進化する
うさちゃんは飼いうさぎとしての嗜みが身についていて、給水ボトル(飲み口がボールペンみたいになっている)から上手に水を飲みます。逆に水入れから直接飲むのは苦手でした。口の周りが水につくのがイヤなのか水がつくと「うわあ」とでも言うように頭をぶんぶん振ってから顔をこすっていました。
でも今はちゃんと進化して、上手に口をつけて小さな皿状の容器から水を飲めるようになっています。ぴとぴと、ごくごく、と音をたててたくさん飲みます。
夜、布団に入ってから暗い部屋でその音をじっと聞くのもいいものです。目はあけずに「飲んでる飲んでる、うまく飲めるようになったなー」と思う。
ところがある夜、カツカツゴンゴンとあまり聞き覚えのない音がしてきました。
見ると、お皿の縁を噛んで揺らしてこぼれた水を舐めています。給水ボトルから水を飲む時の動作に似ています。
これは・・・飲み方わからなくなっちゃったんだろうか・・。
起き出して様子を見に行くと水飲みの隣にある牧草入れのほうを向きました。牧草が結構減って、とくにオヤツ牧草(限定品の美味しいやつ)がなくなっています。「もしかして、牧草ほしいの?」
牧草入れから定番牧草を出してやり、上にオヤツ牧草を少しのせると「ぶぶっ」と言って食べ出しました。ぶぶっという短い音は「そうそう、これですよ」と下僕には聞こえました。
その後は水入れを揺らすことはありませんでした、と思います。
下僕は寝てしまったので・・。
ケージに居るとき、下僕を呼ぶために給水ボトルの飲み口でかちゃかちゃ音を出すことがあります。今回も牧草追加の要望で呼んだのでしょう。一瞬、老化で水の飲み方を忘れてしまったのかという失礼極まりない疑問が頭をよぎったのですが、そんなことではなくむしろ要望を伝えるために進化したみたいです。
そういえば、畳んだキルトラグの間にもぐりこむということも初めてしていました。姿が見えないと思ったらキルトがもくもく動いており、そのもくもくはしばらくキルトの中を動き回っていましたが、縁を頭で持ち上げてうさちゃんが「ぷはーっ」と出てきました。怖がってはおらず楽しそうだったので遊んでいたのでしょう。
行動範囲は狭くなったし、寝ている時間も増えて確実に年はとったけれど、新しいこともするし、なんと言っても意思疎通が昔より良くなっているように思います。できなくなることばかりじゃない。
まあ、進化の芽は伸ばしたいけれど、水飲みを揺らして下僕を呼ぶのは水がこぼれて大変なのでなんとかせねばなりませんが。