第92回 火の鳥 エデンの宙
Disney+で9月13日から配信が始まった「火の鳥 エデンの宙」は、全4話。手塚治虫のライフワークと言われる「火の鳥」の「望郷編」を初めてアニメ化した作品です。
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幼少期、「鉄腕アトム」を皮切りに「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「海のトリトン」「不思議なメルモ」などの子供向けアニメで手塚治虫作品に接してきました。
その気分のまま少し大きくなってから手にした漫画、「三つ目がとおる」・「ブラックジャック」はまだなんとか読めました。ですが、十分大人になってから読んでみるかと書店で手にした「どろろ」や「奇子」「アドルフに告ぐ」などは、パラパラとめくるだけでその複雑さ・妖しさ・残酷さに慄き、早々に撤退しました。「ブッダ」・「火の鳥」にいたっては難しそうだからとはなから読む対象ではありませんでした。
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「火の鳥 エデンの宙」に戻ります。見ておいて本当に良かった!(本予告をYouTubeでご覧になれます。原作のさわりを手塚治虫公式サイト https://tezukaosamnu.net で読めますが、ストーリーを少し変えてあります。)
今回の作品は未来の話なのですが、1970年代に描かれた大胆な設定は、今もって、いや今だからこそ合点がいく。ぎょっとするようなセリフを登場人物にさらっと言わせ、人間の業により文明が生まれて滅びていく様子を端的に見せている。手塚先生はこんな壮大なテーマを数十年描き続けていたのか!
がぜん興味が湧き、アマゾンプライムで配信中の「火の鳥」など過去の手塚原作アニメも見ています。原作より表現が柔らかいようなので、まずはアニメから。そして秋になったら宝塚の手塚治虫記念館に行くつもりです。
アニメーション制作はスタジオ4℃。クオリティは保証付きです。
配信版とは終わり方が違う映画「火の鳥 エデンの花」が11月に劇場公開予定です。
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9月15日から絶賛公開中の、岡田麿里監督、アニメーションスタジオのMAPPAが手がけたオリジナル作品「アリスとテレスのまぼろし工場」も見ごたえのある作品でした。タイトルは甘やかな雰囲気を醸し出していますが、岡田監督独特の心がえぐられるセリフが多々あります。架空の街なのに、とにかく画面が厚いというか、濃くてリアル!
お話は、テーマ曲「心音」でご確認ください。アニメへの曲提供が初めてという中島みゆきの当て書きが、ズバリ言い当てています。今、YouTube中島みゆき公式チャンネルで本編付きでワンコーラス聞けます。良ろしければぜひ。
映画「アリスとテレスのまぼろし工場」公式サイトURLはこちら↓
https://maboroshi.movie/