三つ子の魂
去年、還暦を迎えてからずっと考えているのだけれど、人の中身っていつまで成長するんだろう。昔から「三つ子の魂百まで」と言う。つまり、物心ついたときには人の精神というものは決定付けられているのだ。子どもの頃、嘘つきだったら、大人になったって嘘つきだ、ということか。
自分が幼稚園に通っていた当時のことを思い出したりすると、同じクラスの子どもたちの中にも嘘つきはいっぱいいた。おもちゃを隠したりする意地悪なヤツとか、花壇の花をちぎったくせに「それはウエマツくんがやりました」なんて言うヤツがいた。あの嘘つきや意地悪が同じ割合で大人になっているとすると、なかなか恐ろしい。
もし、三つ子で魂が決定付けられるとしたら、その魂のままで周囲の人たちや世の中と折り合いを付ける術を小中高大と身につけていくということなのだろうか。そして、それを人は成長と呼び、就活生は自己成長と呼ぶのだろうか。
ということで、自分を振り返って見て、自分の心はいつ頃まで成長していたんだろう。または、いつごろ完成形になったんだろう、と考えてみた。う〜ん、3歳ということはない気がするんだなあ。数えだと4歳か。でも、成人前後はもうすっかりいまと同じ感じだった気もするし。そうすると、13歳〜15歳くらいが怪しいなあ。2〜3歳までにベースができて、13〜15歳で完成形。
だから、13〜15歳くらいまでに温和な良い形にできればいいけど、なんかいびつなところがある人は、後の生涯をかけて微調整を続けるって感じなのかもしれない。というか、僕がまさにそんな感じ。でも、いったん完成したものはなかなか変えられない。わかんないように生きるったって、よっぽどうまくやらないとバレバレなんだろうなあ。だからといって、開き直るほどの度胸もないしな。
しかしまあ、昔の人はうまいこと言うねえ。
植松さんのウェブサイトはこちらです。お問合せやご依頼は下記からどうぞ。
植松事務所
植松雅登(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。