介護の言葉 その2
「自分のイメージは元気なころのまま。現実が上書きされていない」
(『帰ってきたゾロメ女の逆襲』より。つまみさんの言葉)
これ、とても興味深い言葉だと思いました。しかもわかりやすい。
うちの母の場合は、自分が「もうダメだ」と思った時のイメージを定着させちゃって、それ以降上書きする気がないみたい。常にどよーんとしています。
うちは逆です。
義母が、元気な頃の自分で更新をストップさせたままだったりするんですよね。
よく言えばポジティブなんだけど、歩行が不安定で物理的にはもう無理なこともやっちゃいがち。
1年前、救急車で運ばれて、リハビリ専門病院を含めて4ヶ月の入院生活になったのも、雨戸を開けようとして転んだからで、文字どおり「痛い目に遭ってる」んだけど、その後も折に触れ(?)やるんだよねえ。
目が離せないのは、その「うっかり」がいつ出没するかわからないからだったりするのです。
なるほど。
うちはネガティブで困っているから、ポジティブならいいじゃん!なんて思っていたけど、そう簡単なものではないのね。
できないイメージ、できてたイメージ、いずれにしても上書きされないのは大変だ。
今の自分をわかっていないということですものね。
うん、わかってるようでわかってないの。
でも、現実を直視しろ、とはやっぱり言えない。
近いことは言うけど、それって、前向きな気持ちの否定でもあるわけで、イメージや希望…脳内明度っていうのかなあ、それが実際の身体の動きに直結することも目の当たりにしているので、日々せめぎ合いです。
外側から考えれば、年を取って少しずつ心身の機能が衰えていくのは当たり前のことなんだけど、
自分がその只中にいるのってどんな感じなんだろうなぁ。
薄々わかっていながらも、周りから現実を直視しろと言われたら。
すっごい絶望感だと思うよ。でも、難しいことだけど、生きている意味はサクサク歩けることだけじゃないと思ってもらいたいんだよねえ。生きている意味なんてそもそもない、的な哲学はとりあえず置いといて。そのためには、距離感の違う人間がいろんな方向から寄ってたかって、日常や現実は案外想定外もあるよ、こっちがダメならあっちはどう?とアピールするって大きいと思うんだよね。個々のプレゼン範囲だけだと狭いからさ。
ミカスさんちもうちも、そういう意味でも、デイサービスやショートステイの存在というか役割は大きいよね。
ホント、ありがたくて泣く!
うん。デイサービスやショートステイ、まじ神!(笑)
つまみさん言うところの「せめぎ合い」や、これ冷たく聞こえるかもしれないけど、母の「絶望感」からも少しの間でも離れることができるのは助かる。
母も、外の空気や外の人と触れることで無意識ながらも少しは現実の上書きができているような気がします。
まぁ、帰ってくると元に戻っちゃうから、仮上書きだけど。
いずれにしても、上書きの頻度が減ったり止まっちゃうのってやっぱり高齢者特有のものなのかしら?
私の上書きはいつ止まっちゃうんだろう?
我々の上書き?そもそもしてるのかな。
若い頃と同じような化粧や髪型って時点でダメかもね。むなし~。
えぇーっ、古き良き80年代のまま上書きなし?!
それは大変だよ!!
上書きに次ぐ上書きで、なんとか頑張らなきゃ!!
7月に都内でトークミーテイングを開催します。
介護される人のための情報はたくさんあるのに、介護する人を助けるための情報はほとんど無いというのが現状です。
介護する人がデトックスできる場を作りたい。私たちはそう考えました。
この『介護の言葉』であれこれと語り合っている月亭つまみさん、私ミカスの他に、Cometさん、カリーナさんも参加します。
介護真っ只中の方、介護経験者の方、介護未経験の方、ぜひご参加ください。
皆さんの気持ちもたくさん聞かせてください。
介護の話だけではなく、実は美味しいものも食べられるらしい。
詳細は後日改めてお知らせします。
江ノ島カランコロン
うーん。上書きしてよぉ〜 と思う時本当にありますね。
でも上書きしたくない気持ちというか そんなところをわかって欲しいのかな と
御傾聴に専念させていただきました。
「そろそろ 勘弁してぇ いい加減に前を向け!周囲を見よ!」
と私の中の脳天気ポジティブデビルが 暴れそうになったその時に
ついに 義母は友達に 不自由な体でやっとこさで会いに出かけました。
それこそ 距離感の違う人間達からの
寄ってたかってのアピールの洗礼を受けたようです。
仮の上書きかもしれないけれど それでもいいさ
電話でも同じようなこと言われていたはずなのに
実際に会うのって これほど違んだなぁ
私も友達 大事にしなっくちゃ
はしーば
できないですね〜、上書き。
10分前、下手すると5分前の会話は全く記憶されていないので、「えーっ!」ってなることはしょっちゅう。
自分に余裕がある時はまだいいけれど、大抵の場合はバタバタしている時に限って、なので。
「きーっ!」と「あ〜あ」の連続技→自己嫌悪 の無限ループ(涙)
眼鏡A
あ〜。老いにおいてポジティブとは何か?
うちはもう長い距離は歩けないのに、ショッピングモールの車椅子を拒絶していました。受け入れてくれれば、もっと気軽に外出もできただろうに…と思いますね。
すでにミーティング始まってます?
ミカス Post author
江ノ島カランコロンさん
上書きしたくない気持ちをわかって欲しい、か。
そうなのかもしれませんね。
お友達と会うことでお義母さまは上書きされたかな?
お義母さまには、無理のない範囲でお友達に会っていただいて、上書き刺激のシャワーを浴びてもらいましょうか。
そして、私たちも友達からたくさん刺激をうけなくちゃいけませんね。
ミカス Post author
はしーばさん
記憶力と上書き力はかなりの強さでつながっていますよね。
調子のよい時が続いてくれるとこちらも楽なのですが。
私もはしーばさんと同じループにぐるぐるぐるぐるはまっていますよ。
きっと、介護する人はみんなそう。
「こうしたら?」というすてきなアドバイスばできないのですが、わかるよ、よーくわかる!とは言えますよ(笑)
頑張りすぎないようにいきましょうね。
ミカス Post author
眼鏡Aさん
あぁ、本当だ。
眼鏡Aさんのお母様(?)、歩けないけど車いすはイヤとは、確かにポジティブって何だろうな?って思いますよね。
意地でも頑張って歩くのがポジティブなのか?
車いすでモールをがんがん楽しむのがポジティブなのか?
話し出したら止まらなくなってしまいそうですね。
ミーテイング、すでに始まっているのかも。
あずみ
体力や行動のことの上書きは、つまりは「できない」とあきらめることななるから、余計上書きしたくないのかもなーって思います。
私が小さかった頃、運動会で、お父さんやお母さんが前のめりで走って転倒、もしくは骨折やアキレス腱切れちゃったって言うのを見ましたが、これも上書き出来てなかった系なのかもかなあ。
ああ、自分の服装が年齢に会ってないことを省みております…