に入ってくれたことが
純粋にうれしかったのかもしれません。
確かに、ある朝キッチンに行ったら、
ホームステイしている外国人留学生が「今日のランチなの」と
見よう見まねで覚えたらしいおにぎりを握っていた・・・。
うん、ちょっとうれしいよなぁ。
海外へ行く機会に恵まれたら、
やはりその国の文化をとことん楽しむべきだと思います。
食べ物も、よほどのゲテモノなどじゃない限り、敬遠せずに挑戦する方が
絶対にいい。
きっとその国の人たちも喜んでくれるはず。
もし、挑戦してみて苦手だと感じたら、正直にそれを伝えればOKだし。
(カナダ人Tは、日本茶を飲んで「芝生の味だ」と言いましたよ、はい)
自分の国の食文化が体と感覚にしっかりと根付いていればいるほど
異国の食文化体験は楽しくなります。
さて、今回の料理。
うーん、ここまで書いた話との接点が・・・見つからない(笑)
手羽元のガーリック焼きです。
手羽元といえば、以前『手羽元と栗の甘辛煮』をご紹介しました。
甘辛煮とガーリック焼きは、我が家の手羽元2大巨頭。
考えるのが面倒臭い時は、鶏手羽。
煮るか焼くかを決断するだけです。(それが結構難しいけど)
『手羽元のガーリック焼き』
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カナダ滞在中は食に関する面白い体験が色々ありました。
追々書いていこうと思っていますので、お楽しみに。
ミカスでした。
小関祥子
>当時はbread crumbsという七面鳥の詰め物などに使う
「粗いパンくず」のようなものしかありませんでした。
これを使っても、日本のフライにはならないんですよね。
を読みながら「うーん、そしたら細かくしてみたらどうかな…でもめんどくさいよな…」と
思っていましたら!
>パンを細かくして天日に干してみたりもしましたが
当然やっていらした!!
というところに激しく感動しました。デスヨネー。
わたしだったら何を恋しく思うのかな。とんかつソースかなあ。
ミカス Post author
祥子さん
あの時私がフードプロセッサーを持っていたなら…。
パンを手でちぎって細かくするには限界がありました。
とんかつソースも恋しかったですが、滞在中にあちら産のソースで、とんかつソースとまったく同じ味のものを見つけました!
北米なら大丈夫。とんかつソース(と同じ味のもの)あります。
kokomo
初めまして。
恐らくミカスさんがカナダに滞在していたのと同じくらいの時期に、
欧州に数年滞在していました。
その時にむしょうに食べたくなったのが、鶏もも肉のから揚げ!
下味付け用の醤油などには問題がなかったのですが、現地では鶏肉と言えば
胸肉で、もも肉ってなかなか手に入らなかったのです。
ビールのお供にぱっさぱさの胸肉のから揚げを食べながら、ああ、これが
ジューシーなもも肉だったら!と身もだえしたものでした。
その数年の欧州滞在で鍛えられて、それまで鶏肉しか食べられなかった私は
お肉なんでもOKになりました。今では、牛豚はもちろん、羊、馬、鹿、ウサギ、カエル
その他ジビエ、内臓関係もほぼ美味しくいただけるようになりました。
給食で豚肉が出ると、口に入れたまま呑み込めず半泣きで席に座っていた
自分が嘘のようです。
その後の食の世界が広がったような気がしますので
(おかげでエンゲル係数は上がったかも...)、この経験には感謝しています。
冷蔵庫開いたら、手羽中が大量にあったので、今夜は
手羽中のガーリック焼きにしま~す。
きょん
ミカスさん、初めまして!
アメリカに約1年いました。
そういえば、一度もフライ物は食べなかったですね。
パン粉、探したことがありませんでした。
私が困ったのがマヨネーズ!
スーパーには巨大なマヨネーズが、棚いっぱいに置かれていて、種類はあるのですが、日本のとはどこかちがう。
なめらかさ!酸味!微妙な繊細な味!
結局、これ!というマヨネーズには出会えませんでしたが、こうして色々探すのも楽しさの一つですね、外国生活の。
ミカス Post author
kokomoさん
初めまして。
欧州にはそんなに色々な種類のお肉があるのに、鳥もも肉は無いんですね。
食の世界が広がったというのは本当に素敵なことですね。
kokomoさんに「受け入れる柔らかさ」があるからなんだろうな、と思います。
欧州には一度も行ったことがないのですが、一度は訪れて、色々な肉に挑戦してみたいです。
クリ
PJS懐かしい!アメリカにいた時、ショッピングモールで見知らぬおじいさんに「食べたことあるか?」と訊かれ、Noって言ったら「食べてごらん」ってわざわざ近くの売店で買ってくれたことがあります。美味しいって言ったらすっごく喜んで…。
でもあのおじいさん、どうも私を高校生ぐらいだと思っていたような。私、28だったんですけどね(笑)
ミカス Post author
きょんさん
初めまして。
北米のマヨネーズって、なんだかぼんやりと甘いものが多くなかったですか?
一時、miracle whipにハマったことはありましたが。
何年か前、アメリカのAmazonでキューピーマヨネーズ旋風が吹き荒れたというニュースを目にしたことがあります。
アメリカ人も、日本のマヨネーズの方が美味しいと感じるんですね。
ミカス Post author
クリさん
おじいさん、異国からやってきたかわいい高校生(?)に、自分の国の食べ物を楽しんでもらいたかったのでしょうね。
優しいな。
海外では、日本人は若く見られますよね。
年を言うと驚かれて、その度にニンマリしていた私です。
nao
トルコ滞在中に、無性に食べたくなったのは「ゴボウ」でした。
あの香りが懐かしくて、ないと思うと余計食べたくなったのを思い出しました。
あと、イスラムの国なので、豚肉は基本売っていなくて
たまに手に入ると、豚肉って美味しい!って感激しました。
まだ結婚したばかりのころで、料理そのものが苦手で何を作るにも四苦八苦してました。
今だったら向こうの食材をいろいろ試して楽しめたかなーと思います。
ミカス Post author
naoさん
ゴボウですか。
確かに、海外でゴボウが手に入る国というのは少なそう。
あの独特な香りと食感が恋しくなりますね。
イスラムの国は色々な制約があって、色々な点で大変そうですね。
豚肉がなかなか食べられないというのは、私には辛いなぁ。ポークLoveなので。
それにしても、皆さんから色々な国での体験をお聞きするのは楽しいなぁ!
クリ
naoさんのコメントを読んで、私も思い出しました。サウジはイスラムでも最も厳しい国なので豚は加工品でもアウト。駐在仲間で一時帰国で食べたいものという話題になると、ラーメン・豚カツ・餃子がお寿司を抑えて上位を占めてました。
インドは生モノが安全面でダメだったので、一時帰国のお土産は卵・キューリ・レタスあたりが嬉しかったです。卵を貰った日の夕食は卵かけごはん、キューリを貰った日の夕食は冷やし中華でした(^_^)。納豆とモヤシは自分で作ってました(笑)。
ミカス Post author
クリさん
確か、調味料に豚のエキスが入っているだけでもダメなんですよね?
豚骨ラーメンなんてもってのほかなのか。
イスラム教ではない人たちがクラスのは大変ですね。
そして生ものがダメなインド・・・
(そういえば、カナダでも卵は生どころか半熟も止めましょうって保険局が呼びかけていました)
色々大変なことも多かったでしょうけれど、
ちょっとうらやましいクリさんのグローバルな日々。
納豆、手作りしてたんですか?!
じじょうくみこ
「1ヶ月くさらない食パンって…??」
以前、アメリカに滞在した時に驚いたことです。
欧米(アメリカ?)の食べ物ってやたら賞味期限が長いか、やたらすぐ腐るかどっちか、
という印象でしたが、今はどうなんだろうなあ。
滞在中は生たまごを食べたい〜と思ってました。
たまごふわとろの親子丼とか、うなぎの蒲焼とか、とにかく「ふわとろ」禁断症状爆発。
フライは考えたことなかったなあ。
でも天日干したい気持ち、すごくわかりますw
手羽先が家にあったので、さっそくやってみたのですが
あまりにおいしすぎて写真を撮り損ねました!
お詫びに以前ご紹介されていた「ブリのソテー」を添付します(なんでや)
我が家ではブリが入るたびに作る超定番メニューになりました。
ネギ多めの「ブリのソテー・ネギまみれ」、あまりにも作っているもんで
ブリを買うと「今日はネギまみれだね」とバレバレになり、
いつしかシンプルに「まみれ」と呼ばれるようになりました。
「Panko」に次いで「Mamire」として国際標準になる日も近いかもしれません(え?)
ガーリック手羽、ザビ男が「皮がパリパリだしうまい」と大絶賛でした♪
ミカス Post author
じじょうくみこさん
1ヵ月腐らない食パンか…。
やるなぁ、アメリカ(笑) テクノロジ~!
生卵や半熟卵、食べたくなりますよね。
かっちかちの目玉焼きだの茹で卵じゃ味気ない。
でも、保険局に言われちゃ、しっかり火を通すしかない(泣)
ついに「まみれ」までいきましたか。
じじょくみ家のまみれ、ソースたっぷりのまみれまみれで美味しそうです。
いつの日か、International Mamire Dayが制定された日には
くみ&ザビさんと共にセレモニーに出席したいものです。
ワンピース選びに苦戦しそうですが。
モリミー
わぁ〜じじょうさんだぁ。
ここでじじょうさんと会えるなんて感激です。今 シマでザビさんとお幸せに暮らしていらっしゃることは存じています。連載終わってしまったので、始めから読んでいます。珍獣パラダイスや乗り鉄、婚活など。いつザビさんと出会うのかしらと毎日少しずつ読んでいます。(だって一気によんだら、勿体無いですものね。
ミカスさん、場所をお借りしてすみませんでした。ブロッコリーの肉巻きフライ美味しかったです。ケチャップ ソース 粒マスタードのタレ珍しく夫が褒めてくれました。キムチ豆腐も美味しかったです。
将軍さまとの介護の様子も 私の心に響きます。まだ 認知症どこらか、老人ボケという言葉もなかった45年以上前、私の曽祖母が認知症になり、家族は大変でした。実母だからこそ、揺れるのですよね。
初コメント 失礼しました。
ミカス Post author
モリミーさん
初めまして。
喜んで場所をお貸ししちゃいます。
ここを通して皆さんがつながったら楽しいですよね。
ブロッコリー、お試しいただいたのですね。
ありがとうございます。
ご主人が気に入って下さって良かった!
今でこそ認知症に関する情報もたくさんあって、介護の方法も選択できるようになりましたが、モリミーさんの曾祖母さまの頃は本当に大変だったでしょうね。ご苦労されましたね。
他人なら優しくなれるのに、身内だとそうはいかない。やはり情があるからですよね。
morimimorimi
ガーリック手羽元美味しいですね。将軍様(心優しい)表現てす。美味しい=手間をかける 手抜き=美味しくない と思い込んでいた私には目からウロコでした。またフォローします。よろしくお願いします。
ミカス Post author
morimimorimiさん
作ってくださったのですね。
写真もありがとうございます!
手間暇かけたものには、それなりの美味しさや食べる楽しさがありますよね。
また、手軽に作れちゃうものも、食材の特徴や食べる人の好みといったポイントを押さえれば美味しく仕上がると思います。
手の込んだものを作るのも楽しいし、簡単に出来ちゃうのもうれしい。作る人が無理をしていなければ、どちらでもOKですよ、多分(笑)
母のことを直接的な言葉で表現することに、まだ迷いがあるんです。だから、将軍様なんて言ってます。私の逃げなのかな?と思うこともありますが、これも私の気持ちに無理を生じさせないための私なりの作戦かもしれません。
これからもよろしくお願いします。